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2012年12月24日、学期が終了し冬休みが始まったばかりのこの日、南インド・バイラコビーで、TCV(チベット子ども村)スクールの第9学年(中学3年)を終えたばかりの青年が焼身を図ったが、実行する前に保護された。
焼身を試みたのはルンリク・ドルジェ(ལུང་རིག་རྡོ་རྗེ་)20歳。朝9時頃、バイラコピーにあるルクサム・チベットコロニーの第一共同市場の前で、灯油を被った身体に火を点けようとした。しかし、その時、強い風が吹き、火がなかなか点かなかった。その様子に気付いたインド人が店のチベット人に声をかけ、一緒に彼を取り押さえたという。
ルンリク・ドルジェは焼身の目的について次のように話したという。「本土では焼身しても、中国が情報を遮断するので詳しいことは伝わらないので、多くの人が知ることもない。(インドのような)自由な国で焼身すれば、チベットの現状を世界に知らせ、世界からの支援を得ることができるのではないかと期待した」
彼は2011年頃から焼身することを考えていたが、学期中に焼身するとみんなの勉強の妨げになると思い、学期が終わった時にしようと思っていたという。
焼身当日については「今年の学期が終わった24日の朝、ホーム(寮)に在った灯油と以前から準備していたライターを持って市場の裏に在った空き家に行った。そこで、灯油を被ったが、人に見られたので、すぐに表に廻って、そこで火を点けようとしたが、風が吹いて点かなかった」という。
ホームの保母さんの話によれば、「彼は普段からチベット問題に関心が強く、友人ともチベットの状況についてよく話していた。3年前にチベットにいる母親が亡くなってからは性格が大人しくなり、優しくなったように思えた」という。
参照:
25日付チベット語ニュース「ཁ་བརྡ།(カダ)」、25日付ボイスオブチベット放送
ཁ་བརྡ།のコメント欄には、彼の勇気を讃えながらも「火が着かなくて本当によかった。苦しいのはあなただけじゃない、みんな苦しいのだ。ここは、もう2度と焼身するなんてことは考えずに、一度死んだ気になって、一生懸命勉強して、将来のチベットのために働ける人になることを考えてほしい。私たちは教育がなくて十分役に立つことができないのだ。あなたは若くて機会が与えられている。だから勉強に励んでほしい」等と書かれている。
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*本記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の2012年12月26日付記事を許可を得て転載したものです。