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2012年10月24日
長男ゆうきがニジニ・ノヴゴロドの小学校に入って1ヶ月半ですが、今日はロシアの公立小学校のまめ知識をまとめてみようと思います。ロシアは広い国だから、地域によって色々違いはあると思いますけれども、一つの目安にはなるかと思います。ゆうきが入っているのは、国立小学校なので入学費や学費は要りません。しかし、当然ながら入学に当たって各自で購入するものはあります。例えば、私たちが購入しているのは下記のものです。
入学準備
1)制服(男の子は黒っぽいズボン、紺色のベスト、明るい色のハイネック)
2)ランドセル
3)文房具
制服にしてもも体操着にしてもメーカーなどの指定は一切ありませんので、家にあるもので間に合わせてもOKです。
(ロシアのランドセル。模様は色々ありますので、子供の好みに応じて選びます)
教科書
次に、小学校の教科書ですが、すべて学校の図書館からの貸し出しです。ゆうきが使っている教科書は少なくとも1年はすでに使われた形跡があります。本を大事にするという教育目的からしても悪いやり方ではないと思います。こうして教科書は貸し出しですが、教科書付属のノート類はすべて自己負担(1250ルーブル(約3千円))です。
(公立小学校の教科書)
その他費用
その他費用は、学校によってかなりバラつきがありますけれども、私たちが支払っているのは下記の通りです。
1)学校の警備費(夏休みを除くため、9か月分):540ルーブル(約1.400円)
2)クラスのニーズ:1000ルーブル(約2.500円)
3)学校のニーズ:500ルーブル(約1.300円)
この他にもこれから臨機応変に色々な集金があるそうです。ちなみに、入学説明会では保護者は一人一人アンケートに答えました。主な内容は保護者の連絡先などでしたが、最後に「小学校のためにできることは何ですか?
(Чем вы можете помочь школе?)」という項目があって、「必ず記入するように」と言われました。「イベント開催の協力」や「教室の掃除」など、保護者たちは色々な協力を期待されていたようです。
ちなみにその時点ですぐに必要だったのは、隙間風が入らないように学校の窓にテープを貼る作業です。(春になったら今度はテープを剥がして窓を開けて洗います)。以前、保育園について「ロシアの国立保育園では心構えが必要かも…」というエントリーを書いたけれども、公立小学校もどうも同じみたいです。
(これは入学式のときに撮った写真ですが、ブラウス(Wシャツ)の色を除いて普段からこの格好です)
1年生の授業
一年生の授業は下記の通りです。
письмо(日本で言う「書写」)
чтение(日本で言う「国語」),
математика(算数)
окружающий мир(日本で言う「生活」)
изо(お絵描き)
технология(工作)
физкультура(体育)
музыка(音楽)
こうして授業そのものは日本の一年生とそう大きく変わっていないような気がします。また、宿題のことですが、どうもロシアでは「一年生に宿題をやらせるのは法律で禁止されている」らしいです。この法律のことを私たちに紹介した上でうちの担任が下記の言葉を付け加えました。
「宿題はちょっとはやっといた方が子供のためなので、私は宿題を出します。ただし、皆さんはこの宿題を「義務」ではなくあくまでも「推奨」として考えてください。学校は宿題を一切強制してませんからね。」と念を押されました。そういえば、入学直前説明会には別の担任が来ていたのですが、その人の言い方も興味深かったのでご紹介します。
「ご存知の通り、宿題は法律で禁止されています。しかし、私は宿題を出します。」
とのことでした。宿題の話とはいえ、ロシアの法律って一体何のためにあるんだろうと私はちょっと不思議でしたが、他の保護者たちは普通に頷いていました。
今のところ「宿題」といっても、文字を一行分書くとか、家族全員の誕生日を覚えてくるとか、その程度です。ちなみに、タチアナも宿題は多少はあった方が子供のためだと思います。
以下、記事「給食、登下校、クラブ活動、そしてデンジャーなトイレ……ロシアのぴかぴか小学1年生(タチアナ)」に続きます。
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*本記事はブログ「ロシア駐在日記」の2012年10月19日付記事を、許可を得て転載したものです。