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「チベット人焼身はダライ集団の差し金だ」高額報奨金をエサに警察が密告奨励―中国

2012年10月26日

相次ぐチベット人の焼身抗議を受け、地元警察は高額の報奨金をかけて密告を奨励している。

Drugchu County Mudslide Aftermath
Drugchu County Mudslide Aftermath / SFTHQ


2012年10月25日付BBC中国語版、24日付瞭望西藏を参照した。

甘粛省甘南チベット族自治州では今月に入って6件もの焼身抗議が起きている。

習近平体制が誕生する十八大(中国共産党第18回全国代表大会)を11月8日にひかえ、中国は今、治安維持のひきしめをはかっていること。また10年間の胡錦涛体制の最後を飾るべく、官制メディアは今がいかにハッピーであるかを宣伝しているところ。こうした中での焼身抗議連発は地元官僚のクビにかかわる大問題だ。

というわけで、甘南チベット族自治州公安局は高額の報奨金をかけての密告奨励通達を出した。ちなみに焼身抗議が4件起きた時点での通達で、その後でさらに2件の焼身があった。

通告
最近、国内外の分裂勢力、ダライ集団の指図・扇動により、我が州では4件もの焼身事件が相次ぎ、社会の調和・安定と人民群衆の安居楽業(平穏な暮らし)に深刻な影響を与えた。

焼身は反人類、反社会、反法律の異常な自殺行為であり、人の生命権を剥奪するものである。この種のテロ行為は父母親族の扶養の恩に背くばかりか、自らの生命を軽視し踏みにじるもの。家庭や社会に対して責任を負わない行為である。

現在起きている焼身事件はダライ集団が中国を分裂させ、民族の団結を破壊する目的で企図している政治的陰謀である。人民群衆の皆々は情勢をよく認識し、命を大事に市、積極的かつ主体的にこの主の違法犯罪行為と戦って欲しい。

速やかに黒幕をあぶり出し、法に基づいて違法犯罪行為を厳格に取り締まり、我が州の調和と安定を全力で守るため、州公安局は以下のことを決定した。

1:公安機関による焼身事件の捜査に協力した者には報奨金5万元(約62万5000円)。
2:すでに発生した4件の焼身抗議について、正確に黒幕を指摘したものには報奨金20万元(約250万円)。
3:情報提供者の秘密、身の安全は保障する。
4:報奨金は特殊なルートと方式で支払う。

中国ではCCTVがあちこちの人に「幸せですか?」とインタビューして回る特番を放送したという(関連記事)。今はともかく、「胡錦濤体制バラ色の10年」という話にしなきゃならないわけで、少しでもそれを汚すものは「ダライ集団」やら「分裂勢力」やら、あるいは「西側」といった外の人たちというロジックが用意されている。

甘粛省のド田舎で5万元は大金だが、密告も公安局が描くストーリーに沿ったものでなければとりあってもらえない(というか、逆に捕まりそう)。果たして密告する人は出るのだろうか。AP通信の取材によると、まだ情報は寄せられてはいないという。

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