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2012年09月16日
■うーむ、予想外
多維さんの、十八大直前・常務委員予想その3が公開されました。7名説を採用した上で、注目すべきは有力候補と言われていた兪正声、汪洋、劉延東を外し、劉雲山、張高麗を入れて来た点です。習近平・李克強を除く5名についての寸評も併せてご紹介。
[多維新聞 十八大人事予想 ver.3.0]
習近平・・・総書記
李克強・・・国務院総理
張徳江・・・全人代委員長
王岐山・・・政協主席
李源潮・・・国家副主席・中央書記処書記
劉雲山・・・紀律検査委書記
張高麗・・・国務院常務副総理
張徳江:
中央政治局委員を2期務めた上に、混乱のあった重慶を治めた。常務委員への昇格は懸念点がなく、全人代委員長まで上がりそうだ。江沢民の部下で、吉林/浙江/広東と3つの重要省のトップも務めたことから地方経験も豊か。本人も清廉潔白であり、「叩いてもホコリのでない」典型。全人代委員長は、保守的で堅実な資質が求められるため、その点で前評判の高かった兪正声よりも明らかに適性がある。
王岐山
どの分野もこなすオールマイティーさが、政協でどのように発揮されるか注目に値する。今は全人代とともに「二流」部署と言われてきた政治協商会議だが、改革の要求が高まるにつれ、(共産党外部との折衝が多い)政協の地位向上が求められている。王岐山は政協に新風を起こすという点で、他の候補と比べても適格な人選ではないだろうか。
李源潮
習近平をトップとする第5世代は、「党の建設」という共通認識がある。党の調整について習近平と密な関係を結んでいる李源潮は、まさに習近平を党務で補佐する役割として常務委員に入るだろう。組織部長として党務に精通しているという点では、可能性としては紀律検査院書記もあり得る。
劉雲山
1947年生まれの劉雲山は、2002年段階では最年少の中央政局委員であり、また遡れば1985年には、最年少で中央候補委員に選出された。当時彼は38歳、その3年前に40歳で候補委員に選出された胡錦濤よりも更に2歳若かった。彼の経歴は、他のライバルに比べても非常にシンプルだ。地方の宣伝担当から、現在の中央宣伝部長に至るまで、22年間を宣伝担当として過ごした。まさに宣伝畑のプロパーで、その職掌ゆえに、党上層部の信任を得ることができた。
紀律検査委は重要な部署であり、そのトップには、政治資質として、浅薄でない、深長さと重厚さが求められる。劉雲山の経歴とコメントからわかる政治素養も、紀律検査委書記は適合していると考えられるが、他の党務を主管する説もいまだ排除はできない。
張高麗
現天津市党委書記の張高麗は、彼の豊富な経済領域での経験と大都市での職務経歴を活かして、国務院常務副総理に任じられることで、その手腕を発揮すると考えられる。彼の過去の施策はおしなべて好評であり、経済の持続発展と腐敗防止の2点が、彼が順調なキャリアを築いて重用されている理由と言える。天津では、経済の発展はもちろんのこと、腐敗防止の諸制度も作った。第一副総理は、経済領域にその手腕を発揮することはもちろんのこと、公務員の財産公開等も推進する立場にある。この2つは党中央が求めている主要な課題であり、張高麗であれば充分その任に堪えると考えられている。
また、彼は「現政治局委員で最もパッとしない」というレッテルも貼られているが、伝統的な出世コースである石油閥の彼は、江沢民陣営の中心的存在であり、2011年9月に習近平が張高麗の天津施政を高く評価し、また天津の幹部に対して与えた指示を強く肯定したこともある。習近平が強く推薦し、江沢民が大きな支持を与えることで、十八大で彼の常務委員昇格は保証されたものになるはずだ。
(多維新聞)
■なんということだっ・・・
多維新聞とは違う情報ソースで張り合っているはずの博訊さんも、なんと多維新聞と全く同じ予想をたてた模様。団派三人で争っていた劉雲山・汪洋・劉延東の3人は、劉雲山がまだ年齢の若い汪洋を抑えてゲット。最後の一席を争っていた張高麗と兪正声は、張高麗が椅子を確保した模様。序列も役職も同じって、、、。
習近平・・・総書記
李克強・・・国務院総理
張徳江・・・全人代委員長
王岐山・・・政協主席
李源潮・・・国家副主席・中央書記処書記
劉雲山・・・紀律検査委書記
張高麗・・・国務院常務副総理
(博訊網)
■はよ言えよ(by 江沢民&胡錦濤)
兪正声の落選は、年齢制限ギリギリというのは建前で、李鵬がまだ兄の強生亡命事件を根深く恨んでおり、今年の8月頃江沢民に「お前は上海いたから知らなかっただろうが、あいつの兄が亡命した時(1986年)に、政治局常務委員会で『兪強生の家族は絶対に重用しない』って決めたんだよ。」と耳打ちしたことが決定的だった模様。
(多維新聞)
■ここからデモについて、つらつらと
尖閣諸島国有化に抗議する反日デモですが、写真のように毛沢東の肖像掲げているところみると、中にはいろんな人が混じっている模様。
(BBC中文網)
■博訊さんのいい仕事 その1
博訊網は、河北省滄州で行われたデモを取材して、見事「デモの呼びかけ人は、ここの交通警察の支隊長だよ!」という証言を引き出した模様。これでどこぞが周永康黒幕説を言い出す訳です。
(博訊網)
■博訊さんのいい仕事 その2
博訊網は、デモのスローガンの中にさりげなく尖閣諸島とは違う国内向けのスローガンが盛り込まれていることを激写した模様。内容は「裸官下台―内なる奸臣を除いて中華を復興しよう」「城管と中国の貪官は去れ」など(裸官とは妻子を海外に住まわせ、いつでも逃亡できる準備にある官僚)。このような事例は多数報告されていますので、いつもの反日デモと同様、やっぱり主張したいことは別にある模様。
(博訊網)
■博訊さんのいい仕事 その3
博訊網さんは、目ざとく「小日本は出て行け!薄書記カムバック!漢奸国賊を懲らしめてくれ!」というスローガンまで見つけた模様。これで地方のデモは「外側反日デモ、中身は反政権デモ」という、唱紅くずれが多いデモだということが理解できる訳ですな。
(博訊網)
■火消しメディア
そんなデモをメディアがどう報じているかというと、団派の御用新聞・中国青年報ならびに北京青年網は、デモに関して「お前ら落ち着け、愛国の情熱を犯罪に暴走させんな、愛国したけりゃ法を守れ」と鎮静モードの模様。
■ダブルスタンダードメディア
元々薄煕来礼賛記事が多かった人民網は、「愛国デモの中で過激な行動をとったやつがいるのは残念」という記事と、卵やボトルが飛び交った北京でのデモを「秩序だった抗議行動をありがとう!」といってのけた、北京公安の微博発言を採用して褒め讃えている(京華時報転載)記事との、両方を掲載するというダブスタっぷり。
■火付けメディア、、のはずが
"極左といえば"の環球時報に至っては、「北京は秩序あるデモだったのに、地方の田舎者と来たらすぐに暴走しやがって。まったく残念で腹が立つもんだ」というまさかの(国際在線の)地方蔑視記事を転載している模様。
■個人的な感想ですが
水彩画さんのブログにあるように、新聞紙面ではデモほとんど触れていない上に、ネットでも(特に右派系)メディアが独自のイケイケ論調を表に出していないところをみると、総じてメディアは火消し側にまわっている節が見受けられます。十八大、もっといえば王立軍裁判と薄煕来の処分決定までは是が非でも権力闘争に波及しようとするのは防ぎたいんでしょうから、明日以降調子に乗って繰り出す奴は、血の目をみるかもしれません。
■とっとと判決を出したい訳です
職務違反・法歪曲・職権乱用・逃走などの罪で起訴されている王立軍の裁判が、逃げ込んだ先の総領事館がある成都中級法院で9月18日に審理される模様。
(BBC中文網)
■個人的にはこれは重大事件
義和団事件から終戦の1945年に至るまでの、中国大陸から日本に流出した文物をリストアップした書籍「中国甲午以降流入日本之文物目録」(故宮博物院編)が15日に発行された模様。総数は15245点で、これらを「返せ」言われたら、某美術館とか某博物館とか某大学図書館とかエラいことになりますがな。
(中国新聞網)
■「コレステロール値には気を付けようぜ」くらい言えば面白いのに
気がつけば次期様が復帰なされているようで、慶賀の至りですな(棒読み)。ちなみに復帰の場は中国農業大学で行われた食品安全キャンペーン活動で、ちびっ子とともに「安全で法律に適合しているモノを食べましょうね♪」というぬるい行事だった模様。
(南方都市報)
■K氏じゃねえ?
朝日新聞は、薄瓜瓜と同じハーヴァード大学ケネディスクールに通っている某留学生から、「瓜瓜はあんまし勉強熱心じゃなくて後ろの方でiPhoneいじってる。中国の話をするときは饒舌になるけど、でも毛沢東とか民衆の鎮圧とか敏感な話題は黙秘を決め込んでいる」というコメントを頂いた模様。
(多維新聞)
■お悔やみ申し上げます
赴任直前に救急搬送されていた、中国大使の西宮伸一氏が搬送先の病院で死去、享年60。
(毎日新聞)
■前評判は上々です
日中合作映画「1905」に出演することが決まったトニー・レオンさんに、さっそく各所から批判が上がっている模様。
(多維新聞)
■まあ、あんまし人は入らなさそうだし
孫楠さんの東京コンサート計画も、尖閣諸島問題でキャンセルになった模様。
(多維新聞)
■デモの標的にどうぞ
郭美美さんが、またまたセレブ自慢の自分撮りを多数アップしている模様。たった1年前のことなのに、すでに懐かしい気分になるのは、なぜでしょうね?
(京華時報)
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