中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2012年10月04日
■混雑地獄
中国はもともと人が多いわけだが、年々旅行におでかけできる裕福な人の数も増えているわけで。国慶節の長期休暇、いわゆる黄金週間はどこの観光地も人でごった返す阿鼻叫喚の地獄と化している。
10月3日、万里の長城(八達山)には8万人が襲来。人でびっしりと埋め尽くされることに。両端の人はまだしも真ん中にいる人は何が楽しいのやら。
2日、故宮の入り口前。朝7時半から9時までの1時間半で、4万4000人が入場したという。
紹興市の魯迅故居。左下のおっさんの表情が印象的だ。
1日、杭州市西湖の橋。
1日、アモイ市鼓浪嶼の繁華街。
1日、天安門広場。
■ボッタクリ地獄
毎年、黄金週間が終わると、「ボッタクられた」「騙された」というネタがメディアをにぎわす。今年も例外ではないようだ。観光地ではありとあらゆるものが値上がりし、ふざけんなというバトルが繰り広げられることもしばしばだ。
ちょっと笑ってしまったのが連雲港市を旅行した周さんのエピソード。観光地の海鮮屋台。メニューがないのでぼられやすいリスキーなお店である。周さんは一つずつ料金を確認して注文したのだが、お会計は予想の倍近い金額に。内訳を効いてみると、となりの人が食べているのを見て、「あれちょうだい」と頼んだ焼きそばがバカ高に設定されていたのだとか。油断は禁物だ。
■警備員が観光客をめった刺しに?!
陝西省渭南華陰市の観光地・華山。2日夜、警備員と言い争いになった観光客がめったざしにされたとの噂がネットで流れた。
華山側はデマであると否定。むしろ警備員は罵倒されながらも耐えているだけ。殴り合いになったのは観光客同士でしょうと釈明している。なるほどめった刺しはデマの可能性が高そうだが、華山がぴりぴりしたムードが漂う戦場になっていることには違いなさそうだ。
というのも人が殺到し、ロープウェー及びバスの輸送能力を超えるほどの客が殺到。観光客を山の上にあげたのはいいが下ろせなくなり、深夜になっても1万人以上の人が山に取り残される状態になっていたのだという。喧嘩の一つや二つが起きてもおかしくはなさそうな状況だ。
■画期的解決策もあります
お金がある人は海外旅行に、休みをずらせる人は長期休暇を外して旅行できるが、一般ピープルは大変だ。旅行できる人の数が増えても観光地の数を増やすことは難しい……。
という問題を見抜いていたのだろうか。美しい農村風景で知られる鳳凰県が画期的な解決策を打ち出している。
なんと現在の鳳凰古城から6キロ離れた場所に、まったく同じ姿・形の街をこさえる予定だという。総投資額は55億元(約715億円)。「これで混雑は半分になるで!」と自信満々に発表された計画だが、中国メディアからは「コピーされた鳳凰「古」城は本当に古城なのか」「愚かすぎる」とバッシングの嵐客数を10倍にした旅行ブームの勝者=今度は混雑を半分に減らす「とんち」―中国