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最近話題だけど、体罰ってありですか?中国ネット民が激論(百元)

2012年12月08日

■中国オタク「体罰について、どう考えている?」■

Liulin / 柳林 | screen generation / 屏幕时代
Liulin / 柳林 | screen generation / 屏幕时代 / toehk


ありがたいことに「最近中国のネットでは学校の体罰が話題になっているようですが、中国の若い人の間で体罰ってどう思われているんでしょうか?」という質問をいただきましたので、今回はその辺りについてを。

中国の教育機関でも体罰が問題になったりすることがありますし、場所によってはただその辺りに関してはやはり場所や環境ごとにかなり違ったりもするようですし、体罰への認識も個々人の経験によって異なるようです。

中国の若い人……というのにはちょっと偏っているような気もしますが、中国オタクの多くは80年代、90年代生まれの人間ですし、大学生や院生或いはその卒業生が主な層ですから、学校に通っている期間も長いので学校の体罰に関しても比較的身近なものとなっていたかと思われます。

そんな訳では今回はとりあえず中国のソッチ系の掲示板をまわって見かけた「体罰についての考え」などに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


■中国人ネット民の議論

体罰について、この頃またニュースになったりしているが、みんな体罰についてどう考えている?肯定か否定かみたいに大雑把な所でもいいから、ちょっと教えてくれないか?実は私は幸いにも体罰に遭遇したことって無いんだが、周りの話を聞くともう、ヒドイ体罰比べみたいな勢いのトンデモない話も聞こえて来るので、自分の感覚が信じられなくなっているんだ。

自分は小さい頃に親にも教師にも体罰受けたというか、殴られたことはあるね。そしてその後、ずっと親父との仲が険悪なまま今に至っている。体罰の必要性についての話は分かるが、もしやるならきちんと体罰後のケアも考えてやるべきだと思う。

危ないことに手を出した子供に対するときなど、大事な時に軽くバシっとやるならまだしも、体罰というレベルになっていくとダメじゃないかな……

俺は体罰を受けたことあるが、正直肯定も否定もできないな。俺の学校では体罰はそれなりに見かけたけど、それを受ける人間次第という印象がある。人によっては体罰で正しく導けるだろうけど、人によっては殴られて歪む。

殴られたことって、どんなに小さくても記憶に残るんだよね。私は小さい頃に両親に殴られたことを覚えているし、友達と昔そういう経験について話たときに、モノスゴイ細かく体罰を受けた記憶を持っているのがいた。私はその友達の親と会ったことがあるし、親子の仲も悪くないと思っていたからかなり驚いた。友達によれば現在の親との関係はさておき「やられたことは絶対に忘れられない」ということだった。そういうこともあるんで、私は体罰に関して気軽にはやれないなぁ。

しかし体罰が比較的効果があるのも確かじゃないか?もちろん親や教師がきちんと教育できるならやらなくても良いとは思うが、そういうのってかなり難しいんじゃないだろうか?自分は子供の頃にゲームにハマりまくって何も聞かなくなって親にボコられてようやく悪い習慣を断ち切れたなだが、当時の自分の状態を思うと、体罰なりなんなりで修正しないとどうにもならなかったと思う。

私は好きではないが、否定もできないし消極的な肯定って所かな。実際、体罰以外にどうすりゃいいのかって状況はある。私の親戚の子供がネトゲにハマって大変なことになっているんだが、その子の親は口で言うくらいしかしないから子供が完全に親をなめきっちゃっているんだよねえ。こっちに愚痴られても、親がしっかり動かないからどうしようもないとしか。

子供の中には、痛みを与えないと何が悪いか理解しないのがいるからね。昔に比べてウチの国も豊かになったから、怖さや危機感に関して知らないまま育っちゃっているケースもある。親ならば、そういうのを理解させるために一定の体罰は必要なのではないだろうか。体罰で全てなんとかなると思うのは思考停止だけど、理屈だけで子供を教育できると考えるのもある種の思考停止に思える。

男の子なら殴っても良いかもしれんが、女の子は殴るのやめとけというくらいかね。

しかし、問題はそれをできる存在がいるかどうかだな。きちんとした体罰とその後のケアって、最近は親も学校もできていないだろ。だったら体罰は無しという方がまだ現実的なのでは?

私は道理を説いて理解できる前は体罰はアリ、一定の年齢に達して道理を理解できるようになったら必要ないと考えている。小さい子供に対しては道理を説いても難しいときはあるし、推奨するわけではないけど必要悪として手を出さないといけない時はあると思う。

私は小さい子供だから叩いていい、叩かなければならないってのは間違いだと思う。小さい子供でも「恥」は感じるし、その後の成長にも影響する。私は体罰がどうこう以前に、叱り方が問題だと思うんだが。

しかし、その道理がそもそもどーしようもないという我が国の現状が……なんていうか現実社会の状況に親も教師も道理を説くのを諦めているような気がする。

確かにな……教育の場自体がそもそも体罰どうこうじゃなくなっている。私のいた学校では、態度の悪い生徒をしかった教師に対して「授業ウケる気が無いなら出ていけ」と言ったら、生徒が「俺は学費払ったんだから何でそんなことを言われなきゃならないんだ!」と言って更に「俺のパパは政府の幹部だ、お前なんかクズみたいなもんだ」とか言い出して抵抗、結局授業はグダグダ。クラス全体の成績もしばらくグダグダという事態になったことがあるよ……

実際、そういうめんどくさいケースがあるから教師は体罰どころかまともな指導もやり難いんだよなぁ。逆にそれ以外だと成績やなんかの将来に響く、体罰じゃあ済まないレベルのになっちゃうし。そっちをメインにやられると、学生にとっては体罰よりもでかい、社会的な面でのダメージがくるし……

学校の経営もあるし、現在のウチの国では教育が商売とサービスになっちゃっている面があるからね。そうなってくると、学校側も体罰とかやろうとしなくなる。教師も評価が高ければ収入も上がるし、付け届けも増えるからね。逆に下の方になると、今度は親がそこまで気にしなくなるし、選択の余地がなくなるし、教師の質も低いからニュースになるような体罰が出て来る。結果的に良い学校に行けば、体罰は無くなる……と考えてもいいのかもしれない。コレはコレでイヤな現実だ。

体罰がストレスのはけ口になる可能性もあるから、私は肯定できないね。私は小学校の頃、生徒に対して何かと問題を「探し出しては」憂さ晴らしをするヒドイ教師に当たったことがあるんだが、体罰と言う口実でがこういったことでごまかされる危険性を感じてしまうね。

都市や学校のレベルによる差ってあるね。最近虐待の問題が出ているのは出稼ぎ向けの所や民間の学校というのが多い。この間ゴミ箱に子供放り込んだりして注目を集めたのも民間の幼稚園。そういう所って教師のレベルも収入も低いから、どうしても問題がなぁ……。

統計とか知らないので何とも言えないが、その「レベルの差」ってのはちょっと分かる気がする。俺の地元は辺鄙な所なんだけど教師からすれば「学生を殴らないのが理解できない」というレベル。大学に入って「先生に殴られたことや体罰を受けたことが無い」という同級生に出会って非常に驚いた記憶がある。

ネットを見てみろよ。殴られたりしないまま育った人間が多い現在では、頭が育たず口だけが育っている人間ばかりじゃないか。

子供の頃って、まだ自己観念が確立していないし、危険を避けることや道徳観念を覚えさせるためには体罰も必要なんじゃないかな。口で説明する教育ではカバーできないことってあるし。もちろん、失敗した程度での体罰はどうかと思うけどね。

私は自分の子供の頃の経験から、自分の子供には体罰をやらないと決めている。体罰の記憶って非常にクッキリと残るんだよね。大きくなって手を出しにくくなり、学校の成績も安定するようになってからはやられなくなったが、小さい時の体罰が自分の精神の成長方向にネガティブな影響を与えたのは間違いない。現在の親との関係は悪くない状態だけど、この間親と会った時にふとそういった昔の記憶を話題にしたら、親の方はすっかり忘れていて、こっちの話に驚いていて逆にショックを受けていたが、もう何かイロイロとやりきれないと感じたわ。

体罰を肯定する考えを完全に否定するつもりはないけど、子供に「仇」の考えを植え付ける可能性についてはきちんと把握しておくべきだよね。小さい頃にいたずらっ子をしかる親というくらいのレベルだったらいいけど、中学生くらいになると反抗心がどんどん育つ。てか、その歳になっても殴られなければ分からない時点でどうしようも無いような気もするが。

とまぁ、こんな感じで。


■学校のレベルで全然違う教育環境

ざっと見た感じでは、半々くらいで、肯定否定で明確にどちらが優勢というのは無い感じでした。体罰そのものについてもそうですが、中国の教育に関する見方が出ているのも興味深いですね。

それと、上の発言の中にもありますが中国では「学校のレベルで体罰の状況が変わる」ということに関して日本よりも極端な所があるようです。

中国は学校に関しても「貧富の差」が激しく、下の方になってくると教師の待遇も悪くなって教師の質も落ちていき、中には資格無しの教師がいるというケースなどもあり、そういった状況になってくると体罰も頻繁に行われてしまうそうです。


■体罰は不要?!教師が自由にえこひいき可能だもの

またそれとは別に、中国では日本ほど教師を守る組織が確立されていないのもあってか、教師が体罰のような自分にとってリスクのある行為を行うのはあまり賢いやり方ではないといった空気もあったりしますね。そもそも、中国の学校は教師がかなり依怙贔屓できるシステムなので、生徒に言うことを聞かせるだけならわざわざ体罰をやらないでも生徒をどうとでもできる所がありまして……。

この辺りの影響に関しては重点学校などの上のレベルのいわゆる進学校などになればなるほど大きくなるように思えます。

例えば中国の学校では共産党の下部組織である「少年先鋒隊」や「共産主義青年団」に早い段階で入れるかどうかがその後の評価にかなり影響するのですが、その選抜には教師の意向が絡みます。

それ以外にも、受験の加点がある生徒の評価や、推薦関係なども教師の意向が非常に大きいので、教師に気に入られないと進学する上でかなり不利になります。言ってしまえば、日本の内申書関係における教師の裁量を大幅に強化した感じでしょうかね。

クラス担任や主要科目の教師はコレがあるので、進学を考えている生徒は先生に気に入られる、或いは最低限嫌われないようにしないといけませんし、親も袖の下をバンバン投げ込みます。更にあまりにもダメな学生の場合は、公開批判大会で指弾の的にしてしまえばいいわけですから、進学校になってくると教師による体罰はあんまり出てこないようです。

とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

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