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中国ネット企業がNARUTOなどのネット配信権を正規取得=中国人オタクの反応(百元)

2013年02月10日

■バンナムと集英社が中国のテンセントと提携した件についての中国オタクの反応■


■テンセントとバンダイナムコ、集英社が提携

先日、中国の大手ネット企業テンセント(騰訊)とバンダイナムコゲームス、集英社が提携するというニュースが流れましたが、ありがたいことにこの件についての質問をいただいておりますので今回はそれについてやらせていただきます。

この件に関する日本での報道はこの辺りでしょうか

BookLive、中国でテンセントが開始するコミック配信サービスにビューワソリューションを提供(ITmedia eBook)
「NARUTO-ナルト-」がオンラインで!バンナムとテンセント共同開発(エスゲーム)

ざっと見た所では中国で話題になっているのは集英社からの電子出版の権利取得と、NARUTOのゲーム開発に関してでしょうか。

電子出版の方に関しては、権利を取得した作品が「NARUTO」、「ONE PIECE」、「ドラゴンボール」、「Dr.スランプ」、「聖闘士星矢」、「銀魂」、「遊戯王」、「テニスの王子様」、「家庭教師ヒットマンREBORN!」、「BLEACH」、「バクマン。」の11作品で、中国で人気の高い集英社系の作品をほぼ確保した形になっています。

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ちなみに、テンセントによる中国語化漫画のページはこちらです。作品の半分くらいは既に公開されているようです。

このニュースは関係する作品が作品ということで中国オタク内でもちょっとした話題になっていますので、その辺のやり取りを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


■中国人オタクの盛り上がり

テンセントと集英社、バンナムと提携、更に集英社の大作の電子出版の権利を取得したそうだ。更にゲームの展開も出ている。これ、ウチの国のアニメ漫画ゲーム界隈に大きな影響が出るんじゃないか?

正規軍が来たぞぉぉぉぉ!どうなるんだぁぁぁぁぁ!?

タダで漫画を見れる時代が終わったということか。どんどん住み難い世の中になるなぁ。

無料で見れるお試し部分結構あるっぽいし、そんなに悪くはならんだろ。好き勝手やれる時代は終わりに近づいているのは確かだが。

あー、ここしばらくでオンラインで漫画を公開しているサイトで「NARUTO」とかが消えていたのはそういうことか。

テンセントは気に食わないが、それを除けば普通の流れではあるよね。昔のテレビでは一応こういった流れもあったし。テレビはその後条例や「敏感」なアレコレで壊滅してしまったが、今ネットで昔のような「作品が入ってくる」流れが出てきているわけか。

でも、ニュースにある集英社の作品って国内でも既に正規出版の漫画が出ているぞ。どういうこと?
ニュースには電子出版に関してとあるから、印刷出版とは別ってことなんだろう。あとネット上のデジタルデータも含めての話だろうから、今後の海賊版対策がどうなるかだな。それにしてもネットでの配信なら日本との同時の連載とかやってくれるのかな?それだったら悪くない話なんだが。

どうなんだろうなぁ。電子「出版」となるとウチの国は難しくなってくる可能性があるし。同時に連載ってのはあまり期待できないような。
(中国の検閲の中でも出版物に対するモノは特に厳しい)

アニメも最近は日本とほぼ同時に公式配信出たりするようになってるから、私は漫画の方にも期待してしまうね。ファンサブグループの翻訳ってクセが強かったり、自分の解釈押し付けてきたりする所があったりするから自分としては公式で一定以上のクオリティならそっちの方が良い。

テンセントがアニメ漫画分野まで食い込んでくるのとか、正直気分悪いわ。てか、「NARUTO」のブラウザゲームとかウチの国で既にイロイロとあるが、あれももう終わりってことなのかね。明らかに許可とって無いし。

まぁテンセントがここまで大きく動くとは思わなかったが。ウチの国の大手ポータルサイトはどこもアニメや漫画分野に手を出し始めているし、こういうことが起こるのは当然の流れではあったな。動画サイトも正規の版権取得ってのが出始めているしね。

しかし、この手の話って日本に金が行くだけで中国国内に対しては良いことなんも無いのがムカツク。

公式配信って楽だし安定して供給されるってのは案外悪くないぞ。結局の所、ファンサブとかはクオリティが一定しないとか供給が不安定だとかあるし。

なんだかんだでテンセントの最近の動きって悪くないよね。相対的な優位さが落下気味ってのもあるかもしれないが、昔に比べて金での力押しが少なくなってきている。どちらにしろ、サーバー環境や運営が安定するというのは漫画、ゲーム共に利点だ。

なんか既に勝手にナルトの素材を使ったブラウザゲームへの訴えの動きは出ているみたいね。どうなるんだろうなぁ。

てか、「NARUTO」だけじゃないな。今後は集英社系の大作の素材を使った作品はヤバそうだ。まぁ、今までが勝手にやり過ぎたと言えばそうなんだが……急激な変化が不安なのも確かだったり。

そこら中のコミュニティでその手のオタク版権を勝手に使っちゃったゲームのスレや広告あるしな。でも、あれに金落とすくらいならこっちに落とした方がまだマシでない?

ゲームに関してはとりあえず様子見。どういう課金体系になるかが心配だが。

これが俺達にとって良いことなのか悪いことなのかはもうちょっと経たないと分からんよね。とりあえずゲームに関しては正規ルートでサイバーコネクトツーということで、個人的にちょっと気になるのは確かだが。

見えるぞ。血継限界へ課金しなければならない忍者の姿が……!あと漫画の課金とかどういうシステムにするんだろうね。ウチの国では全部課金で読ませるのは難しいだろうし。

とりあえず、今後の展開として考えられるのは、「NARUTO」等の漫画を見るにはテンセントに行かなければならないってことか。それ以外はどうも実感がわかない。あとナルトのオンラインゲームはどういう形になるんだろ?なんかブラウザゲームっぽい感じなんだが、日本の報道ではサイバーコネクトツーが絡むそうだし……

ネットに流れまくってた漫画に関する整理は行われるんじゃないか?中国よりも確実に厳しいであろう日本のネットの状況を見た感じでも0にはなるってことはないと思うが、今までのようにはいかないと思う。

少し前に集英社系の作品を手がけていたファンサブグループが「今後のファンサブ活動は内部の研究学習のためのもので、転載や商業利用を禁止する」といった声明だしてたが、あれもこのニュースが背景にあったのかな。

テンセントによる壟断状態になるのは怖い。でも「NARUTO」や「BLEACH」とかの集英社の大作がバンバン入ってくるのがちょっと嬉しいのも確かなわけで……

そういや、「BLEACH」の中国語名がこっちで一般的な「死神」じゃなくて「境・界」になっているな。この辺は商標とかも絡んでそうだが、まぁそれなりに受け入れられる翻訳タイトルでよかった。「海賊王」で広まっていた「ONE PIECE」の正規タイトルが「航海王」になった時はなんかとてもガックリきたからね。

とまぁ、こんな感じで。


■動き始めたアニメやマンガの正規版権取得

不安を感じたりもしているようですが、関連する範囲が非常に大規模ということもあってか今後の展開や影響についてはいまいちピンと来ていない所もあるようです。

また不安に関しては、テンセントが中国のネットでは最大手クラスというのもあるようです。テンセントは過去にイロイロと強引なことをやってきたので中国のネットユーザーの反感もわりとあるようですし、感情的に不安やら反発を覚えたりもするようです。

しかしこのニュースの他にも、動画サイトによるアニメ配信など、最近は中国のネット関係で正規に版権を取得してサービスが行われるというケースが増えています。こういった動きが中国オタク関係にどのような影響を及ぼすのかイロイロと気になりますし、今後も追っかけていこうかと考えております。

とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

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*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2013年1月21日付記事を、許可を得て転載したものです。

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