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伝聞でしか確認できない中国式失脚情報と健在アピール(水彩画)

2012年12月13日

■疑惑の人たちが次々とアリバイ証明■


■中国の失脚情報

中国の人事情報、官僚の失脚に関する情報はいつも謎に包まれています。官僚に対する取り調べも「双規」と呼ばれ秘密裏に実施されるもので、本当に取り調べが実施されているのかはなかなか確認できないのです。というわけで、しばらくの間、公の場に姿を見せない官僚がでると、「あいつは拘束されて取り調べ受けているんじゃね?」との噂が飛び交うことになるのです。

中国政府はこの「高官の失脚」というネタに非常に敏感です。デマだった場合、すぐに否定しようとするわけですが、そのためには訪中している海外の要人と会見させて、公の場に姿を見せるのが最も手っ取り早いやり方です。

分かりやすい例なのが、薄熙来が全人代閉幕翌日の3月15日に政治局委員を解任された直後のこと。北京でクーデター騒ぎがあったとの情報が飛び交い、当時の中央政法委書記で、薄熙来の解任に最後まで難色を示した周永康が黒幕と噂されました。

3月21日、フィナンシャルタイムスが周永康失脚と報道。これを受け、23日には周永康がインドネシア外相と会談しています。周永康は政法委書記ですので、カウンターパートは公安や司法関係者であり、外相ではないのですが……。デマ打ち消しのために誰かに代わって会見したのでしょうか。まあ公安関係者以外と会う事例も多いので、一概には言えませんが。


■劉奇葆の場合

さて、今、中国で盛り上がっている政治闘争は李春城・四川省委副書記絡み。本日(13日)、新華社が免職を報じています。その罪が劉奇葆・中央宣伝部長にも及ぶ可能性があると噂されてきました。

ですが、11日付新華社の記事「劉奇葆:中央宣伝単位は率先して文章の風格を改め、新しい情況を展開せよ」に写真入りで登場しているので、とりあえずの無事が確認されたと言えそうです。ただし、前日に北京で開かれた宣伝系統の工作会議にはやはり出席しておらず、前日まで出て来られなかった理由があるはずなのです。

ちなみに記事の内容ですが、習近平総書記就任以来のキーワードの1つともなっている、「話は短く、真実を話し、意味のある話をせよ」と訓示してやったとの内容。この手の訓示は胡錦濤時代にもやっていたのですが、習近平時代になってからは常務委員も口にしているので、しばらくは続くキャンペーンなのかも知れません。



■令計画の場合

そしてもう一人、渦中の人がいます。それが令計画。こちらも姿を見せて無事をアピールしています。

共産党の党大会以降続いている民主党派の党大会ですが、今日行われた国民革命委員会の党大会に令計画が出席しておりました。令計画は9日の民主同盟党大会にも出席していたのですが、以前から妻、兄弟や親族が双規だの海外逃亡だのと噂されていたので、もしやと思っていたのですが、とりあえずこちらも問題なさそう。今のところは。

胡錦濤の懐刀として出世間違いなしと言われた令計画。それが息子がフェラーリで交通事故を起こし死亡したのがけちのつけはじめ。事故について江沢民に責められたことをきっかけに胡錦濤派は大崩れしたとも伝えられています。

令計画は中央弁公庁主任から統一戦線部長に転任したわけですが、同じルートをたどった人に王兆国さんがいます。王兆国さんは統戦部で10年もの間、冷や飯を食わされ続けたわけですが、最後の最後に江沢民にお願いして政治局委員に昇格した頑張りやさんです。

もう終わったムードもただよっている令計画ですが、がんばれば10年後には政治局委員にはなれるのかもしれません。

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*本記事はブログ「中国という隣人」の2012年12月12日付記事を許可を得て転載したものです。

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