中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2012年12月23日
■ネットショップ的世界の終わり
2012年12月21日、「世界の終わり」がやってきた。マヤ歴の長期歴が1つの周期を終えて次の周期に突入するというだけの話らしいが、ハリウッド映画「2012」の影響もあり、なぜか「世界の終わり」として世界の人々を楽しませることになった。
本気にしてしまった困った人たちももちろんいるのだが、それ以上に多いのは「世界の終わりネタ」を楽しむ人であり、商売にする人だろう。例えば、中国のネットショッピングモール最大手タオバオで「世界末日」(世界の終わり)と検索してみるだけで、あふれる商魂を味わうことができる。
最大のヒット商品となったのがジョークグッズ「ノアの方舟乗船券」。ペアチケットなので、誕生日プレゼントにもどうぞという触れ込み。いいネタになるが、これだけしかプレゼントをあげなかったら殴られそう。お手軽に作れるグッズなので複数のショップからいろんなデザインの乗船券が出ている。
正統派グッズである避難用具一式だが、「世界の終わり装備避難パック」という名前にされるとなにやらすごいもののような気が……。
ロマンチック・世界の終わり・ろうそく!たんなるロウソクなのに世界の終わり関連グッズと言い張る根性がステキ。
他にも「世界の終わりバーゲンセール」を展開するネットショッピングモールも話題になっていた。まあ、ともかく盛り上がればなんでもいいというたくましい商魂をじっくり味わえた。
■世界の終わりでネットアイドル誕生
さらに世界の終わり関連で知名度を得たネット有名人も登場した。それが「末日姐」。広州市で働く照明器具デザイナーだったという彼女は世界の終わりを前にした9月に辞職。四川省の山奥にこもって、竹製のノアの方舟を建造した。さらに文明社会が崩壊した後の世界を生きのびるために木登りの練習をしたり、森で食べ物を集めたり、木の葉で作った露出度の高いドレスを作ってみたりと果敢にチャレンジ……
という触れ込みで、マイクロブログを9月から12月までの3カ月間更新し人気を集めたという。
ネタ的に面白いだけではなく、末日姐n可愛らしい顔立ちと整ったスタイル、そしてあごぎすぎる露出度の高い「文明崩壊後の世界衣装」も魅力的。「やらせじゃないの?!」との疑いもかけられているが、正直、やらせじゃなかったらびっくりである。
3カ月間もこの面白ブログをやり続けた企画力と実行力はたいしたものなので、今回得たノウハウや知名度で今度の新たな展開を期待したい。
関連記事:
「邪教」の信者がパトカーを破壊、「世界の終わり」まであと2週間となった中国
世界の終わりまであと3週間=マヤの予言で盛り上がる中国ネット民
「自殺では現実を変えられない」チベット人作家ら焼身抗議の中止を呼びかけ(tonbani)
死神小学生=名探偵コナンがそろそろ終わりそうなんだぜ……中国人オタクの悩み(百元)
「相互理解すると戦争が終わる日本アニメって変」「平和すぎだろ」中国人オタクの議論(百元)