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【南方週末事件】プロパガンダを掲載しろと脅迫されたならば……中国のブンヤさんが見せた“気骨”

2013年01月11日

■【南方週末事件】プロパガンダを掲載しろと脅迫されたならば……中国のブンヤさんが見せた“気骨”■


■中国の新聞の気骨

南方週末書き換え事件は大騒ぎとなり、世界的なニュースとなってしまったわけですが、基本的には中国のメディアはお上に逆らえないわけで、ぎりぎりのラインで抵抗したり、あるいはこっそりメッセージを入れて抵抗していたりする次第。今回の事件でも中国のブンヤさんたちの精いっぱいの気骨を見ることができる。
”抵抗”の仕方にはいろんな方法がある。記事「【南方週末書き換え事件】美女応援団、グルメ記事で援護射撃、芸能人も支援(ujc)」ではニュースサイトの見出し縦読み、芸能人のポエムつぶやきなどを紹介しているが、ここでは3つの例をご紹介したい。


■新京報篇

事件を受け、中国共産党中央宣伝部は、南方週末を批判する環球時報の社説「南方周末致读者实在令人深思」(南方週末の声明「読者へ」は実際深く考えさせられるものだ)を有力紙に転載するよう命じた。

これに逆らったのが新京報と瀟湘晨報の2紙。北京市共産党宣伝部のエラい人が新京報本部に乗り込み、“掲載しないなら新聞は刊行させないと通告。つーか新聞社は解散することになるかも”と脅迫。実際、印刷所をストップさせるという荒技に。その次第を新京報記者がネットに流して明らかになっている。

「中国共産党、改ざん否定社説を要求 北京の新京報に圧力」
朝日新聞デジタル、2013年1月10日)

「転載しないなら、新京報は解散することになる」
     ◇
北京紙「新京報」の本社に縁なしメガネをかけた男が乗り込んできたのは、8日午後8時を過ぎたころだった。メディアに強大な権力を持つ北京市の共産党宣伝部副部長、厳力強氏。その用件を、同紙の戴自更社長はよく分かっていた

で、結局、新京報は屈して9日の紙面に社説を転載するわけだが、その中でも出来る範囲の“抵抗”を示している。

(1)普通は重要コラムを載せないような場所にちっちゃく掲載(参考:北京メディアウォッチ
(2)同日、「南方の粥」と題したコラムを掲載。南粥(Nanzhou)と南週(Nanzhou)は似た発音。「南の粥はうまいで~」というグルメ記事で南方週末へのシンパシーを示した。
(3)毎日、紙面をPDFで配信しているが9日に限っては掲載せず。システムのバグでござる、政治的な意図はないとうそぶく。


■瀟湘晨報篇

新京報と違って内部リークがなかった瀟湘晨報に関してはどのようなやりとりがあったか不明ながらも10日に環球時報社説を転載。しかし新疆報道用、紙面の片隅に配置したほか、その隣にはコラムの3倍もの大きさもある殺虫剤の広告を配置。「96360に電話して、害虫駆除サービスを予約しよう!“殺し尽くす”まで止まりません!」がキャッチコピー。気概を見せた。

20130109153647281


■新浪網篇

大手ポータルサイト・新浪網が環球時報社説を転載しているのだが、こちらもなかなかの気概を見せている。記事末尾に

声明:登载此文出于传递更多信息之目的,并不意味着本网赞同其观点或证实其描述。
声明:本記事を掲載したのはより多くの情報を伝えることが目的であり、本サイトがその観点や事実説明に同意していることを示すものではありません。


と太字で大書しているのだ。この異例の但し書きで新浪網の担当編集者の意識を示している……のだが、新京報がやたらと目立ってしまったために誰もほめてはくれないのだった。せめて金鰤でぐらいとりあげようと思ってご紹介した次第である。

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