■新浪微博が独自決済システムのサービス提供を開始 アリババとの提携の可能性は消滅か?■
ソーシャルメディアは広告以外でいかにして利益をあげるべきか。中国の二大巨頭、新浪微博と騰訊微博はネットショッピング、ECを回答とするべく動き出しています。そのための主戦場として注目されるのが決済システム。現在はアリババの支付宝が圧倒的シェアを持っていますが、決済システムも内製化しようというベクトルも強固に存在します。そうした中、以下で紹介されている新浪網の新決済システムが注目されます。中国メディアでは、ソーシャルメディアで商品を認知し、ECサイトで購入し、決済システムで支払いするまでのすべてを新浪が提供する「ワンストップサービス」と評価されているようです。(Chinanews)
■お財布ウェイボ
新浪微博が数日前独自の決済システム『微博钱包(お財布ウェイボ)』を公開しました。
TECHWEBなどを参照しました。
新浪微博のアカウントとひもづけられており、物品購入だけでなく、電気代や水道、ガスなどの光熱費の支払いも同システムを通して支払い可能なようですが、今後はB2Bの決済システムという位置づけも視野に入っているようです。
サービス開始の景気付けという位置づけか、12月21日からは最近富に話題な小米(Xiaomi)携帯の最新モデルを同微博钱包向けに5万台の発売を予定しているようです。
この”微博钱包”、お金の補充は携帯電話や銀行、そして新浪微博が昨年から提供している微博内のバーチャルマネー”微币”などから可能なようです。はじめは、その"微币"と重複するサービスなのでは?とも思ったのですが、"微币"自身はあくまでも新浪微博内のゲームやその他課金システムでのバーチャルマネー、というよりはポイント的な扱いで、今回の”微博钱包”はあくまでもリアルなお金の決済システム、という位置づけになっていくのでしょう。
■アリババとの提携はご破算に?!
”微博钱包”は新浪と決済システム子会社である北京新浪支付科技有限公司が共同で提供しているサービスとのことですが、こちらを発表したことによって気になるのは先日紹介した『アリババが新浪微博に投資するのでは?』という件です。
ご存知のとおりアリババはそのグループにAlipayという中国オンライン決済システムでは最大シェアを持つサービスを有していますし、新浪微博に投資する以上は同社のAlipayとの連携を希望するはずですが、今回の”微博钱包”の発表でその投資の可能性は消滅したか、少なくとも下火になったのではないかと考えます。
投資の可能性が0になったわけではないですが、この”微博钱包”を利用し独立独歩で微博+ECのソリューション強化を図っていくのか否か、今後も注視が必要ですね。
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