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靖国を放火した民族英雄を守れ!韓国に圧力をかける中国

2012年11月02日

日本ではあまり盛り上がっていない韓国を舞台とした日中のバトルについて。


■靖国放火の民族英雄をめぐる綱引き

靖国放火の容疑者、引き渡し判断へ 韓国裁判所
日本経済新聞、2012年11月2日

2012年1月に在韓日本大使館に火炎瓶を投げ込み、韓国で服役している中国人、劉強受刑者(38)について、靖国神社に放火したという別件の容疑で日本が身柄の引き渡しを求めている問題で、韓国の裁判所が扱いを判断することになった。韓国法務省が2日、ソウル高裁に審査を請求した。同高裁が引き渡し条件に適合していると判断すれば、法務省の最終判断を経て引き渡しが決まる。劉受刑者は11月8日まで韓国で服役。取り調べ過程で靖国神社にも火を付けたと話したという。中国政府も政治犯として引き渡しを求めており、ソウル高裁の判断次第では身柄は中国に送られる可能性もある。

なんだかいろんな事件がありすぎて、昨年末の靖国放火&1月の在韓日本大使館放火事件などはるか古代の話のようにも思われるのだが、実はこれ、なかなかのホットトピックだったりする。

20121102_写真_中国_韓国_
*ポータルサイト・網易でもトップトピックに。

日中両国の主張を比較すると、犯罪人引き渡し条例に基づいて身柄の引き渡しを要求している日本。一方、中国は靖国放火の民族英雄の身柄を日本に渡すわけにはいかぬ(渡せば弱腰外交とまた人民に怒られる)と、「温情として中国に強制送還せよ」と無理難題を突きつけているという具合。

「犯罪人引き渡し条例VS温情よろ!」という構図なので日本に引き渡すのが道理に思えるが、中国様の怒りを買いたくない韓国はこれまでまごまごと優柔不断な姿勢を見せていた。で、最終的に裁判所に判断を預けるというわざに。政治的に責任を取りたくないということなのだろうか?


■極悪!環球時報

11月2日、中国外交部の洪磊報道官はこの問題について、「中国政府はこの事件をきわめて重視している。韓国側が公正かつ妥当にこの件を処理すると希望、また確信している」と言及している。見事なプレッシャーのかけっぷりだ。

さらに悪辣なのが環球時報。「靖国放火の中国人を日本に引き渡す、韓国が宣言」という極悪なウソ・タイトルの記事で責め立てている。面白いのが記事の中身を読むと、「裁判所に判断を任せるよ♪」という内容。タイトルと中身が全然違ってますがな……。


■カレーの作り方で行こう

環球時報ウェブサイトのコメント欄が大荒れなのはいつものことながら、比較的冷静なことが売りのポータルサイト・網易のコメント欄も大変なことに。「日本の法律を尊重するべき」という日本支持のコメントも書き込まれているが、「裁判所に判断を任せるよ♪」という内容を理解していないことに違いはない。

まあタイトルだけ読んで反応する人が90%というのは日本も中国も大差はない。荒れっぷりでは2chの100倍と悪名高きヤフーニュースのコメント欄にいたっては「タイトルしか読んでいませんが」と親切にも自己申告してコメントを書き込んでいる人までいる。

いやはや、ウェブニュースなんかタイトルしか読まれないよね……。もう煽りタイトルだけつけて中身はカレーの作り方でも書いておけばいいんだ……。と絶望的な気持ちにさせられたのであった。

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