中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2012年10月07日
先日、ありがたいことに「中国で売られている茶飲料って砂糖が入っているのが多いですが、あれって現地の感覚ではどんなことになっているのでしょうか?」という質問をいただきました。
日本で売られているお茶系の飲料は紅茶以外は基本的に砂糖は入っていないかと思いますが、国外では砂糖入りのモノが主流となっている所も多いですよね。中国でも紅茶の他に、ウーロン茶、中国緑茶などの販売されている茶飲料は加糖のものが主流で、無糖のものはお店によっては置いていなかったりします。
先日中国のネットを巡回していてうまい具合に「なんで日本のペットボトルのお茶は砂糖入ってないの?」という疑問についてのやり取りを見かけましたので、今回はその辺についてを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
■中国人の戸惑い
日本旅行しているときに戸惑ったんだが、なんで日本のペットボトルのお茶は砂糖入ってないの?自動販売機で売ってるのだけじゃなく、普通の店でも加糖の緑茶が売っていなかった……
日本はお茶に砂糖を入れないとは聞くが、そこまで徹底しているのか。その辺りは日本人の飲食習慣によるものなのかな。
日本では加糖の飲料は健康に悪いとされ、どんどん砂糖の入った飲料が減っていったらしい。売れないから自動販売機でも砂糖入りのお茶が売られていないんだろう。逆に日本国外では砂糖の入っていない飲料は売れない。実際サントリーなどは日本国内では売られていない加糖のウーロン茶を販売している。
でも、日本の自動販売機で普通にコーラとか売られていたはずだぞ。やはり日本のお茶特有の理由が何かあるんじゃないかね。
緑茶の砂糖に関しては、国ごとの好みの違いが影響しているんじゃないかな。ウチの国ではペットボトルの緑茶は砂糖入りのことが多いけど、日本ではそれが好まれないんじゃないかと。あとウチの国ではペットボトル飲料買うのは若い人間が多いし、その世代は甘い方が好みという傾向が強い。
日本の人間が健康重視だからだと思うよ。ウチの国でも砂糖の量は減少傾向にあるし「低糖」を売りにした茶飲料も増えている。それに「無糖」のものも昔に比べたら売っている場所が増えた。ウチの国でも段々と日本のように無糖が市場を席巻する可能性はある。
日本ではお茶に砂糖入れた飲料が売られていないわけじゃないよ。紅茶は普通に砂糖が入っているものが主流。ただ紅茶も無糖のモノが結構あるから、やはり日本人は無糖が好みなんじゃないかな。
でも緑茶には砂糖入れないのは間違いないよ。以前日本旅行したときに出た緑茶が苦くて、砂糖を頼んだら店員の人がギョッとして、「それは砂糖を入れないで飲むものです」とか言われてしまって恥かいた。
日本の無糖の緑茶には自分も驚いた。私の印象では日本のスーパーやコンビニで売られている半分くらいが茶飲料だったと思う。しかも、それが全て無糖!日本の緑茶飲料市場の独特さを強く感じた。
まずハッキリさせておかないといけないのが、ウチの国の緑茶と日本の緑茶は名前こそ同じ「緑茶」だけど、加工方法が違う別モノだからな。日本の緑茶は蒸して加工するから緑色が強く出るし、味も香りもウチの国の一般的緑茶とは異なるから、砂糖との相性も違うんじゃないかな。
ウチの国でも普通に熱いお湯でいれて飲む緑茶は砂糖入れたりしないけど、買って飲む冷たい飲料になると加糖になるんだよね。あと日本との違いについてふと思いついたんだが、ウチの国の飲料メーカーは南方系が多いし、南方の好みに合わせて甘い茶飲料が広まってそのまま定着したのではないだろうか。
日本と中国では茶飲料を飲んでいる層が違うんじゃないかね。ウチの国ではああいった加糖の茶飲料の多くは子供や若者が飲んでいるし、緑茶についても「飲料」として飲むから甘くないと売れない。
それはありそうだ。日本は街中の自動販売機が非常に多いし、子供から老人まで幅広い層がお茶を買っているんじゃないかな。
良いお茶を飲むときはウチの国でも砂糖入れてないしね。市場の規模と顧客の好みの差が出ているってのはありそう。
日本で売られているペットボトルや缶のお茶って、水の代わりといった扱いで、ジュースなんかの飲み物とは別のカテゴリだよ。だから甘いのは逆に嫌われるらしい。
個人的には生活習慣の違いと気候の違いが理由じゃないかと考えている。日本に来て分かったんだけど、日本人は水やお湯を持ち歩く習慣が無い。その代わりとして無糖のお茶を飲む。
そうそう、日本人は水を持ち歩かないんだよね。気候的にそれほどのどが乾かないことや、水がそのまま飲めるってのもあるし、自動販売機や店が多いからどこでも飲み物が手に入る。そういった日常的な水分補給に関して無糖の茶飲料に需要が生じているってことなのかな。
ウチの国でも普段持ち歩いて飲む湯冷ましとかお茶葉放り込んだお湯とかは基本的に砂糖入れないしね。そうか、ここに日本で広く売られている無糖のお茶が来るとなるとしっくりくるかも。
ウチの国のペットボトル飲料のお茶はジュースなんかと一緒のカテゴリの飲料。それに対して、日本では普通のお茶とペットボトルのお茶の区別が無いのかもね。日本の家では普通にペットボトルでお茶を買って飲む所が多いそうだし。
あー、そう言えばそうだな。私の知り合いの日本人もそんな感じで、自分ではお茶を入れないでもっぱらペットボトルのお茶を飲んでいる。日本人にはお茶をペットボトルで買って飲む習慣が出来ているという所がありそう。
私はやっぱり好みの違いだと思うよ。中国人はなんだかんだで甘い飲み物好きだし、日本人好みの淡泊な味は合わないんじゃないかな。私は普通の甘さよりも低糖の緑茶が好みで飲んでいるんだけど、それを知り合いの日本人留学生に薦めてみたら「それだけは飲めない」と本気で謝ってきた。低糖でも緑茶に砂糖が入るのはダメらしい。