■「微信」に商標問題が発生 改名、商標権買取の可能性も■
昨年末から今年夏にかけて、世界的な注目を集めたのが中国でのiPad商標問題(【iPad商標訴訟】アップルが48億円をお支払い=勝ったのは誰?教訓はなに?―中国)。さらに照明器具分野でiPhoneを商標登録し、アップル社のiPhoneも光るから権利侵害や!となんくせつけた面白ネタまでニュースになり、中国の知的財産保護はどうなっているんやというイメージが広がりました。
もっとも中国には中国のロジックがあります。ともかく先に登録したものの権利が強力で、後から覆すのは難しい。権利を守るにはまず出願することが大事なんだそうです。が、それを実際に行うのは中国企業にとってもなかなか大変のようです。
やらかしたのは中国最強のIT企業テンセント。LINEのライバルとも呼ばれる、人気モバイル・コミュニケーション・サービス「微信」が商標争いに巻き込まれ、改名する可能性も出てきました。(Chinanews)
年明け早々にも3億人ユーザー突破が見込まれるなど、中国で人気を博しているテンセントの『微信(国際版はWeChatの名称)』。そんな微信に商標権に問題が発生したようです。2012年12月21日、
駆動之家が伝えました。
テンセント自身は2011年1月24日に微信の商標権申請を提出していたのですが、

ちょうどその1週間前となる2011年1月17日に”北京联智昭阳文化传播有限责任公司(以下、联智社)” という会社が分類も全く同じ38番(電信、通信サービス)でいち早く商標権を申請してしまっていたのです。

微信という名は联智社が申請を行なった2011年1月17日時点でもそこそこの知名度がありましたし、最終的にはテンセントに利用権が認められる可能性は高いようです。ただし一般論で言えば先に申請したほうが権利を有するので、名称変更もしくは联智社から商標権を買い取る必要性が出てくる可能性も棄てきれない、というのが現時点の専門家の見解のようです。
私自身も最終的にはテンセントが”微信”という名称を利用できるようになるとは思いますが、その微信がサービスを一般公開したのは以前紹介したとおり2011年1月21日のことです。 公開前から名称は決まっていたでしょうし、今回の問題は商標権申請が遅れてしまったテンセントの過失によって起こったものと言えるでしょう。
少し前にアップルもiPadやiPhoneの中国での商標権が問題になりましたし、昔から先に製品名・サービス名などのドメインが取得されてしまうという件もありますし、著名企業は特に製品、サービスを展開する際には細心の注意を払わないといけないですね。従業員などが悪気も無しに「今度自社で開発している〇〇って製品がさぁ。。。」というのを友達に話し、それがひとり歩きし先に商標権やドメインを取得されてしまう、というケースも0とは言えません。
取り急ぎの速報ですが、経過などは随時アップデートしていきます。
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