独身者のお祭り・光棍節のバーゲンセールがむごすぎる件について
■光棍節
中国では毎年11月11日は光棍節。「独身者のお祭り」だ。
中国語で“光棍”は「樹皮を剥いて作られた棍棒」を意味し、これでは後世に樹木の子孫を残すことはできないことから転じて「独身者」を表す。これに「節句」とか「記念日」を表す“節”を付けて、“光棍節”は「独身者の祭り」を意味するのである。
“光棍節”の起源には諸説ある。1990年代に南京の大学生たちが恋人のいない“光棍(独身者)”をからかって“光棍”を祝う祭りを行ったのが始まりで、これらの大学生たちが卒業して社会に出たことで世間に広まったというのが通説である。それが2000年以降徐々に社会に定着するようになり、2005 年頃からは全国的なものとなった。
今 では中国でも“情人節(バレンタインデー)が定着し、2月14日当日に向けて「愛の告白グッズ」の商戦が盛んだが、これと同様に11月11日の “光棍節”が近付くと「独身者」を対象とする特売広告が氾濫し、商店やネットショッピングで激しい販売競争が展開されるのである。
では、何で11月11日が“光棍節”となったのか。その理由は簡単で、11月11日には数字の「1」、即ち「棍棒」が4本もあるからである。
*太字はChinanews
2010年に「
モテなくても楽しけりゃいーじゃん!喪男・喪女の記念日「光棍節」を祝おう」、2011年に「
今日は100年に1度の「スーパー独身者の祭り」=欲望渦巻く中国の記念日」と2年連続で記事を書いたので、今年はもう書くこともないかな、などと思っていたら劇的に面白いネタがあったのでご紹介。2012年11月10日付
21世紀経済報道を主に参照した。
■王者・Tモール VS 京東商城の砂漠の嵐作戦
光棍節はもともと「彼女がいない奴らでパーティーを開く」とか、モテない輩のためのステキなイベントという色合いが強かったのだが、ここ数年は独身とかモテないとかいう要素は一気に霞み、ECサイトのガチンコ安売り対決の日となっている。今年は特に戦いが激化。11月11日だけではなく数日前からセールを始めた企業が多い。京東商城にいたっては1カ月間にわたるセール「砂漠の嵐」作戦を展開したのだとか……。
光棍節セールでトップシェアを占めるのは、アリババの運営するネット専門モール・Tモール(天猫)。午後1時段階で売り上げ100億元(約1250億円)突破という快挙を達成した。
しかしこの栄光の影で泣かされていたのは、出店しているネットショップ。通常、複数のプラットフォームに出展しているのが他のプラットフォームよりも安い値段にするよう強要されるのだとか。というわけでプラットフォームごとに出品する品物の種類を分けるという工夫が必要になる。
■ブラック&ブラック
ところが激戦となった今年はそれだけではすまなかったようだ。というか、すぐさま裁判所に駆け込みたくなる真っ黒なバトルの応酬となった。
Tモール:
ネットショップの皆さん、皆さんがどこのプラットフォームに出展するかは自由です。どこの光棍節キャンペーンに参加するかも自由です。ただ他所のキャンペーンに参加したショップはうちのキャンペーンからは外れていただきます。
独占的地位はどうやって乱用するべきか、お手本のような一撃だ。
しかし追う立場の京東商城はもっとあこぎな技を見せた。
京東商城に出店してた孟醒さん:
やばいっす。ある日、気がついたらうちのショップの京東商城設定画面が開けなくなっているんです。で、サイトを見ると、なんか勝手に光棍節キャンペーンに参加しているんですわ。しかも価格は勝手に5割引にされているし!
いやはや、すごすぎる。出店ショップの商品を勝手に値引き、しかも設定画面に入れないので店側にはどうすることもできないという荒技。出血大サービスを超えた、致命傷大サービスということなのだろうか。孟さんはマイクロブログでこの奇妙な一件を告発。弁護士を通じて書簡を送り、ようやくこの安売り地獄を抜け出したという。ただし京東商城のショップは閉鎖することになった。
ショップはたんに開いて終わりではなく、取引履歴を積み重ねて信用を築いて育てたもの。閉鎖するとなれば大損害だ。孟さんとは違い、大安売りの強要を泣き寝入りしたショップもあったかもしれない。
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もう少し構成を工夫したほうがいいと思うんだけどね。ネットにはネット特有の文章構成というものがある。
書いている人が自分で面白がっているのか、これ面白いだろという気持ちで書いているのか知らんけど、ネットでは面白いネタでも読みにくいのは最後まで読まれないよ。