中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2013年02月07日
iPhone camera / くーさん
攻撃の前段階である射撃管制用レーダーの照射。後は撃つだけ、というきわめて危険な挑発行為に見える。中国メディアはこの問題に対し、どのようなネタが出てくるのか待っていたが、「よくあること」「日本側の真の狙い」という2点に話がまとまりつつあるようだ。
■ピックアップ、中国メディア
賊を捕らえろと叫ぶ日本賊は中国海軍を侮べつした=挑発は完全な茶番劇だ
環球網(要約紹介はこちら)、2013年2月6日
環球網軍事特約評論員・雷澤
よく知られているとおり、海軍艦艇が有害な追跡や航行を干渉する相手側艦艇に警告するのは国際的に通用する慣例だ。(…)もちろん射撃管制用レーダーを照射して警告してもよい。(それでも相手が従わない場合は)最終的にB側艦艇は空砲を撃って警告する。
種々の証拠が示すとおり、日本側は今回の事件において、当時、日中双方に起きていた摩擦の背景を公表していない。また当時の両国艦艇の航行状況も公開していない。まるで日本側の道理のない行動を故意に隠しているかのようだ。それにもかかわらず日本側はあくまで(自己の問題を)否定し故意に隠し、正しいことと間違ったことを逆にして、中国海軍が「きわめてまれな行動をとった」と行っている。これは完全に日本が自作自演で作り出した茶番劇である。
この茶番劇の背後には尖閣問題を過熱化させたいという日本の狙いが隠されている。安倍の米国訪問前のウォーミングアップだろう。同時に国際社会において「いじめられている日本」といういつわりの図式を作り出そうとしているのだ。この種の「理がないのに、三分の理を探しだす」外交戦術はまさに典型的な「日本右傾博徒政治」である。さらに近年、日本が中国に用いる欺瞞式外交の常套手段だ。この問題に私たちは強く警戒しなければならない。
「日本側、中国軍がロックオンと指摘し対立を誘導=専門家は日本は世論作りがうまいと分析」
環球網(要約紹介はこちら)、2013年2月6日
なぜ日本はこの時期に日中軍艦のニュースを公開しようとしたのか。この件について、庚副所長は日本は以前からずっと世論を作り出すことに長けている、とりわけタイミングを図ることに聡いと説いた。歴史を紐解けば、柳条湖事件から盧溝橋事件まで、日本は口実を作って次なる行動の条件を整えることがうまかった。今回の事件も国際世論の構図を作り出し、「中国の挑発行為が対立を激化させた」として自らを被害者にしようとする試みだろう。
<レーダー照射>日本は騒ぎ過ぎ!自衛隊は中国艦船を日に百回もロックオンしている―中国紙
新聞晩報(レコードチャイナが要約紹介)、2013年2月6日
中国の軍艦が日本護衛艦に向けて射撃管制用レーダーを照射していたことを明らかにした。なるほど、これが事実だとすれば確かに敵対的な行為と言えよう。だが中国艦隊の30年以上の遠洋航海の歴史にとって、このような事態は決して珍しいことではない。中国の艦隊が遠洋航海に出港するたび、自衛隊の艦載機やP-3C対潜哨戒機が追尾してくるのはもはや恒例行事。日本防衛省のウェブサイトには中国艦艇の写真が大量にアップされている。そうした中で、レーダーに捕捉されるのも珍しいことではない。中国青年報の報道によると、昨年2012年12月、西太平洋での遠洋実戦訓練に旅立った中国の艦隊は9日夜から10日午前にかけて、自衛隊の艦船、航空機に追尾された。その際、100回近くも不審なレーダー信号をキャッチしたという。
中国軍艦のレーダー照射、日本が今になって騒ぐのはなぜか?=中国分析
新京報(新華社日本語版が転載)、2013年2月7日
カナダ在住のコラムニスト・陶短房氏の署名記事
軍事評論家が指摘するように、「レーダー照射」と追跡は海上の軍事力が互いの限界を試す上での常套手段だ。近年、中国海軍の遠洋活動が増えるに伴って日本の艦艇や航空機が中国艦艇を追跡、撮影することが日常茶飯事となった。まして、今回、事件に巻き込まれた日本の海自護衛艦「ゆうだち」は中国の遠洋訓練を監視する「常連」だ。
安倍さんの陰謀というより、権益を拡大したい防衛省関係者の思惑と安倍さんの戦後レジーム脱却志向が一致した結果じゃないかな。