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連日の焼身抗議、チベット本土71人目の犠牲者=小学生の反中国抗議デモ(tonbani)

2012年11月09日

■<速報>今日、更なる焼身/「十八党大会中、焼身は続くであろう」■


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*ドルマ広場に横たえられたチイパ・ギャンツォ。

■ケルサン・ジンパの死

2012年11月8日、アムド地方レゴン(レプゴン 同仁)で、1人のチベット人若者が焼身し死亡した。なんと1日に5人が焼身した7日に続く連日の惨事となった。これでチベット本土(内地)の焼身者は71人目である。8日付Tibet Timesチベット語版8日付phayulを参照した。


場所はロンウォ僧院前のドルマ広場。時間は現地時間午後4時半頃。焼身者の名前はケルサン・ジンパ(སྐལ་བཟང་སྤྱིན་པ་ 又はジンパ・ギャンツォསྤྱིན་པ་རྒྱ་མཚོ་ )18歳。彼は焼身しながら「ダライ・ラマ法王のチベット帰還を!」と叫んだという。

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遺体はドルマ広場で僧侶たちに囲まれ、祈りのお経が上げられた。直ちに大勢のチベット人が広場に集まり、その数は4~5000人ほどになったという。人々は「ダライ・ラマ法王に長寿を!」と叫んだ。その後、僧院裏の特別葬儀場であるドンギェルレの丘に運ばれたが、その頃には8000~9000人が集まり、法王を讃える歌を歌ったという。


■小学生の抗議デモ

ケルサン・ジンパは元ロンウォ僧院トゥサムリン学堂の僧侶。出身地はレゴン、ドワ郷の遊牧民地区。昨日焼身したタムディン・ツォと同じ地区の若者である。

なおドワ郷では昨日と今日、同郷の2人が焼身したことを受け、地元の小学校の生徒たちが抗議デモを行ったという。また、生徒たちはデモの後レゴン市内に向かおうとしたので、先生や職員が彼らを学校内に拘束しているという。

この話には別バージョンも伝えられている。11~13歳の子供たちが学校に掲げてあった中国国旗を引き下ろし、続いて地区政府庁舎前に掲げられていた中国国旗も引き下ろした。先生たちは生徒をコントロールできず、父兄たちに生徒を捕まえるよう命令した、と。


■ダラムサラでの抗議デモ

以下の写真は今日、ダラムサラで行われた抗議デモより。

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「十八党大会中、焼身は続くであろう」

昨日のンガバの焼身を伝えたダラムサラ・キルティ僧院の内地情報係り僧カニャク・ツェリンに今日話を聞いた。以下、その内容。

質問:今日から行われる「十八党大会」と昨日の5人のチベット人焼身の関係は?

僧ツェリン:もちろん、関係あると思う。中国政府は全国で今回の大会を大きく宣伝している。TVでも連日報道されているであろう。また、この大会に合わせ、チベットではどんな小さな村でも監視が強化され、弾圧が強くなっている。その異常さを見れば、だれでも大会がある事がわかるであろう。

今回の5人の焼身は、一カ所の話ではない、アムドのレゴンとンガバ、自治区のディル。距離も離れている。焼身した人も僧侶、遊牧民女性、他1人は不明だが、俗人男性といわれており、僧侶・俗人・男女と様々だ。つまりこれはチベット人地区全体の様々な人々が命を掛けて訴えているということだ。中国政府はこれまで、焼身を限られた地区の限られた人々の行動といっていたが、そうではないことの証拠だ。

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中国はいつも、チベット人初め全ての少数民族は幸せに暮らしていると宣伝しているが、そうではないという事、嘘であることを示している。「十八党大会」に参加する習近平を始めとする全ての指導者、大会に参加する全てのチベット人を含めた中国人に対し、「チベットの人々は決して幸せになど暮らしていない。

自分たちは弾圧されていて、自由がない。ダライ・ラマ法王がチベットに帰還されることを心より願っているが、叶えられない」ということを訴え、チベットの現状を調査することを求めているのだ。その事をなにか書面に書いて政府に訴えることもできず、抗議デモをする事もできず、これを訴える方法として、直接何よりも大事な掛替えのない自分の命を捨てて訴えるしかないのだ。600万チベット人のために訴えているのだ。

質問:これからも大会中に焼身があると思うか?

僧ツェリン:もちろん、あり得るだろう。中国がチベットの現状に対し、嘘をつき続ける限り続くだろう。焼身者の訴えを無視し続ける限り続くだろう。相次ぐ焼身を受け、内地のチベット人たちの気持ちは高まっている。無視され続けるに従い、益々高まり、これから恐ろしいことになるかもしれないと危惧している。

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「チベットに自由を!」「習近平よ恥をしれ!」「チベットはチベット人のもの!」「国連は行動せよ!」等とこれでもかというほど連呼し続けていた。

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ダラムサラでは今日、チベット人の店は閉められ、朝からツクラカンに集まってマニサガ(オンマニペメフンという観音菩薩の真言を繰り返し唱える)が行われ、午後からはデモ、夕方またツクラカンに集まり法要が行われた。

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*本記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の2012年11月8日付記事を許可を得て転載したものです。

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