■<速報>止まぬ焼身抗議 内外合わせ58人目■
チベット自治区ナクチュ地区ナクチュ(ནག་ཆུ་那曲)の街中で、10月4日午前10時頃、ディル(འབྲི་རུ་ビル、ナクチュ地区比如県)出身の作家グドゥップ(དགུ་འགྲུབ་、43歳)が焼身抗議を行い、その場で死亡した。遺体は警官が持ち去り、いまだ家族に渡されていないという。
目撃者の話によればグドゥップは炎に包まれながら「我々はどこに行こうと自由がない、チベットに自由を!ダライ・ラマ法王のチベット帰還を!」と叫んだ。
彼は焼身の前に遺書と思われる「同胞への愛」と題された短い言葉を中国のインスタントメッセンジャーQQに載せていた。以下はその訳。
雪の国チベットの兄弟姉妹よ、過去を振り返れば、喪失、怒り、悲しみ、涙のみで喜びを見いだすことができない。来る水龍の年(来年)には皆さんに健康と成功がもたらされることを重ね重ね祈る。民族の誇りを保ち、喪失や苦しみに直面しても、決して勇気を失わず、団結を強めて頂きたいと強く願う。ディルのグドゥップより
グドゥップは作家であり、ペンネームはカンキュ・キ・ナション(གངས་ཁྲོད་ཀྱི་ན་གཞོན་)。雑誌や新聞に記事を載せていたいた。彼は常にチベットを守ることに熱心で、特にチベットの歴史に造詣が深かったという。インドに亡命し、ダラムサラのソガスクールで学んだ経歴を持つ。2005年にチベット自治区に帰郷。そのため、一時期は刑務所に収監されていた。
これで内地焼身抗議者の数は55人(亡命政府発表53人)になった。2009年以降内外合わせて58人。
参照記事:
4日付
Tibet Expressチベット語版、4日付
phayul*今回の焼身を含む、チベット内抗議デモ、焼身抗議発生地地図。(Tsampa Revolution 製作)
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