中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2013年01月26日
日本から輸入された紙オムツをめぐってマフィアが暗躍。筒井康隆の短編小説にでもありそうな楽しい話だが、これが実話というから、中国はなんとも面白い。2013年1月25日付中国新聞網、25日付FMN、26日付解放日報などが伝えた。
23日午前、浙江省寧波市の新興大酒店で、税関オークションが行われた。没収されたもの、期限を越えて港に保管されていたもの、廃棄されたものなどが対象で、ワイン、木炭、干しトウガラシ、小型トラック、アイロン、エンジンなど100種類もの品物が出店された。
その中でも注目は日本・花王の紙オムツ、2万5476袋だ。正規店で1袋170元(約2500円)、安売りでも125元(約1900円)はするという。入札者の中には「紙オムツのためだけに来たんや」という人も少なくなかったという。なぜ紙オムツがこれほどの人気なのか?
「あれはただの紙オムツやない。輸入物の紙オムツや!」と説明してくれたのはある入札者。粉ミルク同様、赤ちゃん向けの製品には安全な外国物を使いたいと考えている中国のパパ・ママは多いよう。そのため花王の紙オムツは中国で人気だと言う。しかし昨年10月に大手ネットモール・Tモールで販売された花王製紙オムツで赤ちゃんのお尻がかぶれた問題が報告されて以来、「ニセモノが出回っているのではないか、中国工場で製造された品は品質に問題があるのでは」という毒オムツ事件が取りざたされている(2012年12月13日付時代週報)。
その意味で、税関押収品なので今回の紙オムツは「ちゃんと日本から輸入されてきた品物ですよ」と保証されているわけだ。なんで押収されたのかが気になるところだが、記事中には書かれていない。おそらく密輸だろう。
オークションでは紙オムツは2回にわけて入札されることになった。第1回の4268袋の入札が始まった時、事件は起きた。20人以上の謎の男たちがオークション会場に出現。「応札の札をあげたら、その手をぶったぎってやる!」と脅したのだという。
写真を見ると、それにも負けずに入札に札をあげて袋だたきにされている図という局面があったもよう。入札→「なにこりずに入札しとるんじゃあ」と乱入、というコントが何度も繰り返された揚げ句、結局オークションは中止に。現在、警察が調査を進めているという。
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