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反日デモはミニ文革なのか？15日デモのまとめと「気になる」ポイント―中国

2012年09月15日

2012年9月15日の反日デモについて。


中国各地、40～50都市で反日デモが実施されました。スーパーや工場の略奪騒ぎにまで発展した青島、長沙。デモ隊がホテルを襲撃した西安。北京の日本大使館で中国の武装警官隊に物を投げつけた北京市のようなところもあれば、比較的しゃんしゃんと終了した上海のようなところもあり。

ネットに「反日デモやったで！」とアリバイ的写真だけアップして、実際には何も起きなかった都市のほうが大多数でしょうが、各都市を総合すると、（新中国建国後、被害額ベースで）史上最悪の被害を出した反日デモになったことは間違いないのじゃないか、と。

細々としたトピックをまとめる力がないので、お時間のある方は下記トゥギャッターを眺めてください。中国マイクロブログ情報をがすがす転載していた「中国住み」さんのおかげで、かなり細かい情報がわかります。ただしデマを紹介しているケースなどもありますのでご注意を。とはいっても、北京・青島・長沙・西安での暴動の事実自体は間違いありませんが。



で、いくつか気になったことを。


■反日デモはミニ文革やで！

我が畏友・安田峰俊君が熱いブログ記事を書いています（毛沢東の肖像画まで登場した反日デモの性質をざっくり考えてみた）。正直、100％は賛成できない話ですが、「反日デモは民意の爆発・ガス抜き・ネット主導」という常套句をばっさり切り捨てている点では諸手をあげて賛成。

ただ厄介なことに「今日の反日デモは盛り上がったで～」とかいっても、地域によって全然違う上に、検証するならば、その地域の中、参加者の中の濃淡があるわけで、なにか一つに結論をしぼった時点で間違いになるという、やっかいなトラップがしかけられております。

面倒臭いことに細かく条件付けして場合を分けない限りは、「正解」の話はできないでしょうね。言い換えるならば「反日デモ」なる言葉で一つにくくれる現象はなかったということです。


■愛国無罪やで！

上記トゥギャッターに入っているはずですが、デモ前日から略奪を楽しみにわくわくしていた輩がいるのだとか。しかもそれをマイクロブログでつぶやいているのだからなんとも、という。

私は複数の中国人から「今回の盛り上がりはやばいで」という話を聞きましたし、同じ話を聞いたという日本人の話も複数聞いています。彼ら中国人が何をして「やばい」と判断したのか、その根拠を特定することはなかなか難しいのですが、私は「胡錦濤、呉邦国、温家宝、李克強」の常務委員4人による日本批判発言によって、日本バッシングOKというムードが作られたこと、だと考えております。少なくともテレビ、新聞は上記4人（李克強だけは声明が遅めでしたが…）の発言を受け、未曾有の日本バッシングを実施しています。

そうしたメディアスクラムによって、「まじで戦争になるかも。やだなぁ」と感じた人もいれば、「週末のデモやりたい放題やん！略奪のチャンスやで！」と感じた人もいるということではないか、と。


■スローガンの凶暴化

先月の反日デモでは、唯一皮切りとなった西安でだけ「中国を墓だらけにしようとも、日本人を殺し尽くす」といった物騒なスローガンが登場。他は「日本製品ボイコット」「打倒小日本」「小日本出て行け」という穏当（？）なスローガン、それに「尖閣は中国のもの、蒼井そらは世界のもの」というネタ・スローガンでした。

ところが今回は「中国を墓だらけにしようとも～」が各地で散見されるほか、「頭を切り落とされようと、血が流れ尽きようと、日本人を殺し尽くす」「大刀で日本人の首を取る」「東京を平地にしたるで」といった凶暴スローガンが散見されています。


■北京市デモの暴徒化

チャイナウォッチャーの常識的にいうならば、中国全土が大変なことになろうとも、首都・北京だけは体裁を取りつくろうであろう、という読みになります。ところが今回に限っては日本大使館向けのデモがもっともコントロールを外れたものの一つになったという……。

北京の愛国者たちががんばった、というだけではなかなか考えにくいものがあります。そもそも、日本大使館の前に数千人の抗議者を集めさせたことが異常なのです。これまでは野次馬的参加者を排除し、プロの抗議者によるシャンシャン・デモを行ってきたわけで。

というわけで、いろいろ妄想する材料には事欠かないのが現状。裏側を推測する材料はまだ不足しているのですが、明日、明後日、そして国恥記念日＝柳条湖事件記念日にあたる18日に何が起きるか、中国のメディアがどう報じるか、によって、可能性は限定できるでしょう。

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 コメント一覧 (4)

    • 1. 啊啊男
    • 2012年09月16日 00:41
    • 05年頃は、江→胡への権力移行期。（肩書きではなくて、地方人事など実質的な）
      で、06年に上海の陳さん降ろされて、向こうのメディアが言うところの大右翼の安倍さんとなぜか手打ち。反日も収束。
      10年は、習が見送られてた軍事委員会副主席にやっとこさ就任。
      そして、今回は、北載河会議で人事がまったく決まらなくて18大の日程が決めれないとかなんとか大紀元に書いてあったし。
      大紀元の情報をどの程度信じてイイのか分からんが、日本側がなんかやらかしても、向こうさんが、騒ぐ時と騒がない時があるのが気になる。
      まぁ、反日の盛り上がり具合は、党大会がどうなるかじゃないの？
      とか言いながら、個人的には、裏に権力闘争がみたいな分析は嫌いなんだけどね。

    • 2. あ
    • 2012年09月16日 07:52
    • 中国に支社があるので
      本当色々心配です…

      不買＆デモはともかく
      暴力沙汰にだけはならないように祈ってます。

      もう 中国嫌いだ…

    • 3. Chinanews
    • 2012年09月17日 19:50
    • ＞あ さん

      暴力沙汰は本当に勘弁ですね。いろいろねちねちと問題が続くでしょうから、中国とお付き合いのある仕事をやっていると、ブルーですね
    • 4. Chinanews
    • 2012年09月17日 19:53
    • ＞啊啊男さん

      安田さんの記事（続編の黒幕探しも含めて）は気になるポイントを抑えつつ、正直にわからないと言っているところが正しいのではないか、と。

      ただおっしゃるとおり、結構みすごされていると思うのが、本気で日本に圧力をかけている可能性ではないでしょうか。権力闘争の要素がゼロではないのは間違いないと思っていますが、中国国内の問題としてだけで考えようとするのも無理筋な気がしています

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