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2012年11月22日
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All mine :) / Baigal
中国は今年、パスポートを改訂。ICチップを埋め込んだ電子パスポートを導入した。ICチップに埋め込んだ情報が流出したら困るのではあるまいか、とか、新型パスポート目当てに出入国管理処に申請者が殺到といったニュースがあったが、どうしてどうしてもっと深刻な問題があったという。
それはパスポートの中に印刷されている中国の地図。フィナンシャルタイムズによると、南シナ海における中国領海の主張を示すラインががっつりと描かれているという。また台湾の観光地の図案2点も描かれているという。まだ確認はできていないが、尖閣諸島についても同様に中国領として描かれている可能性は高い。
新版パスポートを持った中国人が海外旅行するだけで、各国の入国審査のハンコがぺたぺたと押され、中国の領有権主張の既成事実が積み上がっていくというステキなシステムだ。
在中国ベトナム大使館はすでに正式に抗議しているというが、まだ具体的な進展はないという。ある匿名希望のベトナム外交官は「深刻に事態を悪化させる行為だとみられている。中国は現在無数の新版パスポートを発行している。しかもその有効期限は10年。もし中国政府が少しでも領有権について立場を変更したならば、すべてのパスポートを回収しなければならなくなる」とコメントした。
もちろん新版パスポートを持った中国人は多数日本に入国しているわけで、日本は抗議しなくていいんだろうか。この程度のかわいいわるふざけをとりあう必要はないというのも一つの道かもしれないが、日本が同じことをしたら日本国民は中国出禁になるのではないか、とも思ったり……。
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