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中国イケメン・ラノベ作家の愛国声明が話題に=胎動する「カッコワルクナイ愛国」

2012年09月12日

「中国の村上春樹」(アエラ命名)こと80後(1980年代生まれ)中国イケメンラノベ作家・郭敬明の愛国宣言が話題となっている。


20120912_写真_中国_郭敬明_


君たちがボクのことを「中国を愛するバカ」扱いするならばどうぞ。ボクは天安門広場で国旗が揚がる様を見て泣いた人間だ。五輪で国歌を聞くたびに目を赤くして嗚咽を漏らす人間だ。ボクは北京五輪聖火リレーを真夜中にネットで見ていた。(聖火を奪おうと襲ってくる者から)中国人が守っている画像を見るたびに号泣した人間だ。君たち、疑うんじゃない。こういう人間は存在するんだ。ボクの祖国は確かに多くの問題を持っている。ただそのことはボクに何も影響を与えない。ボクはなんのためらいもなく祖国を愛しているし、それを誇りに思っている。 

という内容。現時点で11万件のコメント、22万回のリツイートという膨大な数を記録している。

さて中国のネット言説では、「政府批判カッコイイ」「ちょっと難しげな言い回しカッコイイ」「バカ愛国者批判カッコイイ」という風潮がある。そのことを踏まえた上で、それでも「バカ扱いしてもいいよ」と超ド直球の祖国ラブ発言をした郭敬明は恐るべしである。

ネット民の多くは「カッコワリー」と大批判。そしてメディアはというと、環球時報中国青年報など官制メディアは「愛国に燃える若人ええやんか」、そして政府批判が売り物の南方系では「愛国ショー」と批判的。まあ想像通りの状況だ。

ただ個人的には今のネットの風潮、何がカッコイイ、何がカッコワルイを知った上で、ド直球を投げるセンスは面白いと感じている。日本の朝日新聞・日教組バッシングとも似ているものがあるが、中国では「政府批判カッコイイ」の大ボスである南方系に象徴される空気がネットを支配していることに反感を覚えている人も少なくない。

「中国の村上春樹」(しつこいようだが、アエラ命名)というよりは髪の毛の脱色のやり過ぎ感と肉がついていないところから「中国の小室哲哉」のほうがいいんじゃないかな、という風貌のイケメン作家がストレートな愛国宣言をしたことは、「カッコワルクナイ愛国」を生み出す可能性もあるのではないだろうか。

8月の反日デモでは「蒼井そらは世界のもの、尖閣は中国のもの」などのオモシロ・スローガンが登場して話題となった。これもまた中共の押しつけとは違う、「カッコワルクナイ愛国」の可能性を示唆しているように思われる。

*おまけ

郭敬明の愛国宣言は、「脳残体」としてさまざまなパロディが作られている。以下、いくつかご紹介。

君たちがボクのことを「ナルトを愛するバカ」扱いするならばどうぞ。ボクはジライヤ先生が水に沈んだ後大泣きした人間だ。ヒナタがナルトに告白した時、目を赤くして嗚咽を漏らす人間だ。私はイタチのサスケに対する無私の兄弟を思って嬉しく思う人間だ。君たち、疑うんじゃない。こういう人間は存在するんだ。ナルトは確かに多くの問題を持っている。ただそのことはボクに何も影響を与えない。ボクはなんのためらいもなくナルトを愛しているし、それを誇りに思っている。 

君たちがボクのことを「広告業を愛するバカ」扱いするならばどうぞ。ボクは気持ち良くなるまで残業している人間だ。クライアントにあしざまに罵られないと満足できない人間だ。ボクは真夜中に体を引きずって家に買った子とがある。それでドロボウに疑われて大変だったが、それを自慢にしている人間だ。君たち、疑うんじゃない。こういう人間は存在するんだ。ボクの仕事は確かに多くの問題を持っている。ただそのことはボクに何も影響を与えない。ボクはなんのためらいもなく仕事を愛しているし、それを誇りに思っている。

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