無敵の国・中国。日本との戦いにおいても、こっそりと「中国大勝利、日本大敗北」していたのでお伝えしたい。
大勝利者 / TaiwanSpirit
■日中関係悪化を恐れた日本が譲歩?!沖縄問題がすっぽり抜け落ちた記事
日米合同の島嶼奪還演習、日本が正式に中止を決定
CCTVニュースチャンネルの報道によると、日本はすでに日米の島嶼奪還演習中止を正式に決定した。日中間の緊張継続を望まぬ日本政府の意図が読み取れるという。
というお話。中国とのこれ以上の関係悪化を恐れた日本が一歩引いたと読める内容になっている。
ちょっと調べてみればわかる話だが、島嶼奪還演習中止の直接的な要因は訓練地に予定されていた入砂島・渡名喜村の反対。オスプレイ配備や米兵の女性暴行事件を受けての表明だという。もちろん日中関係も判断材料になっていたことは間違いないが、「中国が強硬姿勢を示す中、(日米)両政府内には訓練を中止すれば中国に誤ったメッセージを送るとの反対論もあった」(
朝日新聞デジタル)という主張もあったという。
ともあれ国際在線記事には演習中止の背景として日中関係しかあげられていないので、かぎりなく誤報に近い内容といってもいいだろう。
■マジメに報じると勝利感が足りない
ちなみに中国報道の元ネタとして参照されているのは、おそらく27日付読売新聞の記事「
離島奪還訓練を断念…中国への配慮や沖縄反発で」。
MV22オスプレイ配備や米海軍兵による集団強姦致傷事件の影響で、沖縄県内で訓練に反発する声が強まった。渡名喜村も反対の意向を日本政府に伝えていた。日米両政府内にも「尖閣に近い沖縄での奪還訓練は中国を刺激しかねない」との慎重論があり、訓練は模擬演習にとどめる方向となった。
本文はオスプレイと女性暴行事件が主であったと説明しており、中国については最後の一文で触れているだけ。なのにタイトルは「中国への配慮や沖縄反発で」と主従が逆転している。まあこの程度の煽りは許容範囲だし、金鰤がちょっと誇張したタイトルをつけても、みなさん寛容に受け止めて欲しいと願うばかりだが、このタイトルが中国ニュース翻訳者のハートを刺激したのか、中国勝利的な文脈で演習中止を伝える記事がいくつか出ている。
その一つが
環球時報だが、「演習中止の最も主要な原因は米軍兵士の暴行事件」と書いてしまっているので、いまいち勝利感が足りない。というわけで、沖縄問題について一切言及していない国際在線記事が一番よく転載され、読まれているようだ。
■また中国が勝利してしまった
さて上記国際在線記事がポータルサイト・網易でトップに置かれていた。これまでに
700件のコメントが書き込まれている。
打倒小日本
釣魚島を取り戻せ
米国自動車業界はこの泥沼にはまりたくなかったようんだな!
世界第二の経済大国が数カ月経済制裁してやったらもう折れたのか。第二のフィリピンだな
というストレートなものもあれば、「結局、まだ島は日本の手にあるではないか」「日本は島嶼奪還演習する必要ないだろ。どうせ中国は抗議以外何もできないんだし」という憂国系、「ネトウヨちゃんたち、良かったね」というおちょくり系などさまざまなものがあるが、個人的にツボにはまったのが「
また中国は勝ってしまったのか」という一言。
日本のみなさんが知らないあいだに中国はピンチに追い込まれたり、あるいは大勝利したりと結構忙しいのである。
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