中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2012年09月28日
■フォックスコン工場の暴動
というちょっと面白いコメントが載っているのがフィナンシャルタイムズ中国語版の記事「フォックスコン騒乱の原因」。
詳しい経緯については記事「iPhone工場で暴動、工場などを破壊=強面警備員の服装チェックが原因か―中国」を参照して欲しいが、23日未明にホンハイ集団旗下の電子機器OEM大手フォックスコンの山西省太原市工場で数千人規模の暴動が起きた。宿直室が壊されたり、パトカーがひっくり返されたり、軽く火を着けてみて壁がすすけたりと大騒動に。40人が負傷した。
暴動の原因だが、警備員と従業員の間のもめ事と見られている。仲間が警備員にいじめられているのを見て、労働者らが続々参戦。これほどの大騒ぎになった次第だ。
また背景として、フォックスコンの単調な仕事、過酷な労働環境が紹介されている。さらに80後(1980年代生まれ)、90後(1990年代生まれ)の新世代出稼ぎ農民は忍耐心がなく、出稼ぎで働きながらも生活を楽しみたいという傾向を持っていることが紹介されている。「どんな横暴な振る舞いを受けても我慢」「出稼ぎ中はお金をためるだけ。お金が貯まったら故郷に凱旋」という親世代とは違うというわけだ。
■反日デモがぼくたちに暴動する勇気をくれた
でもって、興味深いのが記事末尾に掲載されている匿名希望の労働者のコメント。暴動参加者の多くは反日デモに後押しされたという。曰く「中国ではなにかに不満でデモを行うことはきわめて異例だ。(反日デモがあった今が)まさにタイミングだと思った」、と。
このコメントによれば、フォックスコンの暴動も反日デモの落とし子だったというわけだ。
個人的に最近考えているのは「反日デモは社会のガス抜き」とよく言われているけどどうよ、という点。むしろ
「向こうの工場で賃上げストライキ成功したらしいぜ」「じゃ、うちらも」
「**の街は国道せき止めて要求つきつけたら地元政府が折れたらしい」「じゃ、うちらも」
「政府の非道行為をネットにあげて、香港メディアほか海外メディアに情報流しまくったら、騒ぎが大きくなって政府が困るらしい」「じゃ、うちらも」