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【反日デモ】トヨタ車に乗っていたら頭蓋骨を割られた=反日デモ初の重傷者は中国人

2012年09月21日

陝西省西安市。51歳の李建利さんは頭蓋骨骨折の重傷を負った。トヨタのカローラに乗って反日デモの前に飛び出してしまい、袋だたきにあったという。


中国各地で大規模な反日デモが起きた16日、中国マイクロブログで、中国人男性がデモ隊に襲われて重傷を負ったとの情報が流れた。この情報をつぶやいたのは「染小柒777」さん。李建利さんのめいだ。犯人を捜すためにネット民から情報をつのるのが目的だった。

当初はデマではないかとも疑われていたが、現在では事実と確認され、中国語メディアもニュースを流している。北京青年報を主に参照した。

20120921_写真_中国_反日デモ_重傷_
*写真は染小柒777さんが公開した現場写真。

■結婚準備の後に遭遇した反日デモ

15日、李さんは妻と息子、そのフィアンセと4人で市内の建材市場にお出かけ。間もなく結婚する息子のため、新居の内装を決めなければならない。その日、市内で反日デモがあることは知っていたが、デモはいつも旧市街地の中で実施されていたため、心配はないと判断したという。

だが今回のデモはいつもとは規模も、そして荒々しさも違っていた。午後3時半ごろ、李さんは西安市一中付近を通っていたところ、反日デモ隊に遭遇してしまった。慌てて車をバックさせようとしたがもう遅い。何十人もの男らに取り囲まれてしまった。

妻の王さんは当時の状況を次のように振り返っている。

集まってきた男らは棍棒やレンガ、鎖を手にして、車を壊し始めた。王さんは車から降り、「一般市民が必死にためたお金で買った車です。頼むから壊さないでください。もう二度と日本車は買いませんから。お願いします」と頼み込んだ。だが誰も耳を貸そうとはしない。

王さんがふと振り返ると、車の前に夫が倒れている。頭からは血がどくどくと流れていた。この事態は襲撃者たちにとっても予想外だったようだ。男たちは次の目標を捜して立ち去っていった。

李さんはただちに病院に運ばれたが、頭蓋骨骨折の重傷を負っていた。負傷から3日目にして意識を取り戻したが、今なお短い言葉しか話せず、体には麻痺が残っている。


■暴力的デモ批判キャンペーンと事件報道

今回の反日デモは空前の規模と言われながらも、死者・重傷者は報告されていなかった(他にも学生が踏みつぶされたなどの噂はあるが)。李さんの事例が確認された第一例だが、反日デモでもっとも重い傷を負ったのが中国人ということになった。

本来ならば負傷した15日か翌日にはニュースになっていてしかるべき話だが、9月18日が終わるまではおおっぴらにマスコミで流してはいけない話だったのだろう。記事「【反日デモ】毛沢東を知らない若き毛沢東信者、毛沢東を罵る老人を殴る―中国」同様、暴力的デモ批判キャンペーンが始まるなか、この手のネタが公にすることが許されるようになったようだ。

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