中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2012年11月03日
■反則CM
というわけで、いつからかは忘れたたが、何度も何度も転載されては私のニュース収集ルートの前に立ちはだかるB級ニュースをご紹介。似たような記事がごまんと存在するが、とりあえず参照したのは網易の「台湾、ゲーム宣伝に新技=グラビアモデルがヌードでアダルト・ネットゲームを紹介」(2012年10月12日)。
記事では某韓国産ゲームとなっているが、調べると韓国産ネットゲーム「Dark Blood」の話題だという。アダルト・ネットゲームではないはずだが、CMがエロ過ぎたためにゲームまでアダルト認定を受けてしまったようだ。
「Dark Blood」は台湾のセクシー歌手・温嵐さん(33歳)をCMに起用。三十路のお姉さんがキーボードを抱えてゲームに熱中しているという内容。まあ、いたって普通ですね。
ところが最近のCMはちょっくら違うことに。露出度の高い格好をした女性が「スキルの使い方はね」などとゲームを解説してくれる内容に。最新作では全裸の女性がゲームを遊んでいる姿からスタート。その後、バスタオルをまとって振り向き、ゲームを解説するのだが、途中、バスタオルがずりおちるシーンまで用意されているという……。
ポイントらしいのがエロモードになって以降のCMでは女性の顔が映されていない点。あの温嵐が脱いだのではなかろうか、などと妄想を書き立てる作りになっているようだ(CMはこちら)。
■中華圏におけるエロとCM
それにしても「ネットゲームの宣伝=セクシーコスプレ」はもはや中国語圏の共通認識になった感がある。中国本土ではさすがにこうしたプロモーションはかけにくいのだが、「台湾でこんなひどいCMがっ!と報道しているだけでござる。あくまで報道のため。ジャーナリズムでござる」という体で記事や動画が流れまくり、結局は普通のCM以上の効果をあげているという、すごい構図になっている。
そも中国本土民は「日本人ってエロいよね」呼ばわりしながら、エロを宣伝材料にすることに余念がない。詳しくは参考記事を読んでいただきたいが、ボディペインティングやらポールダンスやらセクシーコスプレやら、日本なら企業のプロモーションとしてはちょっと……というものが平気で採用されてしまう。
中国本土での宣伝におけるエロの動員というのは結構面白いテーマだと思うので、どこかの優秀なルポライターが調べてくれたら良いなという他力本願で稿を閉じたい。
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ヘンな言い方ですが程よいエロさ、段階的に進んでいくエロ情報というのが無い。関係者にもそういった判断経験や許容ラインについての感覚が無く、0か1かなのですぐにやり過ぎ状態に。
あと中国でよく言われる「日本はエロい、変態だ」というのは、中国の人間がふれるエロデータが、ネットにあるコアな情報に偏っているというのも理由の一つなのではないかと。
ネット上では無い、現実の日本社会で実際にエロコンテンツにたどり着くまでにどれだけ「精神的なプレッシャー」がかかるのか、想像できないようです。この辺の感覚についてはオタク関係の「18禁」に関する感覚でも意識の差を感じてしまいます。
中国のエロ動員については、誰か優秀な方にやって欲しいですよね!
と自分も他力本願的に呟いてみます。