中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2012年10月08日
on Beijing University Campus / melli1979
中国は9月から新学年が始まるので、今の時期は中国の大学のサークルにとっては新入生勧誘の時期になります。中国は高校までは学校の制度上の事情や厳しい受験勉強などから部活動というのはほぼ存在しませんが、大学に入ってからのサークル活動については日本の感覚とそこまで大きな違いは無く、それなりに自由にやっていけたりします。
そしてそんな中国の大学のサークルの中で、「アニメ漫画系のオタクサークル」というのはとっつき易く入り易い、楽しみ易い等の理由でかなりの人気になっていまして、大学によっては数百人規模になるというのもそれほど珍しい話ではないようです。実際、中国のトップクラスの大学である清華大学や北京大学、人民大学などでも、オタク系のサークルは学内で最大規模のサークルの一つになっていますね。
しかし、そんなアニメ漫画サークルも人数が多ければ多いなりの悩みがあるようです。先日中国のソッチ系の掲示板で、「サークル参加希望者が多過ぎるので選抜テストをやろうと考えている」ということについてのやり取りが行われていました。そんな訳で今回はその辺についてを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
■中国人オタクの悩み
ウチの大学のアニメサークルもぼちぼち今年のサークル参加者を募集するんだけど、毎年人数多くなり過ぎるし、あまりにも的外れな人間は入れたくない。そこでちょっとした選抜テストみたいなのをやろうかと考えているんだが、どんなのが良いだろうか?
受験が終わって大学に入ったばかりだからそこまでディープな人間は多くないだろうし、軽めのが良いよな。好きな作品、自分にとっての「神作」を答えてもらえばいいんじゃない?
オタクなら誰もが知っているけど、一般の人間は知らない用語の意味をその場で聞いてみるとはどう?例えば中国のオタク用語で最も基本となる言葉「ACG」(アニメ・コミック・ゲーム)は何という意味の言葉?といった感じで。
お前の「本命」は誰だ!?と聞いてみるのは如何?別にどのキャラと答えられなくても、「本命」という言葉の意味を知っているかどうかである程度判断ができる。
入った後の人間にふるいをかけるというか、グループ分けするなら「新番組で追っかけているのは何?」とかいうのでもいいんだけどね。大学から本格的にオタクになるのも多いし、あまりディープな質問したら将来のオタク仲間を排除することになりかねんから難しいかも。
サークル勧誘でそういうことが考えられる規模の所はウラヤマシイ。ウチの大学だと、オタク関係の趣味がOKなら問題ないという感じ。もし人数が足りないとかいうことになったら困るし……
その辺は大学にもよるからなぁ。ウチの大学は昨年だと200人くらいが入ってきた。ただ、サークル活動で熱心に動く常駐組はその20%程度で、あとは出たりでなかったり幽霊だったり。独自にイベント主催したり、日本のコミケにサークル参加したりする北京大学や清華大学、人民大学とかになるともっと規模が大きくなるらしいし規模の大きい所は大きい所で悩みがある。
たくさん入れて、自然に淘汰されるのを待てばいいんじゃないか?最終的には熱意がある人間が残るだろうし。
自然に淘汰されるのを待つのは危険。厳しく締め付けるのが良いわけではないけど、サークルの空気が悪くなったり問題が起こってからではマズイ。何かしらの方針やルールは作っておかないと。
そう言えば別の大学に行った私の高校の時のクラスメートが、そんな感じのダメなアニメサークルにぶち当たっちゃって絶望していたな……数年前まではそんなに悪いモノでは無かったらしいのだが。
まぁその辺は合う合わないあるしね。最近は大学のサークルに限らずイロイロと交流や活動ができるから、個人としては良い時代になってきたと思うよ。ただサークルとしては規模が大きくなると、ある程度考えなければいけないよね……
結局は知識や好みについて聞くくらいしか思い浮かばない。しかし、一体どんなレベルやジャンルの話をすればいいのだろうか?bilibiliのネタ動画や何かについて、最初から聞くのもなんだし。
いや、たぶんその辺についてはサークルにいる古い人間よりも新入生の方が詳しかったりすることが少なくないと思う。そういったことを聞くのは藪蛇じゃないかね。
知識とかは今の時代わりとどうにでもなるから、熱意とか考え方を見た方がいいんじゃない?
これはちょっと上級者向けの質問かもしれないが、自分は「日本の2ちゃんねるの人間は中国に対して友好的か?」という問いを重宝している。これに対して「友好的ではない」、「反中だ」などと「即答」してしまうヤツはマズイと思う。「そういった傾向もある」「必ずしもそうではない」或いは「ネタにされ易い」という答えだと少し安心かな。アニメや漫画に興味があって好きな作品があるなら知識に関してはどうとでもなるが、考え方はなかなか変わらない。あまりにも一面しか見ない人間は後々面倒なことになり易いから判断材料にしても良いと思う。
有名作品の作者は誰かとか言う質問なんかは基本的でいいと思うんだけど。
それ、実は結構難しいぞ。アニメを見ていても原作者の名はとっさに出てこなかったりする。特にラノベ原作アニメなんかはなかなか作者名と作品名が一致しないんじゃないかと。
知識を試すのではなく熱意やオタクとしての一般常識を調べるってのが目的だろうから、あまり知識には偏らない方がいいかもな。自分の好きな姉系キャラや妹系キャラを答えさせるとかの方がいいんでないかね。
でもオタクが萌え系作品を必ずカバーしているわけではないと思う。あと女性のオタクとかはどうすんだ?新入生の得意とする分野がサークルの古参と異なったり、更に突き抜けていたりする場合も考えられるが。
その辺は質問を出す側にサークルにいる女性のオタクや非萌え系に強いオタクも含めればいいでしょ。それに、サークル側の人間以上に知識が深い人間が入ってくるならそれはそれで儲けものだよ。
うーむ、やはり基本的な所でいいんじゃないか?最近の人気作品の中で自分の好きな作品を挙げてもらうとか、自分が名作だと思っている昔のアニメを挙げてもらうとか、そういうので。
昔の番組というか、子供の頃に見た番組でも良いしね。重要なのはアニメや漫画を見ているって所だし、「スラムダンク」や「エヴァ」を見て楽しめていればいいよね。それとウルトラマンとかの日本ではアニメに入らない特撮でもいいかな。
もし自分の大学のサークルなら……というので考えてみた。ウチはオタク系の活動をわりとやるサークルなんで、ちょっと基礎知識は欲しいかな。新入生はとりあえず東方、ボーカロイド、ニコ動、同人、声優といった辺りで何か答えられるものがあればOKと思っている。
結局は「何々を知っているか?」ではなく、何かを挙げてもらうってのが良いんじゃないかな。普通のレベルなら好きな作品やキャラでいいだろうし、ちょっとマニアな部類を見つけるなら好きな声優とその出演作品を挙げてもらうとかでどう?
やはりそれが良いよね。あまり難しく考えずに、好きなキャラと好きな理由を言ってもらえばオタクとしての方向性や程度についてはある程度把握できるはず。