■中国が新型パスポートにすごいトラップをしかけたら、インドが大人げないトンチで切り返した件について■
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■アジアを炎上させた中国のパスポート・トラップ
先日、記事「中国の新型パスポートにすごいトラップ、ベトナムがすでに抗議」でとりあげた中国のトラップ。
パスポートの中に印刷されている中国の地図。フィナンシャルタイムズによると、南シナ海における中国領海の主張を示すラインががっつりと描かれているという。また台湾の観光地の図案2点も描かれているという。新版パスポートを持った中国人が海外旅行するだけで、各国の入国審査のハンコがぺたぺたと押され、中国の領有権主張の既成事実が積み上がっていくというステキなシステムだ
というものですが、いいペースで騒ぎが拡大しています。
水面下で交渉していたベトナムに変わって表に出てきたのがフィリピン。デルロサリオ外相が中国に抗議したと公言。地道に粘り腰で中国と交渉するベトナム、政治家ががつーんといってバナナ不買を喰らうフィリピンとここ2年ほどのキャラ作りを踏襲した動きになっています。
また日月潭、清水断崖と台湾の観光地2個所の図案が掲載されていた台湾もからも大陸委員会が抗議。「せっかく改善した両岸関係が後退しかねない」というぼんやり表現で牽制しています。
■実際、中国の新版パスポートってどんなんなの?さてこのネタを最初に報じたのはフィナンシャルタイムズなのですが、写真なしの報道で正直、どんなパスポートなのかよくわからないところがありました。パスポートも外見の写真ぐらいはそこら中にアップされていますが、中はさすがにないし、周辺にも半年前発行開始の新版パスポートを持っている人がいないし。
ですが、ようやく写真付きの報道がでそろっています。おすすめは動画で紹介のこちら。
中国パスポートの係争地を自国領とするような絵や地図に抗議の声(FNN、2012年11月24日)。
中国の新版パスポートって、すごい凝っていて、出入国審査のハンコを押したり、ビザのシールを貼ったりするページの図案が各ページ違うんですね。で、8ページ目が中国地図なのですが、ご丁寧にも南シナ海の領海線がくっきりと点線で描かれているという……。
前回記事では「尖閣諸島についても同様に中国領として描かれている可能性は高い」と書きましたが、さすがにこの解像度では尖閣は小さすぎて見えませんね。顕微鏡で見ればわかるのかも?!
というか、領海線を示す点線が台湾の西側でぼんやり区切れているのは中国の棚上げ論的配慮でありまして。今年9月の尖閣国有化後には「地図に領海線を書き込む」という反撃措置もありました。もし今、新版パスポートの改訂があったとすれば、点線はもうちょっと北まで延びて、尖閣の領有権をきっちりアピールしていたでしょう。
こちらは43ページ目。台湾の湖・日月潭を図案に採用したもの。他にも天安門やら万里の長城やらの図案があるそうです。今、手元にある日本のパスポートを見てみたのですが、図案ではなくて「43、43、43……」とページ数がひたすら書き込まれている背景になっています。中国のおしゃれパスポートはちょっとうらやましいかも、です。
■インドの大人げないトンチ
さて、ここからがある意味、本題です。先にベトナム、フィリピン、台湾の反発を紹介しましたが、南アジアから大物インドも参戦です(
ドイチェ・ヴェレ、
読売オンライン)。
問題となったのはやはり、中国地図の図案。「インドが実効支配するアルナチャルプラデシュ州と、中国が実効支配するアクサイチン地方がいずれも中国の領土として記載されている。インドのクルシード外相は「受け入れられない」と不快感を示した」(読売オンライン)とのこと。
で、外相の抗議だけで終わったのがフィリピンですが、インドはやはり21世紀の超大国。トンチという名の実力行使で反撃に出ています。
「インド政府は25日、印中両国が領有権を争う国境地域が旅券の地図上で中国領とされているとして、中国人に対してはインドが領有を主張する地図が押印されたビザを発行する「対抗措置」を始めた」
読売オンライン
なんと、中国人向けのビザに、インド側が主張する地図を掲載したというのです。「新版パスポートに入国許可のハンコを押したら、中国の領有権主張に賛同したようなもんや!」というのが中国のトラップ、「インドの入国ビザを取得したら、インドの領有権主張に賛同したようなもんや!」というのがインドの切り返し。大人げないトンチ炸裂で爆笑した次第です。
このどうしようもない騒ぎはさらに拡大するのでしょうか。アジア各国にトラップ・パスポートやトンチ・ビザが広まったら、楽しいような厄介なような……。今後、どんなネタ展開が飛び出すかに注目です。
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反撃してぶっ叩きかえさなきゃ
あいつら調子のるからな
というか、インドが大人げないんじゃない
中国が幼稚なんだよ