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2012年11月28日
エルトン・ジョン「公演を艾未未氏に捧げる」、北京で表明AFP=時事、2012年11月26日
英歌手エルトン・ジョン(Elton John)が25日、中国・北京(Beijing)で行ったコンサートで、公演を中国の体制批判で知られる芸術家の艾未未(アイ・ウェイウェイ、Ai Weiwei)氏(55)に捧げると表明した。2008年にアイスランド人歌手のビョーク(Bjork)が上海(Shanghai)のコンサートで「チベット、チベット」と連呼して以来、中国当局は多くの欧米人アーティストのコンサートを拒否していた。
(…)艾未未氏はAFPの取材に「ショーの前に彼(エルトン・ジョン)に会ったが、そのようなことは何も言っていなかった」と語り「驚きの出来事だった」と述べた。
エルトンのやり方は他国の習慣とルールを尊重するという自制心に欠けたもの。あの高齢でこれほど軽薄な振る舞いにでるとは驚かされた。
今回のエルトンの行動、そして以前のビョークによる「チベット独立」発言で、中国が外国人歌手招聘に消極的にならないよう提案したい。同時に次のことを観客に求めたい。今後、中国の観客はこうした挑発に遠慮する必要はない。挑発者に抗議し、舞台からひきずりおろしてやればいいのだ。
(…)文化人や芸能人は中国をおとしめることもある。だが一陣の風がそれらを吹き飛ばすであろう。中国の前身は壮大たるもの。欧州、米国との実質的な交流もそうだ。先日、ハリウッド映画「若き勇者たちよ」が中国の国家イメージを損なっているとして改変された(当初は中国を敵として描いていたが、撮影後に北朝鮮を敵とするよう変更された)。なぜならば中国の映画市場が必要だからだ。この事件は西側に大きな衝撃を与えるものとなったが、その衝撃はエルトンのゴシップのように一過性のものではない。なぜならばこれは中国と外国の関係がよりしっかりと、力強くなったことのあらわれだからだ。