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2012年12月19日
ツェンツァで焼身者への連帯を表す祈祷会に4千人
最近、チベット・アムド地方ツェンツァ(མདོ་སྨད་རྨ་ལྷོ་ཁུལ་གཙན་ཚ་རྫོང་青海省海東地区尖扎県)で、チベットのために焼身した人々へ捧げるマニサガ(全員で決められた数になるまで観音の真言であるオンマニペメフンを唱える)と祈願会が行われた。
この祈祷会はツェンツァの街から15キロほど離れたルギェル村にあるマニ堂の中で、地区のラマであるアラ・ラデ・リンポチェ(ཨ་ལགས་ལྷ་སྡེ་རིན་པོ་ཆེ་)を導師として迎えツェンツァ周辺のチベット人約4000人が集まり、3日間に渡り続けられたという。
当局はこの集会を禁止したが、地元のチベット人たちは団結し、脅しにもめげず開催にこぎつけたという。他の地区でも同様の祈祷会が予定されているというが、当局もこれを阻止するために躍起になっているという。
参照:16日付Tibet Timesチベット語版、16日付RFAチベット語版
ザチュカで非暴力の誓いとともに武器破棄
最近、チベット・カム地方ザチュカ(ཁམས་རྫ་ཆུ་ཁ་セルシュ、四川省カンゼチベット族自治州石渠県)でゲミン僧院の僧院長ドゥンドゥップ・ニマと地域のラマ、トゥルクたちの呼びかけにより、1000人ほどが集まり、武器を身につけず、非暴力と品行方正な生活態度を誓うための集会が開かれた。
その場で1000点以上のナイフ等の武器が集められ、焼却処分にされたという。集会ではチベット人の慈悲と愛に基づく連帯が強調され、世界に平和な民族として知られるチベット人の名に恥じない行動をとることが誓われた。
この種の武器破棄のイベントはカムを中心にこれまでも何度も行われている。時には武器とともに毛皮類の破棄、焼却がセットのこともある。これはかねてより、ダライ・ラマ法王が「チベット人が毛皮や武器を身につけていることは恥ずかしいことである。これらは破棄されるべきだ」とおっしゃっていることに応えて行われているのだ。
当局は法王の言葉に従うこのようなイベントを政治的なものと判断し、度々このようなことを行った指導者を拘束している。チベットのように弾圧されている地域でこのようなことが行われているということは注目に値するのではないか。
参照:14日付Tibet Timesチベット語版
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*本記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の2012年12月16日付記事を許可を得て転載したものです。