■習近平8項目に温州が敢然と挑戦！■

記事「「書類袋を布から紙製に変えました」習近平初の大政治キャンペーンの成果がしょぼすぎる件（水彩画）」でご紹介した、習近平の作風改善8項目。実情はともかく党中央はキャンペーン中ですから、下々はこれに反するようなことはやってはいけないのです。

北京市は一般的な文芸活動への出席や報道を行わない、湖南省は豪華な公用車を豪華に装飾せず国産車に順次切り替える、山東省は基層に視察に出た場合決められたホテルを使う、安徽省は……

などなど、各地方から涙ぐましい主婦の節約術みたいな内容の報告が挙がってきています。3月に開催予定の両会（全国人民代表大会、全国政治協商会議）では花をなくすなどのセコい案が飛び出してきているほど。

中国全土がせこさ自慢に明け暮れている中、唯一、浙江省温州市が党中央にケンカを売っていたことが明らかになりました。23日付人民網に「温州市、市両会開催期間中の道路閉鎖を通達＝公然と党中央を挑発との指摘」と書き立てられています。

問題の通達
市第12期人大第3回会議、政協第10期温州委第2回会議は、それぞれ2013年1月19日から22日、1月18日から21日に市人民大会堂で行われる。

両会会議期間中は周辺道路の交通安全確保のため、『中華人民共和国道路交通安全法』第39条の規定に基き、綉山路で交通制限措置を実施する。関係する通告は以下の通り（後略）

温州市政府が公式サイトで発表したのは1月12日。イベント時の道路封鎖は作風改善8項目の第5項目にある「警備工作を改善し、群衆との連携に有利な原則を堅持する。交通管制を減らし、一般的な状況下では道路を封鎖せず、閉鎖させない」に違反しています。

習近平が広州訪問した際にも道路封鎖を実行しませんでした。それを微博で褒めさせるという手法で「いい政治家」をアピール。習近平の視察だけではなく、北京市でも高官がお出まししても道路封鎖を実施しない試みは試験済み。

ただ温州市政府の通達にも引用されているとおり、道路交通安全法第39条には、「公安機関、交通管理部門は道路と交通量の具体的な状況に基いて、交通制限や通行禁止などの措置をとることが出来る」と明記されています。

法律と習近平の重要講話、どっちが優先度の上なのか……という問題はともかくとしても、とりあえず党中央に逆らったように見えるだけに習近平のメンツが潰された格好になりました。

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＊本記事はブログ「中国という隣人」の2013年1月23日付記事を許可を得て転載したものです。