中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。

2012年12月29日

■中国の高校は受験地獄、日本マンガの高校ライフがまぶしすぎる……
日本のアニメや漫画、ライトノベルなどでは高校生活が舞台になったり関係したりすることが多いと思いますが、中国オタクの多くにとっては受験地獄最終局面の自分達の高校生活と比べてあまりにも差が激しく思えることから「日本の高校生活は気楽すぎる」「いや、さすがに創作の話だから良い所だけ切り取っているんだろう」「でもそういうのを差っ引いて考えても、明らかにこっちより楽しそうじゃない?」といったようなやり取りが定期的に飛び交ったりしていります。
しかし、中国オタクの面々のオタクな生活が本格的に始まるとされる大学に入ってみると、サークル活動や(高校までに比べれば)比較的自由な環境もあってか、実は日本の高校生活に近いモノがあるのでは……と思ったりもするようです。
先日、中国のソッチ系の掲示板でそういったことに関するやり取りを見かけましたので、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
■中国人オタクの議論
最近ラノベを読んでいてふと考えたんだが、二次元に関しては日本の高校生活=ウチの国の大学生活と考えてもいいのではないだろうか?実際の所はともかく、制度や雰囲気的にはそっちからイメージする方が理解し易いように思えてきたんだが。
なんとなく分かるような気がする。雰囲気というか、学生の気分的には確かにそういう所があると言えるかもね。
ウチの国でも大学に入ってからはサークル活動とかがあるが、あれは日本の部活動に近いようにも感じられるね。学生主導での趣味でやれる活動なんて高校時代は無理だけど大学に入ってからならある程度はできる。まぁ、スポーツ系の部活の「甲子園」だとか「全国大会」なんてのはやはりファンタジーに感じてしまうが。
さすがにそれは一面的すぎないか?アニメや漫画、ラノベあとはドラマとかか。その辺で描写される「日本の高校」って楽しい部分や特徴的な所だけでしょ
うん、だから私も「二次元に限って」という話にした。ただそれでもそういった描写があるということは、元になった事情が存在するわけだし参考にしてもいいんじゃないかなーと思ったわけで。
なんか日本人留学生の話を聞いてみると、日本の大学のサークルよりも日本の部活動に近い気がするんだよな。話を聞いた限りのものではあるんだが、日本の大学サークルはなんか、良い悪いは別として社会との接点や人間関係のゴタゴタがやたら多いと感じた。ウチの国の大学のサークルってそういうのが少ないから、雰囲気的に日本の部活動に近いと感じるんじゃないかな。
そもそも、アニメや漫画には大学の生活を舞台にした作品が少ないし、大学が舞台の作品って対象年齢を高めにしているのか全般的にドロドロした所がある。言ってしまえば無邪気な所が消えるんだよね。そういうのを見ると、なんか自分の大学生活とは違う……と感じてしまったりも。
こっちで知られている大学が舞台の作品で、比較的良い感じで楽しめるのって「ゴールデンタイム」や「もやしもん」くらいかね?ただあれを見ていると、やはり日本の大学生活とこっちの大学生活の違いのようなモノも感じてしまう。
「ゴールデンタイム」は良いよね。酒飲んだ後のぐだぐだっぷりや、主人公と周囲の迷走っぷりなんかがかなり感情移入できる。あとは「四畳半神話体系」とかもウチの国大学生が感情移入できる作品なんじゃないかな。
やはり環境の違いが影響しているんじゃないかと。日本の場合は高校まで進学した時点で大学へ更に進学するか、就職して社会に出るかを自由に選べる。ウチの国では高校レベルではお話にならない。
言われてみれば、進路に関する選択と社会への距離ってのは結構でかい要素だな。ウチの国では高校はまだ遊ぶ余裕無いし大学に入るのだけが目的になる。実感を以て具体的な将来の展望を考えるのは大学になってからだよな。
そういや、ウチの国では高校の場合は進学一択だよね。進学以外のルート(恐らく進学よりは厳しいが、それでも成功の可能性は比較的ある)が存在する日本と違って、大学行かないのは実質落伍者だ。あと大学では院に「進学」か、就職かで悩むところがある。しかも大学に行ったからにはできれば院に進んで就職の際の自分の価値を高めたいという考えが強いし、その辺日本の高校での選択にやや似た所もあるのかもな。
(中国の高校生が100%大学に進学するわけでも、高卒学歴では生きていけないわけではないですが、学歴的にはエリートが多い中国人オタクにとっての「普通の生き方」では「大学には必ずいくもの」という意識があるのでしょう。ナルトやワンピースなどは低学歴の人が読む民工マンガ。高学歴のオタクは萌えアニメなどをたしなむ、という中国オタク階級制ネタとも関連しているかもしれません。関連記事:「80後」「90後」でも変わらない中国のアニメビジネス=百元籠羊・安田峰俊のシンポを聞いてきた)
確かにその辺の感覚は「日本の高校」に変換した方が近いかもね。以前日本の大学生と話したんだけど、日本では大学を4年で卒業するのが一般的で、院に進むのは研究分野に進むか、遊学状態を維持するかでしかなく、普通に仕事する場合は4年で卒業しておかないと就職できなくなるらしい。ウチの国の大学生の生活と、日本の大学生の生活でもかなり違いがあるようだ。
あー、そうか。ウチの国では就職しないで院に進むと考えた場合「まだ学生としての先」があるんだ。日本の高校と将来に関する感覚が微妙に近いように感じるのはそこら辺が影響しているかも!
進路の選択ってのは面白い指摘かもしれない。考えてみれば、恋人同士や片思いの関係で「同じ大学に行けるために頑張る」というのは、ウチの国の受験制度的に無理すぎるが、同じ大学の院に進むためにがんばるということなら、自分でやれる部分がかなり多いし、成立できなくもない!
でもウチの国の大学には「先輩、後輩」という日本の学校特有の学年による強制的な上下関係ってのは無いよね。日本の高校の生活との違いってのはやはり大きいんじゃないかな。
まぁ同じとするのは無理があり過ぎるだろうね。しかし、集団生活や自由時間として考えてみるとやはりウチの国の高校より大学の方がまだ近いってのは確かなんじゃないかな。高校の頃は夢も希望も無く、受験を第一の目標にしないといけないわけで……日本にも受験が有るのは知っているけど、全体的に見ればウチの国ほどキツいってことは無いだろうし。
「先輩」とかに関してはそもそもウチの国では無い話だからな……でも、日本の高校を舞台にした作品でよくある「基本的に学生だけで構成される環境」っていうのはウチの国の大学での生活は結構近いものになると思うんだが、どうだろう?親元から離れての寮生活って、ある意味学生だけの環境と言えるのではないだろうか。
なるほど。日本の作品の高校の独特の「一般社会とは部分的に切り離された環境」ってのは、確かにウチの国の大学と似通っている所があるかも。それに、なんだかんだでちょっとした自由もあるしね。
都心のキャンパスのない大学に通ってた人間としては羨ましい限りでした。