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国家大劇場初のソロを唱ったのは江沢民=老いてなお元気すぎる件―中国(水彩画)

2012年09月27日

■熱唱する江沢民■

*本記事はブログ「中国という隣人」の2012年9月26日付記事を許可を得て転載したものです。


■江沢民、北戴河会議で存在感示す

かつては産経新聞に「死亡確認」と号外まで出されてしまった江沢民ですが、政権交代を前にますます元気です。

中国共産党第18回全国代表大会(十八大)の人事を決める北戴河会議が8月に開催されましたが、江沢民もちゃんと出席していたもよう。といっても秘密会議なので詳しくはわかりませんが。

ちなみに米華字ニュースサイト・多維網が江沢民がらみの小話を伝えています。

国家安全部の局長を務めていた兄・兪強声が1986年に米国に亡命してから、出世がかなり遅れてしまった。兪正声・上海市委書記。それでも政治局委員を二期務め、次期全人代委員長の声が高まっておりました。

江沢民も推していたとも伝えられるのですが、李鵬に「兪正声の兄貴が米国に亡命してから、あの一族は重用しないことに決めたんだ。お前が常務委員になる前だから知らないと思ってな」と軽くdisられてしまったのだとか。江沢民がまだ政治局委員(上海市委書記)だった1987年に「兪家の者は重用しない」と、趙紫陽、李鵬、喬石、胡啓立、姚依林の当時の常務委員5人で決定したんだそうです。


「李鵬ごときにdisられるとは」と江沢民が憤ったかどうかまではわかりません。


■国家大劇場で江沢民が熱唱

その江沢民が今度は公衆の面前に出没しました( 江沢民、国家大劇院に現われ講話(2012/9/24 多維))。

20120927_写真_中国_江沢民_

9月22日、北京市内にある国家大劇院に姿を見せた江沢民。付き合いの長い李嵐清(元副総理)の創作を基にしたというミュージカル「美しき青きドナウ」を鑑賞に訪れたのです。

夫人の王冶平に加え、胡錦濤に寝返ったともっぱらの曾慶紅(前国家副主席)も、親しい李嵐清の作品とあって珍しく顔を出し、引退しても江沢民に良いようにコキ使われている曾培炎(前副総理)、北京にいる現役の閣僚級幹部が多数出席しています。毎日新聞は「オペラ鑑賞会に名を借りた江派の総決起集会のよう」と評しています。

終演後、ミュージカルを評価する講話を行った江沢民はお話しだけではまんぞくできなかったのだとか。舞台に上がり、京劇とオペラの曲を披露したそうです。会場である国家大劇院はオペラ好きの江沢民が作らせたと噂されている大劇場ですが、ここでのソロは江沢民が初めてなんだとか。これぞ自作自演というべきか。さすが虚栄心のカタマリは違います。

ほかにも江沢民のオペラ・エピソードをあげますと、2001年6月に北京五輪招致のPRイベントとして紫禁城でコンサートを開くために三大テノールを招致し、大層気に入った江沢民は中南海の昼食会に3人を招き、「オー・ソレ・ミオ」を歌ったという話もあります。

またブッシュ米大統領が2002年に訪中した際に、またもや「オー・ソレ・ミオ」を披露している前科もあり、俗物ぶりを見せ付けてくれています。いいですね、この世俗を忘れないギラギラした感じは。

十八大を目前に控え、再度健在をアピールした形でしょうが、このアピールは新華社や人民日報をはじめとして通常のメディアは全くの無視を決め込んでいます。出席しない時は名前がバンバン出るんですが、いざ姿を現すと報じないという不思議な報道姿勢です。

曾慶紅の同席について多維やRFIには分析を加えて欲しいのですが、その辺りはスルー。よく分からないので、とりあえず江沢民が熱唱しましたということを抑えておきましょう。

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*本記事はブログ「中国という隣人」の2012年9月26日付記事を許可を得て転載したものです。


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