中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
■いつのまにかついてしまう「あだ名」
いよいよ年末が近づいてきましたので、今回は後回しにしていたネタの整理も兼ねて「中国オタク内でやり取りされるキャラのあだ名」についてやらせていただきます。
アニメや漫画などのキャラ名がいつの間にやらあだ名が広まり、いつの間にやらそれで定着してしまうことが少なくありません。
その辺に関しては、中国オタクの面々によるやりとりでも変わらないようで、中国オタクの間であだなで呼ばれる有名キャラというのがかなりいます。そんな訳で、今回は中国のソッチ系のサイト等で見かけた「キャラのあだ名」に関するやりとりを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
■中国人オタクの議論
みんな、いつの間にかあだ名やネタ呼称で呼んでいる、覚えているキャラって多いんじゃないかな?そんなキャラのあだ名と思い出に関して少しばかり語ろうぜ!私は「団長」こと涼宮ハルヒが最初にあだ名で覚えたキャラだ!団長の存在は今でも心の中に深く刻まれている!
「名探偵コナン」の灰原哀はその人気の高さの結果、いつの間にか殿の敬称つきで「哀殿」と呼ばれるのが定着しているし、他にも「哀帝」という呼び方もあったな。
「灼眼のシャナ」の悲劇はシャナという名前が「sha」「na」という表記になっていることだ。 「sha」のせいで愚かだとなんだとか、アンチにネタというか罵倒な呼称で呼ばれることに……それと坂井悠二は「U2」という呼び方もあったね。こっちは近い音だし「2」に色んな意味をこめられて悪くない気もする。(訳注:中国語で「愚か」という意味になる「傻」のピンイン表記は「sha」になります。ちなみにシャナの中国語名は「夏娜」で、ピンイン表記は「xiana」になります)
「けいおん!」の秋山澪の「MIO」は、「澪」が中国では一般的な字ではないからパッと見で読み方がわからないのもあってか、いつの間にか定着していたな。あと中野梓の「梓喵」は個人的に名訳。上手い具合に「あずにゃん」を訳している!!(訳注:「喵」は中国語で「miao」と読み、猫の鳴き声の意味にもなります)
「とらドラ!」の逢坂大河は作中の「大河」と「タイガー」の発音をかけたネタが中国語では説明しないと分からなかったが、いつの間にか「萌虎」という呼び名も出ていたな。あと手乗りタイガーを訳した「掌中老虎」は良い訳名だと感じている。
数字のあだなって結構多いような気がするが、思いつくだけでもちょっとまとめて見よう。「3000」(三千院ナギ)、「614」(「ゼロの使い魔」のルイズ、「ガンダム00」のルイス等)、「894」(八九寺真宵)、「1096」(朝比奈みくる)といった辺りかな。(訳注:614、894はどれも音が中国語の数字に近いものになっています。1096に関しては「みくる」の中国語表記「実玖瑠」の音が十、九、六の中国語発音に近いか同じものになっています)
ルイズで思い出したが、「ゼロの使い魔」の才人のあだ名「才狗」はハマり過ぎな呼び方だと思うわ。釘宮理恵ボイスで呼んでもらいたいくらい。
この手のあだ名で一番有名になったのは「とある科学の超電磁砲」の御坂美琴についたあだ名「炮姐」じゃないかな?こっちのネットではもう完全にこの名前で認識されているような気がする。
私は「IS」に関してはそんなにハマった作品じゃないけど、シャルを「法国香菜」と呼んでいたのには笑った。(訳注:中国語ではフランスを「法国」と言います。また声優の花澤香菜さんは名前の「香菜」が中国で一般的な食材の「香菜」と一緒ということで中国オタク的にはインパクトのある名前となっているのだとか)
「狼と香辛料」のホロは普通に「賢狼」とか「萌狼」とかいう呼び名になっていたような。アニメ第三期にはまだ期待しています。
物語シリーズの阿良々木暦の「阿垃垃圾君」はいろいろとうまいよなー。日本語の「あららぎ」という音を再現しつつ、しかも「垃圾」という言葉がハーレム作成能力と広すぎる守備範囲や様々な言動に対する風刺にもなっている。普通はそんなあだ名だとアンチっぽくなって揉めることが多いんだが、阿良々木くんの場合は良い意味でのネタ呼称になった感がある。(訳注:「垃圾」は中国語で「ゴミ」の意味になります)
ここ最近で最も広まったのは「魔法少女まどか☆マギカ」の鹿目まどかの「圓神」じゃないかな。あの作品のストーリーもあって、ウチの国のオタクの間に強く刻まれた名前だと思う。
でも「まどか☆マギカ」はキャラに関しては思ったより伸びなかった印象もあるね。まどか以外のキャラに関してはそこまで強烈なあだ名は生まれなかったし。日本のキャラ評価やファンの反応とは結構違いがあるように感じるのが興味深い。てか、「まどか☆マギカ」のキャラに関してはウチの国では「QB」ことキュゥべえが全部持っていったような気もするなぁ。
ファンの間だけの話であんまりメジャーじゃないけど、「CLANNAD」の「武帝」こと坂上智代と、「字典帝」こと藤林杏の名前を出してみよう。
あ、マイナーなのでもいいのなら私は「神のみぞ知るセカイ」の桂木桂馬への敬称である「桂神」を挙げさせてもらおう。「神」とつく呼び方は結構多い気がするけど、私にとって印象深いのはやはり桂馬だね。彼のギャルゲーに関する態度と能力は、ある種の理想像だ!「神大人」と呼ぶのもやぶさかではない!
「神」つきの呼び方なら「基拉・大和」(キラ・ヤマト)の「基神」を出さねば。作中での良くも悪くも特別な扱いに、「ガンダムSEED」のネタ扱いも含む人気もあってしょっちゅう使われている。最も有名な「神」つきのあだ名の一つなのは間違いないと思う。
神というなら、「萌神」こと長門有希だ!コレって確か元々はキョンの独白の「長門大明神」からきていて、それが「長門大萌神」になり、短くなって「萌神」になったんだっけ。あとコレは好きな呼び方じゃないんだが、「Angel Beats!」の「仲村ゆり」の「偽団長」というあだ名は正直どうなのかなーと思ってしまう……
好きじゃないあだ名というなら自分の場合は「Fate/stay night」の衛宮士郎に対する呼び方の「土狼」だね。士郎はダメ主人公の典型に思われていることが少なくない。虚淵玄のキャラと比べて土狼は……みたいに。歪んだキャラだというのは間違いないんだがアンチの連中は「考えの足りない熱血バカ」と思い込んでいたりするのがもやもやする。
土狼が出たならこれ、「School Days」の伊藤誠の「人渣」を。彼が出現してからイロイロと似たような方向性のキャラは出ているように思うが、やはり「渣」という言葉、「人渣」という言葉がピンとくるのは伊藤誠だな。そのネタっぷりが突き抜けて「誠哥」という呼び方にまでなってるし。(訳注:中国語で「渣」はくず、ゴミ、「哥」は兄、兄貴といった意味になります)
「土狼」のアンチ的な空気は別として、Fate関係は名前が特殊だしあだ名で呼ばれるキャラ多いよね。代表的なのだとセイバーの「吾王」やギルガメッシュの「金閃閃」とかか。
でも、セイバーの「吾王」はZeroでのダメ王基準による意味も含まれているから、アンチも混じっているような?「金閃閃」は「金ぴか」だし、ネタ系のあだ名で問題ないと思うが。それにしても、「金閃閃」のあだ名はZeroでギルガメッシュの人気が拡大する上で非常に大きかったように思う。このあだ名が出なければ、人気も知名度もそこまで高くならなかったんじゃないかな。
私の心に刻まれているあだ名は「アマガミ」の橘純一の「紳士橘」や「純哥」だ。作品はそこまで人気でたわけじゃなかったけど、なんというか、凄いキャラだった。二次元における「紳士」というものを理解させてくれた彼のことを私は忘れることは無いだろう。
「魔法少女リリカルなのは」のなのはとフェイトに対するあだ名、「暴君」と「寵姫」はハマリ過ぎていると思う。
なのはに関しては他にも「白色悪魔」があるな。今百度で画像検索したらRX-78ガンダムといい勝負していて笑った。
好感をもって呼ばれるあだ名といえば、「生徒会シリーズ」の杉崎鍵の「KEY君」だろ。ラノベ系主人公ではいまだにトップクラスの人気だし、あだ名も定着している。これは原作の呼び方の一つが、上手い具合に定着したケースなんじゃないかな。
「CCさくら」の木之元桜のあだ名「初代櫻」に関しては、成立した過程が少々気になる。最近ではもう「櫻」が無くなって「初代」だけで呼ばれたりもしているが、なんで初代になったんだろう?魔法少女に関してはそれ以前にウチの国で人気になった作品は「クリィミーマミ」や「セーラームーン」があるし、「さくら」という名前のキャラも結構ありそうな気がするんだが。
あれは、あんまりにも「桜」「サクラ」「さくら」というキャラが多いから区別の必要があったからでないかね。「初代」ということに関しては、ウチの国でオタクのコミュニティがある程度成立していから意識されるようになった最初の魔法少女で「さくら」な名前のキャラといった辺りなのではないだろうか。