縁起担ぎ大好き官僚とその失脚について。2012年11月7日、
法制日報が伝えた。
山西省晋中市霊石県の楊洪・委書記。文学、書道がお好きという文化人だったが、その趣味が高じてか大変面白いことをやらかしてしまった。
■縁起担ぎ
地元には石膏山(Shigaoshan)という山があった。が、楊書記の肝いりで「仕高山」(Shigaoshan)と改名されてしまった。もっともなんの脈略もなしに改名はできない。そこで宋の初代皇帝・趙匡胤が名付けたという伝説をでっちあげたという。
「このワシが皇帝になり、諸卿らが官位を得るのを助けてくれた山や!余自らが名を授けるのは当然やで!仕高山と名付けよう。パンピーが来れば官職を得られ、官僚が訪れれば出世するというありがたい山や!」とのたまわった。ただ皇帝のつけた名前が恐れ多かったのか、はたまた習慣は変えづらいものなのか、この1000年は石膏山と呼ばれ続けてきた……。
というすてきな伝説だが、実は100%デタラメの捏造品。楊書記は毎日書を鍛錬し、文学全集も出しているほどの
ごり押し野郎文化人だが、歴史を捏造してはならぬということは学ばなかったらしい。
ちなみにこの山に森林公園を作っているとのこと。うまくいけば「公務員試験前には絶対に訪れるべきスポット」とかになったかもしれないのだが……。
■玉爾の像

楊書記のもう一つの成果がこの「玉爾の像」。霊石県の名前の由来は隋の初代皇帝・楊堅がこの地で巨石を得たため。これにかこつけて楊書記は玉爾の像を作ることを決めたのだとか。もっとも匿名希望の現地官僚曰く、像を作った目的は楊書記の出世のためだったという。石膏山改名といい、風水的縁起かつぎにこっている官僚だったのかもしれない。
もっともたんに文化人ごっこにあけくれているだけではなく、楊書記は有能な官僚だったとのこと。2015年までにGDPを3倍にするという遠大な目標のもと、道路の拡張工事やら都市再開発やら森林公園開発やら不動産プロジェクトを乱発していた。
だがあまりに有能すぎたのか、楊書記は汚職容疑で逮捕された。仕高山も玉爾の像も残念ながら御利益はなかったようだ。
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