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え゙え゙~コスプレ姿で街中を歩いても恥ずかしくないの?!日本とは違う中国オタク・マナー(百元)

2012年11月24日

■中国オタク「三次元のコスプレを嫌うヤツや叩くヤツが出る理由を考えてみたい」■

Cosplay photoshoot in the park - it is important to get the perfect composition
Cosplay photoshoot in the park - it is important to get the perfect composition / antwerpenR


ありがたいことに

「中国出張のときに街中で突然ナルト等のコスプレをしている若い子の集団に出会い驚きました。思い切って話を聞いてみた所、イベントに行く途中なのだとか。中国のコスプレイヤーって街中をコスプレして歩きながらイベントに行くのが普通なんでしょうか?それを中国のオタクな人達はどう考えているのでしょうか?」
という質問をいただきましたので、今回は中国のコスプレ事情に関して一つやらせていただきます。

中国のコスプレにおける、日本の一般的なコスプレのイメージと違う特徴にはコスプレをして終わりではなく、「コスプレした人達が、作品の二次創作、クロスオーバー的な劇を行うことが多い」(言ってしまえばまじめにやる、人に見せることを意識したごっこ遊びですかね)という点があります。が、それ以外にも今回のご質問にある通り、「会場に着く前から既にコスプレ状態」「家或いは学校の宿舎を出るときからコスプレイベントは始まっている」というのがありますね。

中国はイベント会場に近付くとコスプレしている人が増えて来るので、その人の流れについていけば迷わず会場にたどり着けるという話もあります。先日、うまい具合に中国のソッチ系の掲示板で「三次元のコスプレに好き嫌いが出る理由を考えてみる」といったことや、最近の中国オタっ界隈におけるコスプレ叩きについてのやり取りを見かけましたので、今回はその辺りについてを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


■中国人オタクの議論

三次元のコスプレを嫌うヤツや叩くヤツが出る理由を考えてみたい。最近、三次元のコスプレを嫌う奴や叩くヤツが明らかに増えて来ているように思う。作品のアンチとはまた違う勢いで。どうしてこういうことになってきたんだ……

ほとんどのコスプレイヤーが微妙~見苦しいってレベルだってのがあるんじゃないか?ごく一部はクオリティ高いけど、多くは我慢して見てどうにかってことになる。二次元の原形と比べた場合、三次元はどうしても劣ることが多いし印象も悪くなる。

微妙なコスプレであっても、本人ががんばってコスプレしているというのが分かったりもするから直接けなすこともできないし、なんともモヤモヤしたものが残るんだよな。ネットやオタクコミュニティないで叩くのが増えているのはその辺りも影響しているんじゃないか?

昔はみんなが参加できるオタクの活動ってコスプレくらいしかなかったけど、今では同人イベントも公式イベントもあるからなぁ……相対的にコスプレ活動の価値は落ちているのは間違いない。それに対してコスプレイヤーの意識が昔と比べてきちんとしているわけでもないから、叩かれるのはしょうがないかとは思ってしまう。昔のグダグダなコスプレ劇を楽しんでいた自分としては少々さびしいけど、これもウチの国のオタク文化が発展したことによるものだという見方もできるし……

本当のオタクなら三次元のコスプレを見て二次元への自動補正くらい簡単にできるだろうが。叩くヤツはオタクとしてのレベルが低いと思う。

美男美女やリア充への嫉妬とかなんじゃね?最近はコスプレやっていて表に出る人間って容姿が良い部類に入ることが多いし、恋愛関係のゴタゴタも聞こえて来るし。

いや……リア充はともかく、美男美女ってのは無いんじゃないか?正直言って、三次元のコスプレイヤーの大部分のクオリティって、その何と言うか……

例え美女がコスプレしていても二次元のキャラとは違うんでいいと思えないなんてことも結構あるぞ。あと実際、いくら脳内補正を頑張っても、見たらダメージを受けるレベルのコスプレも少なくないからなぁ……今はオタク界隈も人や活動が増えたことによりギスギスしてきているし、叩かれる口実があれば叩かれてしまうんじゃないかな。悲しいことだが。

でも、ネットでよくあるコスプレイヤーのクオリティが低いという理由で叩くのもどうかと思うんだよね。そういう判断って結局は主観的なものだし。ただ、それと同時にコスプレは同人と違ってコンテストとかも多いからね。そういう場合、「愛がある」だけじゃあダメかとも思う。

コスプレに心の中でモザイク補正をかけられる自分は勝ち組。

ネットに出てしまっているコスプレの情報をどう扱うかだよね。仲間内でならともかく、関係無い層に広まってしまった場合は心無い批判を受けることも有り得る。昔と違って、ネット経由の交流も拡大しているし、自分からネットに情報を「晒す」人間も増えているからな。

だって……俺が好きなのは二次元であって、三次元のコスプレイヤーじゃないわけで……コスプレした姿がヒドイのは別に悪いわけじゃない。ただ、それを故意に晒して人を驚かしたり、人のイメージを破壊するのは間違いだ。

コスプレのレベルが昔よりも上がっているのは間違いないんだが、ブラクラレベルのにぶち当たる可能性も高くなっているように感じる。昔はコスプレのイベントが少なかったってのもあるし、情報の量や露出が少なかったってのも原因なんだろうか?

ウチの国のコスプレの難しい所は、(自分で楽しむのではなく)「人に見せる」のが主な目的と言う人が多い所ではないかと。これはウチの国のコスプレがコスプレ劇という形で広まったからじゃないかな。

正直な所、私はコスプレがウチの国の社会ではオタクの一般的なイメージになっちゃっているのが不満。家を出てからイベント会場までコスプレして歩いていくわけだし、宣伝にはなるだろうけど、

ウチの国のコスプレってコンテストや客寄せに利用されて「商業的」になっちゃっている所があるのも叩かれる理由だね。キャラや作品への愛によるコスプレならまだいいけど、コンテストに参加するとかいうのになると、愛なのか金なのかチヤホヤされいだけなのか。

商業化だなんだって言っても、ウチの国のコスプレはまだマシだ。日本のコミケなんかは女装コスプレがかなり多いし、アレに比べればウチの国のコスプレはまだ十分に健康的だし、そこまで叩かないでもいいと思うんだが……

いや、ウチの国にも女装コスプレイヤーいるぞ。東方のとか。まだ非常に珍しいネタ扱いになってるけど、十分にヒドイ。ただ私は女装はともかく日本みたいにもうちょっとネタに走ったりするコスプレが増えれば面白いのにとも思っている。ウチの国のコスプレイヤーはカッコよさを重視するケースが多いから、コスプレする方も見る方も方向性が限られているように感じる。

色んなところで醜聞が広まってなんかコスプレサークル=乱れてるなんてイメージが出てるし、イベントやサークルの黒幕がどうのこうのとか、そもそも有名になりたいからコスプレしているというのが強すぎるとか、愛を感じられない話が目立つ……

でも、愛だけを口実にし過ぎると微妙なクオリティのコスプレしか出なくて大変なことになるけどな!

コスプレって同人誌を作ったりすることに比べれば簡単に始められるのは良いんだけど、創作活動の中では活動の広がり相対的に小さいんだよね。昔はウチの国のオタクも小規模だったし、他の創作活動が無かったからからそれでよかったんだけど、最近は同人活動も活発になってきたし、相対的な話ではあるがコスプレという活動がオタクの活動の中では閉鎖的な存在になってきているんだと思う。

コスプレイヤーってイベントの行き返りも含めてずっとコスプレだから活動時間長いし、目立つことは目立つんだが、交流ルートが同人作品とかに比べて狭いからな……あとコスプレ写真を撮るために周囲を押しのけるのは衝突を生みそうだ。イベント会場はまだしも、普通の観光地とかでそれをやったりするのはどうかと思う。

コスプレである以上誰かに見せる、見せびらかすということになるけど、見たくない人ってのもいるだろうしねぇ。コスプレに興味ない或いは嫌いっていうのは、BLや百合といった特定ジャンルが嫌いっていうのと根本的には変わらないような気がする。

コスプレはどうしても目に入ってしまうからな……ただ、その辺は一般的なオタクがアニメTシャツを「上級武装」にして着て歩いているのと似たような所があるから、あまり批判もできんような。しかし、ウチの国ではコスプレ関係のマナーが未整備なのは今後問題になりそう。

コスプレのマナーと言えば、日本のコミケがコスプレイヤーに厳格な規則を要求しているのには驚いた覚えがある。実際、オタクのイベントの安定のためにはあれぐらいはやるべきなんだろうが、ウチの国ではまだ難しそうにも思う。

ウチの国ではコスプレイヤーだけでなくイベント主催側の意識も一定しないし、コスプレ専用のスペース、更衣室とかも準備できていないことが多いからね。そういや、この間の反日暴動ではじめて「イベント会場付近まで普段着で行って、会場近辺で着替える」というのをやったコスプレイヤーも少なくなかった。ああいうのが日本のコスプレイヤーが感じているプレッシャーなのだろうか?

とまぁ、こんな感じで。


■コスプレ・メインから変わりつつある中国オタク界

中国オタクのコスプレに関する考え方も段々と変わりつつあるようです。表立っての衝突はそれほど無いものの、コスプレは中国オタク界隈においてずっと最大勢力的な存在だったのもあってか、最近の様々な変化により微妙な空気になったりもしているようですね。

中国オタクの活動の黎明期はイベント開催のノウハウも無く、「オタクの創作活動」というモノも広まっていない状態でしたが、そういった状況の中でコスプレは数少ない、「簡単に参加できて楽しめるオタクの活動」として楽しまれていました。

また、コスプレは中国の初期の商業系アニメイベントに客寄せと言いますか、「着ぐるみショー枠」的な扱いで(当時、客寄せで使えるようなコンテンツが非常に少なかったので)食い込むことができ、そういったイベントを通じてオタク同士の交流を行ったり、イベントの輪を徐々に拡大していった所もあります。

そんな訳で、中国のオタクイベントはコスプレを中心に発展してきたと言ってもそれほど言い過ぎではないように思います。

ここ数年で同人誌や同人グッズなどの創作物の頒布なども盛んになっていきましたが、それでも中国の各地方で開催されるオタク系のイベントにおいてコスプレは日本の感覚に比べて、はるかに重要な「オタクの活動」となっています。

しかし上の発言にもあるように、昨今同人創作関係の動きが活発になりつつあることから、相対的にコスプレの重要度が下がってきていたり、コスプレとそれ以外の創作活動の間に微妙な摩擦が生まれつつあるようです。(それでも、日本と比べたら重要な位置にありますし、同人ではない商業寄りなイベントではメイン的な扱いになっていますが)中国オタク関係の話を聞いてみても、昔のある種牧歌的な空気が薄れ、コスプレ叩きとも言えるギスギスしたような発言が聞こえてきますし、中国オタクの活動にも時代と共にイロイロと変化が出ているのでしょうね。

とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

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*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2012年11月8日付記事を、許可を得て転載したものです。

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