中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2012年10月05日
■リアル吸血ショー
南京市江寧区に梅花鹿(ニホンジカ)を育てる養殖場がある。今、そこで大人気のイベントがある。毎日多くの客を集めるそのイベントとは「鹿の角をしゃぶり、生き血をすすろう」というもの。
取材にいった記者が目にしたのはなんとも凄惨な光景だった。麻酔で眠らされた鹿の角をノコギリで切り落とすと、そこには血がべったり。「鹿の角切りって血が出ないんじゃないの?」と不思議に思ってしらべてみると、角が成長しきると血が止まるが、それまでは流れているとのこと。その血をちゅうちゅうとしゃぶるのだそうな。
記者がちゅうちょしていると、後ろで待っていた客が奪い取り、一滴も残すまいとすごい勢いで吸い始めたという。角きりが終わると次は生き血。頸動脈を切ってあふれでた血をすすっていく。見ると、ある女性は生き血を一気飲み。口の周りにはべったりと血がついていた……。集まった人々は争うように生き血を飲んでいた。ありつけなかった人が経営者に詰め寄る始末。明日、絶対に用意するからとの約束をとりつけてようやく納得していた。
■健康ビジネスの時代
と、記事がおどろおどろしく書かれていたこともあって残酷すぎると話題に。この手の記事の常としてかなり盛られているのではないかとも思うが、場面を想像すると恐ろしげであることは間違いない。
右肩あがりに経済成長を続けている中国、国内のサービス業も伸びているが、その中でも健康法は有力な成長分野だろう。一時期は阪神の金本選手でおなじみ、ファイテンのチタン・ネックレスが日本旅行定番のおみあげになるなど、次から次へとヒット商品が生まれている。
鹿の角から出た血を混ぜた鹿茸血酒も今や健康アイテムとして販売されているそうな。この南京市の鹿養殖場は、国有企業をクビになった労働者が十数年も前に創設したとのこと。漢方薬として珍重されるニホンジカを選んでいることを考えても、今の健康ブームを見越していた商才は恐るべし、だ。
関連記事:
1兆円ブランドめぐる商標権訴訟が決着=中国ナンバーワン健康茶・王老吉が改名
わずか9日で中国武術の奥義に開眼?!省政府機関が怪しげ健康法を大宣伝―中国
こんなに違う健康診断?!メタボを恐れる日本、アルコール中毒対策のロシア(タチアナ)
残飯から抗生物質作ってました!大手企業の下水油使用が発覚―中国
残飯から抗生物質作ってました!大手企業の下水油使用が発覚―中国