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「香港人は中国を罵倒してばかり」「デモに規制を」ジャッキー・チェンの「失言」

2012年12月13日

「失言王」 ジャッキー・チェンがまだやらかした、と話題になっている。

成龙画儿 - Picture of Jackie Chan
成龙画儿 - Picture of Jackie Chan / ahenobarbus


ジャッキー・チェンといえば、中国では有名な失言王。その失言歴については記事「【尖閣問題】失言王ジャッキー・チェン、中国支持の発言が予定調和的誤爆に」で簡単にまとめているが、ネット上で最も有名な失言はボアオフォーラムでの「自由すぎると台湾や香港のように混乱する」「中国人は管理される必要がある」というものだろう。

その「失言王」ジャッキーが再びやらかした、と話題になっている。雑誌・南方人物週刊でのロングインタビューで、再び国家、政治、自由について語ってしまったのだ。マネージャーはなぜ止めないのか不思議でしようがない。が、そのあたり空気を読まずに発言するのがジャッキーらしさなのかもしれない。

で、「またジャッキーがやらかした」と言われている、このインタビュー。読むとなかなかに面白いのだ。賛成はできないが、ジャッキーがなぜこんなふうに考えたのかが伝わってくる内容。ついでにいうと、何度も失言を繰り返すKYっぷりも伝わってくる。

なにせ長いので、話題になっている部分をざっくりと紹介してみたい。


Q:いつから「国」という概念を重要視するようになりましたか?

ジャッキー:香港返還以後だ。ボクらは君たち(中国本土出身者)とは違う。君たちは日頃から国の保護を受けている。ボクたちは香港で生まれた。中国でも西洋でもないんだ。英国のパスポートは持っているけど、英国に行くにはビザが必要なんだ。英国に行ったら、(入管で)何のために来たって聞かれる。英国はボクの国かな?違う。捨てられた子どもみたいなものだよ。

Q:子どもの頃からそうした印象は強かったのですか?

ジャッキー:そうだ。ボクはフランス領事館で育った(父親がフランス領事館のコック)。周りは外国人だらけ。ボクはいつも裏の階段、エレベーターを使っていた。お父さんと一緒に歩いている時も外国人が来たら、ボクたちは脇に避けていなければならないんだ。ボクは子どもの頃から外国人に虐められてきた。まあ香港では外国人を見るとみんな怖がるもんなんだ。

Q:ですが多くの香港人は英国統治時期に確立した制度や習慣に感謝しています。

ジャッキー:ボクにはそんな感覚はない。ボクは彼らの保護を受けたことはなかった。ボクが学校でずっと虐められていた。どうやったらよりよい生活を送れるか、どうやったら金を稼げるか、そればかり考えていた。

Q:いつから公の場で唐装(唐代の服)を着ることを好むようになったんですか。

ジャッキー:覚えているのは「キャノンボール」(1981年)の時だね。アメリカでボクのことを知っている人はいなかった。スーツを着ていたんだけど、ある俳優が毎日、「おはよう」「さよなら」って日本語で話してくるんだ。ボクが日本で有名だって知っていたんだね。違う、香港から来たんだって説明したけど、それでも日本語で話しかけてくる。誰も香港がどこにあるかなんて知らない時代だったからね、日本の一部だと思ったんだろう。もう説明するのも面倒だからって、唐装を着始めたんだ。中国人だってわかるように。

だからクリス・リーが雑誌「タイム」の表紙になった時、うれしかった。彼女の成功は中国人の力によるものだ。彼女の実力じゃない。彼女より歌がうまい人はたくさんいるからね。

Q:華人がそうした国際的成功を収めるとうれしいですか?

ジャッキー:そうだね。姚明の成功も嬉しかったし、チョウ・ヨンファの成功も嬉しかった。以前ならばなんでボクじゃないんだと思ったかもしれない。今は違うよ。

Q:あなたが政治的に行動しているのでは、そう疑う人の話を聞いたことがありますか?

ジャッキー:ボクが?中国がなくたってボクは成功しているよ。韓国も日本もボクによくしてくれるからね。ボクはね、以前に戻ることが怖いんだ。ボクたちは以前、大粛正をやらかしているけど、もう同じ事をやっちゃだめだ。人であれ、文化財であれ、貴重な財産が大粛正で失われてしまう。

Q:2009年、ボアオフォーラムで「中国人は管理されねばならない」と発言して、大きな騒ぎになりました。

ジャッキー:ボクが言ったのは台湾立法院が混乱しているという話だよ。韓国や日本の議会の混乱はどうでもいい。ただ台湾の立法院の混乱はとても気になる。外国にいる時報道されているのを見たよ。椅子を投げつけてけんかしているって。

それから香港。英国植民地時代もこんなに自由じゃなかった。こんなゴシップ見たかい?これほど多くのデモがあったかい?ないよ。秩序が守られていたんだ。英国人はきっちり鎮圧していたからね。ボクたちは鎮圧されるのは好きじゃない。自由が好きだ。でも好き勝手はダメだ。今や香港はデモの都になってしまった。世界中が言っているよ、以前は韓国、今は香港だって。中国を罵り、そのリーダーを罵る。なんだって罵るし、なんでもデモしちゃう。何についてデモしていいか、何についてはダメか、規則を決めるべきだ。

ジャッキー:(…)中国人は管理しなければならない。交通ルールは守らなければならないし、ニセモノだって野放しにはできないだろ?法を守らせるようにするんだったら、それを誰がやろうとも、ボクはその政府を支持する。(返還以来)香港には3人の行政長官が誕生した。みんな就任と同時に罵られる。3人の長官がみんな香港に危害を加えるために就任したなんて信じられないよ。タネを播いたら花が咲くまで待たなければならない。タネをまくやいなや、「まだ咲かない!まだ咲かない!」って叫んじゃだめだろ。

Q:米国には大統領を罵倒する習慣はありませんか?

ジャッキー:そのことについてボクは関心はない。誰が米国の大統領になろうが興味はないんだ、本当に。ロムニーは嫌だけど、それはオバマのほうが中国にいいからだよ。もしオバマがボクたち中国によくないんだったらロムニーの当選を希望する。台湾でね、ある日本人が釣魚島(尖閣諸島・魚釣島)は誰のものかって利いてきたんだ。「中国人は中国人のものと言うだろう。日本人は日本人のものと言うだろう。絶対にそうだ。これは誰がどう間違っているんだろう?」って言ったんだ。そういうことだよ。

Q:政治家になろうと思ったことはありませんか?

ジャッキー:政治家に?ないね。でもやるならこんな仕事っていうのを考えたことはある。2つあるよ。第一にマフィア取り締まり。特捜隊を訓練するんだ。こういうのは好きだよ。

Q:議員はどうでしょう?

ジャッキー:議員なんて罵られるばかりだ。人に言われっぱなしでこっちからは罵れやしない。(素直に座っている様子を見せたかと思うと、突然机を叩き)クソッタレだ。殴って問題解決できればいいけど、(議員じゃ)殴るのもダメ。なんでそんなことをしないとダメなんだ。

Q:もう一つの仕事とは?

ジャッキー:交通大臣。以前、台湾で話したことがあるんだ、どうやって路上駐車を撲滅するかっていう話。その後で本当にその奥義を学んだんだ。映画「ドラゴンロード」(1982年公開)の撮影時、二十代の話だよ、台湾のあるホテルに泊まったんだ。カーブのところにいつも1台の車が駐車していてね、そこを通れなかったんだ。「ここに車を停めないでください」って張り紙はったんだけど、それでも毎日停めてあった。それでね、ある日、ボクはナイフを持ちだした。周りを見はらせて誰もいないのを確認して、バンバンバンバン。4つのタイヤはパンクだ。それからもうその車は見なくなったよ。ある種の暴力やルールを守らない人に立ち向かうには、一種の暴力が必要なんだ。

Q:台湾の件での本意はなんですか?

ジャッキー:北京では違法駐車したら、レッカーで天津まで運ばれちゃうよ。5000元の罰金を払わなきゃいけないし、お金持ちだって自分で取りに行かなければならないから大変だ。重罰を与えないとダメなんだ。以前、「きれいな香港を!」って30年も言っていたのに誰も守らなかった。みんな好き勝手にタンを吐いていた。それがどうだい。SARSがやってきて1週間に50人が死んだら、みんなきれいにするようになった。なんで50人も死んでから初めて清潔にするべきって知るんだろう?人間ってそういうもんだよ。

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 コメント一覧 (2)

    • 1. 774
    • 2012年12月16日 13:38
    • 考え方はよくわかる
    • 2. cho-rok
    • 2013年04月08日 08:04
    • 5 今更のコメです。すみません。
      ジャッキーが本当にこう言ったのなら、(広東語がわからないので確めようが無いのですが)
      彼のストレートな気持ちは、とても理解できました。ありがとうございました。

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