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オタク文化はクールな外来カルチャー=中国人がアニメTシャツを普段使いできる理由(百元)

2012年11月25日

■中国オタクのオタク的装備の「許容範囲」■


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■増殖するオタクアイテムをどこまで普段使いしていいものか

中国オタクの面々との付き合いをしていると、彼らが「オタク関係のアイテムを身に着けて行動する」ことについてあまり抵抗が無い、むしろノリノリでやっている節があるのを感じることがあります。

ある程度想像がつくかと思いますが、昔から中国には日本のオタク関係のアイテムやそのコピー、更には現地で勝手に作られちゃったものなどが出回っていました。特にここ数年は情報が増え中国の若者の懐具合も良くなってきているので、オタクグッズ需要もそれに伴い増加していますので、もし北京に泊まる際などはチェックしてみて下さい。例えばアニメイト中国が中国のオタク系のイベントに参加して限定グッズの販売を行った場合などは行列が出来るのも珍しい話ではありません。

それに加えて同人グッズ制作も盛んなので本当にイロイロな「オタク系のグッズ」が出回っています。中国では同人グッズは、同人創作物ではかなり人気のあるジャンルです。場合によっては同人誌よりも人気が高いかもしれません。

そんな訳で、最近の中国ではオタク関係のアイテムが正規非正規問わず結構な勢いで増えており、中国オタクの身に着けるオタクアイテムの選択範囲も広がっています。しかし、そういったアイテムを身に着ける感覚については、日本の感覚とはちょっと違う所もあるようで、日本よりも随分と大っぴらに身に着けていたりします。

そんな中国オタクの面々も、一応身に着けるオタクアイテムについてはある程度の基準というか、「これ以上はさすがにアウト」というものがあるようです。先日、中国のソッチ系の掲示板でそういった「身に着けるオタクアイテムについて」のやり取りを見かけましたので、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


■中国人オタクの議論

皆、なんだかんだでオタクな装備を身に着けるのが一種のオタク的表現というか、「やりたいこと」「見せびらかしたいこと」的なものになっていると思う。ただその辺りに関しては人それぞれ違う考えがあるのも確かだ。みんなの「自分の基準でOKなライン」「とりあえずやりたいライン」がどの辺りかちょっと語って見ないかい?

作品のロゴが入っているアイテムなんかは比較的良い感じだと思う。ちょっと昔のだがSOS団のマークや笑い男とかが入っているアイテムはかなり気に入っている。ただ、女の子がどーんと描かれているのはちょっとキツイな。そういうリュックとかを装備して行動するのは、さすがに自分には無理だ。

自分が見たスゴイのだと、財布、バッグ、キーホルダー、カードケース、携帯といった装備に色んな作品がプリントされている人物がいたな。これが羞恥プレイと言うヤツかと感心してしまった。

私はアイテムが一つ二つとかだったりするならOKだと思う。Tシャツなんかはうってつけじゃないかなーと。

オタク系のアイテム自体は別にいいと思うけど、女性キャラ系のがキツイかな。Tシャツとかパーカーとかはオタク同士の集まりだとネタで着ていけるけど、普通に着るのはちょっと躊躇する。

そうか?私は別に女性キャラが大きくプリントされているのでも問題ないと思っている。結局はアイドルや女性イラストがプリントされている服と同じでしょ。着て良い感じかどうかが重要だよ。

カッコイイお兄ちゃんが「とある魔術の禁書目録」のキャラ財布を取り出した時は、ちょっと戸惑ったわ。
その気持ち少しわかる。服とか帽子は良いんだよ。デザインも良いのが多いし。ただ実用的な小物がオタク関係だと、ちょっとどうかと思ってしまう。使っているうちにヘタレてしまうしね。

えーと、財布の中に自分の好きなキャラのカードを入れている自分はどうすればいいんでしょうか……

財布にカードは許容範囲だろう。そこを通った人間は多いし。問題は常に外に装備している場合だ。他人にどう見られるか考えていなそうなのとか、ツッコミ待ちにしか思えないのとかいるし。

そういう「装備」って結構高いし、自分の趣味をアピールできる手段だから、着ている人は結構嬉しそうだったり自信ありげに着ていることが多いよね。実際、自分もコスパのTシャツ手に入れた時はそうなったしな!

同じ「道」を行く人を見たときはつい、オタク系アイテムの装備具合を比較してしまう。私自身はあんまり気にする人いないし、好きなのを着ることにしている。分かってくれると嬉しいしね。

結局はバランスじゃないかと。とりあえず自分は「生徒会の一存」の装備でしょっちゅう外に出ております。あとオタク系痛傘とかどうなの?キャラや作品によっては結構厳しいような気もするが。

痛傘はべつになんてことないぞ。使っている状況が雨降っている時というのもあってか、特に注目されることは無い。あとミクのTシャツを着て歩いていても注目率はそんなに高くないし、エロい絵とかでもなければ好きなように装備するのがいいんじゃないかね。

私は「ソードアート・オンライン」の絵がプリントされたバッグとか「Fate/Zero」の痛傘持って出歩いていると結構視線を集めるぞ。ただ、私も抱き枕とか、露骨なエロでもない限り外では大丈夫じゃないかなーと思っていたり。

仮面ライダーのTシャツ着ているけど、気付いてもらえたことがない。だから普通に好きな装備を着て行動することにしています。自分のテンション上がるし!

自分は一足飛びにオタクアイテムを身に着けて行動するところから始めるのは難しいな。まずはPCの壁紙なんかを変えたり、着メロを変えたりしながら徐々に反応を見ながら進退を決める。それにしたって、完全武装までは無理だが。

キャラよりも漢字プリントの方が注目されるような気がする。「あの花」の地底人Tシャツと無用心Tシャツは結構ウケが良かった。あの時は良いアイテムを手に入れたと改めて実感したね。

そういったアイテムが自分の身分の証明になるわけでも、同好の士が話しかけてくれるわけでもないんだからやめておけよ……オタクというのが交流したいけど自主的に動きたくない生き物というのは知っているが、それにしたって最近はヒドイのが多くなってきているように感じる。

私は別にそんなの気にしていないし、それを広告塔にして交流しようとも考えていないよ。話題にしてもらえたら嬉しいのは間違いないが、単純に好きだから身に着けているだけ。程度的には普通の人がハローキティのアイテムを身に着けるのと大して変わらないわけだし。

キャラよりも、ロゴやデザイン入りのを着こなすのがカッコイイと考えている私が通りますよ。最近だと、ライダーの大戦略Tシャツなんかが良いと思う。ネタ度も高いし。

ネタ度高い装備だと逆に尊敬の目を集めるよね。「まどか☆マギカ」が人気になり始めた頃、首なし巴マミTシャツを着てイベントに来ていたヤツはイロイロと輝いていたな……

さすがに40以上に見えるおっさんが「けいおん!」のキャラTシャツを着ているのはどうかとは思うが……自分も一応おっさんになったら自重しようかとは考えている

それは単に老けているだけと言う可能性もあるぞ。自分は仕事で使う文房具関係がいつの間にかエヴァで染まっているな。データの受け渡しに使うメモリが綾波だったりするが、もう慣れちゃってるんでやめる気は特にない。

とまぁ、こんな感じで。


■オタク文化=クールな外来文化

中国オタクの面々にとって、オタク関係のアイテムを身に着けるというのはある種の自己アピールになっているような所がありますし、周囲の目も日本に比べて気にされないといった状況なので、日本よりもオープンに身に着けているようですし、その許容範囲も日本に比べて広いようですね。

この辺に関しては、中国におけるオタク文化が「若者にとって、クールな外来文化の一つ」となっていることや、社会のオタクに対する態度が日本と中国ではちょっと違うという所なども影響しているのではないかと思います。

とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

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*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2012年11月16日付記事を、許可を得て転載したものです。

 コメント一覧 (2)

    • 1. 魚
    • 2014年02月27日 21:38
    • 素朴な疑問。
      記事にある「オタク」って日本アニメ愛好者って理解でいいんですか?
      ずいぶん限定された「オタク」のようにも感じるけど・・・
      中国では国内独自ものから起こるのオタク文化がないのですか?
      日本から見ると毛沢東オタクはいっぱい居そうだけど、
      彼らは「オタク」ではないのですか?
    • 2. Chinanews
    • 2014年03月02日 21:42
    • >魚さん
      百元さん執筆の記事に関して、「オタク」とは基本的に日本アニメ・マンガ愛好家という意味ですね。
      日本だと**オタクというジャンルがたくさんあるわけですが、オタクが外来語の中華圏ではそういう用法がないのです。例えば毛沢東ファン(毛沢東迷、毛沢東控)と言う言葉と毛沢東オタクを区別する言葉はないというか。

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