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中国艦船レーダー照射事件に隠された安倍首相の陰謀=真の狙いは「日米首脳会談」―環球時報

2013年02月06日

中国軍艦レーダー照射事件を突然日本が騒ぎ立てた理由。それは月末の日米首脳会談をにらんでのものだった……と環球時報。


晚霞中的军舰
晚霞中的军舰 / Yunnan Taste

■この記事に書かれていること:三行まとめ

(1)中国側の反応はまだほとんどない。
(2)わずかにある反応の中で、環球時報掲載の専門家インタビューを翻訳して紹介
(3)レーダー照射はさわぐほどのことじゃない。日本の目的は、日米首脳会談で集団的自衛権をアメリカに認めさせること。


■長すぎる前置き:中国側の反応がまだほとんどない

2013年2月5日、小野寺防衛相が記者会見を開き、中国軍艦が海自艦艇に射撃管制用レーダーを照射したことを発表した。これがいったいどのような意図をもってのものか、日本メディア各社の報道については以下の記事にまとめた。
(関連記事:挑発か、警告か、それとも暴走か?中国軍艦の射撃管制レーダー照射の目的について各紙報道まとめ

続いて中国側の反応……と言いたいところだが、まだ何も出ていないというのが実情。中国外交部の華春瑩報道官は「知らん。報道で見たけど全然知らん。関係部門(=軍)に聞け」と回答したらしい(NHK・NEWSWEB)。世界で58番目に美しい政治家・姜瑜さんに続く女子キャラとして投入された、癒やし系人妻報道官・華春瑩さんは面倒なお仕事を頼まれたものである(関連記事:中国外交部が新キャラを投入、キャンパスの花的人妻報道官の人気やいかに(水彩画))。

中国メディアも日本メディア報道の翻訳・転載ばかりで特に面白みがないものばかり。中国側がどう対応するのか、どういう理屈で攻めるのかまだ決まっていないので、報道が禁じられているのだろう。まあこういうのはよくあることなので特に不思議ではない。

しかしこういう時でも突撃をかませるのが環球時報のすごいところ。共産党準機関紙にして、売れ線のタブロイド紙、中央宣伝部の報道規制を軽やかに乗り越えていく環球時報の不思議な位置づけについては、誰かその秘密を教えて欲しい。

朝日の記事「中国紙サイトが日本批判「問題作り上げた」 軍照射」がこの環球時報の主張を拾っている。ただし社説ではなく、専門家の論評という掲載にしていることは注意するべきだろう。そのあたりが微妙に怒られない一銭なのかもしれない。

前置きがやたらと長くなったが、環球時報がレーダー照射の件でいくつか掲載した記事の中で、もっともクレイジーで楽しかった記事「日本側、中国軍がロックオンと指摘し対立を誘導=専門家は日本は世論作りがうまいと分析」をざっくりご紹介したい。



■「日本側、中国軍がロックオンと指摘し対立を誘導=専門家は日本は世論作りがうまいと分析

日本在住の華人学者、JCC新日本研究所の庚欣副所長は環球網の取材に答え、「中国の軍艦がたとえ射撃管制用レーダーで日本艦艇をロックオンしたとしても、日本側が想像するような“危険”はない。日本は以前からずっと世論を作り出すことに長けている。安倍訪米のための“手札”を獲得しようと見抜くことはたやすい。

全体的な流れの中でこの事件を位置づけることが重要だと、庚副所長。2012年9月に日本政府は挑発行為で、日中の歴史における「9.11」を作り出した。中国側の反対を無視して尖閣を買収。日中の対立を激化させた。その後に起きた一連の小さな衝突や摩擦で中国は強硬な態度を示したが、元をただせば日本が先に「買収」したため、中国側はやむを得ず強硬な反応を見せざるを得なかったのだ。

「今回 、射撃管制用レーダーを日本艦艇に照射したのは、日中の軍事衝突的性質を帯びた対抗の一環である。島嶼の支配権失効に関する問題であり、「買収」以後の小さな衝突の一つに過ぎない。日中双方は一連の動きを見せているが、それは戦術上の動きであり、日本側が形容するような“危険”はない。

日中の指導者は先日、「間接的接触」を果たしたばかり。双方がなんらかの合意を得るまで、良好は今回のような探りを入れたやりとりを繰り返すことになると庚副所長は指摘する。ただしその危険度は日中戦闘機対峙ほどの危険性はない。

庚副所長によると、現在の日中関係には2つの大背景があるという。第一に公明党の山口那津男代表が中国を訪問し、中国側高官に安倍晋三首相の親書を手渡したこと。日中両国とも日中関係を修復させようという意図を持っている。

第二の背景は安倍首相が2月末にオバマ大統領と会見とするということだ。日中の緊迫期と見られている現在だが、日中間だけではなく日米間にも駆け引きがある。日米中のいずれもが取引のカードを手にし、二国間会談の空間を作り上げようとしているのだ。ただし大局からいえば、緊張から緩和へと向かう傾向にあり、偶発的散発的な衝突はコントロール可能である。

なぜ日本はこの時期に日中軍艦のニュースを公開しようとしたのか。この件について、庚副所長は日本は以前からずっと世論を作り出すことに長けている、とりわけタイミングを図ることに聡いと説いた。歴史を紐解けば、柳条湖事件から盧溝橋事件まで、日本は口実を作って次なる行動の条件を整えることがうまかった。今回の事件も国際世論の構図を作り出し、「中国の挑発行為が対立を激化させた」として自らを被害者にしようとする試みだろう。

また安倍首相は2月末のオバマ大統領との会談で集団的自衛権の問題を議題にしたいとも伝えられている。庚副所長は米国が集団的自衛権の規制緩和に同意するか日本側は確信がないと分析。そのためより多くのカードを手にして米国に譲歩を迫ろうとしていると指摘した。

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