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【中国パスポート問題】「賢明じゃない」と米国がイヤミ=「ただでさえ使えないパスポートなのに」と中国国民も批判

2012年11月29日

中国の新型パスポート問題について。フィリピンと米国の動向をアップデートする。


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■これまでのあらすじ

今年5月に中国が導入した新版パスポートにはすごいトラップがしかけられていた。8ページ目ににちょろりと描かれている中国地図だが、南シナ海のほぼ全域を中国の領海だとアピールする領海線が書かれている。ベトナムが水面下で抗議していたが、進展なし。

これをフィナンシャルタイムズが報道したから、さあ大変。今まで動きがなかったフィリピンも外相が抗議のコメント。地図とは別に台湾の観光地の図案が描かれていたとして台湾も抗議。さらに南シナ海だけではなく中印係争地もごっそり中国のモノ扱いにしているとインドがクレーム、インド入国を申請する中国人にはインド側主張の地図付きのビザをべったりパスポートに貼り付けるというトンチで反撃にでた。

さらにベトナムは「新版パスポートは認めていないのでビザは別紙に貼り付け」 という手段で対抗している。

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■ベトナム、フィリピン、米国、そして中国

ベトナムだが、前回お伝えしたとおり「ビザは別紙に貼り付け」という技で対抗。また実際に入国する時に押す入国審査のハンコも別紙に押されているもよう(時事通信)。

南シナ海問題ではベトナムとともに中国と対立しているフィリピンもベトナム方式を採用。ビザは別紙にスタンプする方針にすると発表した。入国許可のハンコも別紙に押されることになるのだろう(NHK)。

27日、中国の新版パスポート問題について質問された米国務省のヌランド報道官は、「パスポートをどうデザインするかは中国の自由だけど、賢明な選択かどうかという話とは別問題」とざっくり中国をディスっている。新版パスポートの使用には問題ないとして中国を表だって叩くことは避けつつも、中国の領有権を認めたわけではないこと、南シナ海問題の緊張を高める懸念があると釘を刺したという印象だ(共同時事ウォールストリートジャーナル)。

ヌランド報道官のコメントの翌日28日に、中国外交部の洪磊報道官は定例記者会見で「新版パスポートの地図問題を海上に解釈するのはやめて。ICチップ入れただけなんです」と弁明調の発言。沈静化をはかっている。

ベトナム、フィリピン、インド、台湾が抗議し、米国がイヤミを言うという国際的にも辛い状況に加え、中国国内でもなにしてるのん、とのツッコミが盛り上がっている。ポータルサイト・網易がそのものずばり「パスポートに地図を印刷、領土問題解決の助けにはならず、一般市民に迷惑をかけるだけ」というタイトルの記事を掲載しているが、「ただでさえ使いづらい(ノービザでいける国がほとんどない)のに、もっと使いづらくするってどういうことよ?!」とのお叱りの声がネットでは広がっている。


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