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「人権無視の言論弾圧者」薄熙来にも人権はある=中国民主活動家が署名運動(ujc)

2012年10月25日

■「人権無視の言論弾圧者」薄熙来にも人権はある=中国民主活動家が署名運動(ujc)■

Bo Xilai _DDC7532
Bo Xilai _DDC7532 / Abode of Chaos


■180°まわって民主派と手を組むか?

中国極左サイト「紅色中国」が全人代あての公開書簡をアップ。「薄熙来同志の処分は、公開された場で議論されていないために疑念が残る。全人代は監督と立法の府であり、個人的な攻撃を追認するために存在しているのではない」と香ばしいことを言って処分の撤回を求めている模様(笑)。

ロイター通信


■ほんまにやりやがった(爆笑)

「薄熙来の人権を守り、法制を守れ」という言葉の元、とうとう人権擁護団体「天網人権事務中心」までもが署名活動を開始し、500名の署名を集めた模様。

rfi

■ちなみに薄熙来と人権といえば……

シモネタツイートで共産党高官を風刺=それだけで1年間の労働教育処分に―中国重慶市
風刺漫画を転載しただけで労働教育2年に=書き込むとすぐに警察から恐怖のコンタクト 
「負の言葉」をリツイートで労働教育2年=メッセージTシャツが異常思想の物証に―中国


批判者は即「労働教育」(=ノー裁判で実質的な懲役刑を科すことができる、統治者にとっては便利な制度)送り。

■民主運動家のご意見です


左派の「薄熙来救済運動」に民主運動家たちが乗っかったという笑撃、もとい衝撃のニュースを目にして、「北京の春」編集長で著名な民主運動家の胡平氏がこれに関する文章を書いています。ニーメラーを引用しているのにも惹かれ、つい訳してみました。
 

「薄熙来の人権擁護の公開書簡について」(胡平)


先日、前国家統計局局長の李成瑞と北京大学法学院教授龔献田など数百名の連名により公表された全国人民代表大会常務委員会宛ての公開書簡は、中国当局の薄煕来事件について、法律上の見地から、また手続的正義(手続きの公正さ)の見地から疑義を呈し、薄煕来事件の内容公開と公正な審理を要求している。李成瑞は香港「アップルデイリー」記者の電話取材に対し、公開書簡は決して薄煕来の罪状を弁護するものではなく、彼の人権を擁護するものだ、と答えたという。


この公開書簡に署名しているのは、大多数がいわゆる左派、さらには毛沢東時代への回帰を訴える極左といわれる人々だ。過去、彼らの多くが公民の権利や公正な手続きといったものを鼻で笑い、西洋ブルジョワ階級のオモチャと決めつけ、中国共産党国家を転覆させるために用いていると考えていた。しかし今、彼らは公民としての権利・公正な手続きを強調し、人権を擁護する側に立っている。これは大変な進歩であり、何の疑いもなく肯定すべきことだ。


私が李成瑞達の公開書簡を目にして連想したものは、ドイツのプロテスタント牧師マルティン・ニーメーラーがユダヤ人の墓碑に記した一句だ。


”彼ら(ドイツナチス党)が最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった、
私は共産主義者ではなかったから。


社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった、私は社会民主主義ではなかったから。


彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった、

私は労働組合員ではなかったから。


彼らがユダヤ人たちを連れて行ったとき、私は声をあげなかった、

私はユダヤ人などではなかったから。


そして、彼らが私を攻撃したとき、

私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった。”

(マルティン・ニーメラー「彼らが最初共産党を攻撃したとき」)


問題はまさにここにある。自分が専制国家の暴政による迫害を受けない限り、彼らは公民の権利や公正な手続きといった普遍的な価値を一顧だにせず、他人が迫害を受けても心を動かされることもなく、場合によっては拍手喝采し、水に落ちた犬を打つようなことまでする。

近い例で言うならば、まさに薄煕来が重慶で行った打黒運動がそうではないか。打黒運動は暴力団を摘発するところから始まると、またたく間に法を踏みにじり、拷問で自供をさせ、基本人権を無視し、手続きの公正さを顧みることなく行われた。ネットでの暴露は、多くの悪辣な方法がとられ、仮に重慶の公式HPに出ている報道からでも、きっかけを見いだすことができた。しかしそれは新旧左派たちの喝采と応援を妨害することは全くなかった。あの頃は彼らに公民の権利や手続きの公正さを語っても、もとより聴きいれられもせず、何か問題があるかね? というような有様だった。
 

これが、王立軍が夜にアメリカ領事館へ駆け込んで発生した薄煕来事件で、少なからず人権擁護派が快哉を叫んだ原因でもあった。なぜなら、自分自身が苦境に立たされることがない限り、この種の人間は永遠に気づくことがないと分かっていたからだ。あの頃ある人が口にした「”唱紅”がアメリカ領事館まで到達し、”打黒”が薄煕来にまで到達した」という言葉にもあったように、反社会勢力の撲滅を主導した薄煕来が、自分自身を撲滅させられたなんて、この世にこんな皮肉なことがあるだろうか?
 

多くの旧右派は、これに類する経験をしている。文革が始まり、「すべての妖怪を一掃しよう」がキャンペーンとして始まると、人びとはこれら年老いた”妖怪”達を慣例通り打倒の対象とし、一切を牢獄に押し込んで、さらには殴打し面罵した。しかし運動が進んでいくに従い、驚いたことに、これらの活動の積極分子と領導幹部たちは次々と「黒幫」「走資派」「ブルジョワへの反動路線」などの罪状を着せられて牢獄へ入れられ、逆に快哉を叫ばれることになり、自分の日がもう過ぎ去ったことに気付いたのだ。
 

しかしながら、これらの打倒した側の人間が、自分が打倒されることで過ちに気付くのは容易ではなかった。文革が開始されてから、羅瑞卿は反党の黒幫とされ、間もなく秦城の牢獄に入れられた。当時の羅瑞卿は、彭徳懐(が打倒された)の時に屈服しなかったことで自分が牢獄に入れられたと思いこみ、「どうやってアイツらも牢獄に入れてやろうか」と恨み言を述べていた。当時の羅瑞卿は自分が打倒されていることが間違いで、他人を打倒することが正しいと思いこんでいた。そしてその後、羅瑞卿はやっと人を打倒するようなやり方全てが間違っていたことに気づいたのだ。


現在、多くの新旧左派が「公民としての権利」と「公正な手続き」の意義を知りはじめた。彼らは、まさに薄煕来の打黒のような過去の事例を、この民主的な基準を用いて反省すべきである。公民権利の基準からいえば、また公正な手続きという基準からみても、打黒は疑うことなく誤った捜査だ。酷刑を濫用し、言論を封殺し、薄熙来は多くの中共役人よりも過ちを犯していると言える。
 

薄煕来の事件が起こったとき、私はある文章でこう指摘した。「薄煕来事件は共産党=ヤクザである、ということで説明できる。これは打倒された薄煕来だけでなく、さらにその上にいる中共当局にもあてはまる。それに一つ補足するならば、今日の中国には、「左派と右派」「新旧左派」といった区別にあまり意味はない。真の区分はただひとつ、「人権民主か、それとも共産専制か」という違いだけなのだ。」

RFA 自由亜洲電台

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*本記事はブログ「The Useless Journal of CHINA」の2012年10月22日付24日付記事の一部を許可を得て転載したものです。

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 コメント一覧 (1)

    • 1. 匿名
    • 2012年12月17日 11:48
    • 収穫ドットコムを経営される鍵和田芳光社長が中国の国家政治団体に会ったときの感想は、
      「中国の軍隊は子供に武器を渡しているのと同じでリスクが大きい」と高評価をしたことに
      反感と思いました。

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