中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2013年02月13日
ありがたいことにタレコミ情報をいただきましたので、今回はそれに関してやらせていただきます。
「ガールズ&パンツァー」はここしばらくの間で一気に盛り上がりその人気は現在も続いているかと思いますが、中国オタクの間でも結構な人気となっています。中国の子供の多くは大抵一度は戦車にかぶれるという話もあるくらいですし、ガールズ&パンツァーの戦車描写などが非常に好評のようです。
しかし、話題になり過ぎたというか人気が出過ぎたようで、何やら中国では「ガールズ&パンツァーは軍国主義的で危険な作品である」という批判が出たりしていまして……。中国では「日本」と「軍事」が組み合わさるとすぐに「日本の軍国主義化」という話が出るような所がありますし、旧日本軍は伝統的な悪役として色んなところで頻繁に顔を出しますから旧日本軍関係のネタに対してもかなり敏感です。
そんな中国において、ガールズ&パンツァーは人気が出過ぎて燃え上り易い人達の目にもつくようになっちゃっている模様です。
そして先日、ついに中国の軍事系メディアの一つである「中国国防報」において、ガールズ&パンツァーの批判記事が掲載されちゃったそうです。その内容は大雑把に言えば「ガールズ&パンツァーは軍国主義の悪意がしくまれている作品なんだよ!」というものだとか。
中国語ですが、その評論記事についてはコチラのニュースサイトなどに大体の文章が載っているそうです。
“正体を隠した”日本アニメ=軍国主義の悪巧みが潜む
以下、批判(?)の要点について
・「少女与戦車道」(ガールズ&パンツァー)が中国で人気に。アニメファンだけではなく、軍オタもひきつけ、「二次大戦戦車の教科書」とまで言われているが、私は中国の軍オタとして不愉快だ。というのも日本人は作品内によからぬものを持ち込んでいるからだ。
・作品で描かれる日常生活は現代日本だが、戦車道の試合では二次大戦調に。
・戦争を美化する芸術は最も反感を呼ぶもの。しかも美少女を主役にし、作品全体にロマンと暖かさが漂っている。少女たちは戦車内を寝室のように飾り続け、訓練の中で成長している。美しい場面だが、しかし最終的に再現されるのは黒煙漂う戦場だ。
・きわめて専門的に戦車の性能を表現。戦車のメンテナンス、操縦、偵察、通信、火砲の操作、戦車ごとの弱点などを知ることができる。いわばマニュアルのようなものとなっている。
・軍歌が流れるシーンが多い。特に少女たちが幼い声でロシア民謡・カチューシャを歌いながら戦車を前進させるシーンは人気となった。
なお記事はアニメのキャプチャーが満載。詳しすぎる説明といい、批判にかこつけて紹介したかっただけじゃないないかという疑惑も……。この記事で興味を持ってアニメにはまった人がいるというのも納得。文責:Chinanews
ガールズ&パンツァーが軍国主義的だとか、それによる文化侵略だとか、日本の右翼化だとかいう話がなかなか止まらんのはどういうことだろうな。ついに「中国国防報」の評論まで出ちゃったぞ……
その手の批判をする人って、アニメに一体何を投影しているんだろうな。色眼鏡でアニメを見るのはやめてほしい。
もうね、言葉も無いとはこういうことだよ。最近は餓えることが無くなったのは良いが、その分余計なあらさがしに熱心になるのが増えているのはどうにかならんのか。
こういうのって、「娯楽であるアニメに何を考え込んでいるんだ」と言っても通じないのがなぁ。そういうのが見えると思い込んでいる人間には、どんなものでもそういう風に見えるし、ハラが立つんだろうな。
ウチの国は娯楽の中から政治的な理由を探すのが大好きだからねぇ。悪意がどうのこうのと批判する人間は、その悪意を向ける行為とやらに関して身に覚えがあるという事なんじゃないかな!
本気で軍国主義だとか帝国主義だとかを宣伝するならこんな回りくどいコトするかよ。そもそも、批判の理由が「軍事教練作品としてみることができる」から「軍国主義」だというのが何とも言えない気分になる。それならウチの国の軍事関連の書籍とか軍事訓練とかも軍国主義や帝国主義の宣伝になるっていうのかよ。
しかもその「軍事的な学習に使える」というのが、ガルパンのアニメにおいて描写された戦車の操縦やメンテナンス、火器の使用、更に戦場の偵察や通信、そして戦車の運用ときたもんだ。アホか!あれを見ただけで戦車が操縦できるわけねぇだろ!戦場に出れるわけねぇだろ!
戦車が危険なら、ウチの国で大人気の「World of Tanks」もさっさと規制しないといけないわけだな!ガルパン見てるヤツの多くはこのゲーム触っているしな!
軍国主義がどうこういうなら、ストライクウィッチーズなんかの時の方が明らかにその手の視点でツッコミ入れる部分多かったはずなのに、当時はこの手の話がほぼ出なかった件について。
ガルパンは戦車要素だけを取り出して、そこに萌えを加えたものだから逆にその手の問題を感じない良い作品になっていると思うんだが。私の場合、正直マブラヴとかの方が不快に感じる点多かったかな。どちらかと言えば、第二次世界大戦ネタが背景に出る方がなんか意識してしまって気分悪くなる。あと新作の「八犬伝」とか普通に日本軍のキャラ出て来るが、あれは受け入れられんというか、出ただけで反感を覚えてしまう。
日本のアニメ界が右翼化しているのは確かだと思うぞ。昔に比べて軍事関係のモチーフが増えているのは実感するし、日本軍関係のネタも普通に描写されるようになっている。気分よく見れるちゃんとした作品ってどんどん少なくなってしまうんだろうな。
おいおい、日本では昔からこの手の作品はあったし、ウチの国にも入ってきていたぞ。ガルパンの作中でもネタにされている、ガルパンなんか目じゃないほど露骨な軍事ネタを扱っている小林源文の作品とか、90年代辺りにはもうこっちに入っていてマニアの間じゃそれなりに人気になっていたし。
見える……日本のヤツらに「この作品はお前らに向けて作られた作品じゃないから!」とネタにされるのが見える……!実際の所、人気になり過ぎたのが不幸の始まりだったのかも。最近はマニア向けの作品も簡単に入ってくるようになっちゃっているからね……
一応、これ国防報の文章じゃないからな。国防軍事特集号の方の文章だ。あと、投稿の掲載であって編集部による記事ではない。署名の肩書は「軍迷」(軍事マニア)だからな。ただ、載せちゃってる時点でなんとなくアレな気分になるのも間違いないが!
ウチの国の軍オタの一部もヘンな方向で燃え上っているのがめんどくさい。軍オタの感覚も一枚岩じゃないと痛感する。戦車ネタは好きな人間が多いから、話題にもなり易いのが面倒なことを引き寄せたか。
軍オタ的にはむしろ、こういう「日本関係で軍事、故に日本の軍国主義の陰謀!」みたいなレッテル貼りというか牽強付会は避け、要素ごとに分解して理解できると思っていたんだが、全ての人間がそうではないというのが明らかになってしまったよな。
まぁなんだ、とりあえず私は中国の戦車が出ないから嫉妬しているという説でいってみようか。
嫉妬というか、オタク内部のゴタゴタに関しては萌えと戦車の組み合わせが気に食わない連中が批判しているってのはあるように思う。戦車ネタを語るライトなオタや新規流入組が気に食わないから、叩く口実探しているとでも言うか。新しいファンが自分より戦車ネタを楽しんでいる、自分の理解したくない楽しみ方をしている、自分よりも知識を獲得してしまっているのが気に食わないんじゃないの。
最近ウチの国ってほんと情緒不安定だよな。この手の批判をする人にとっては、日本で作られた作品で戦争っぽい要素が入っていれば全て侵略戦争を美化しているように見えるんだろうな。そして、そういう批判が出て来るのにも、スルーするのにも慣れてしまった自分がいる……
人によっては日本関係のモノはどれも軍国主義的な悪意を内包しているように見えるらしいからな。ガルパンがこういう方面で話題になってしまうのは頭が痛いし、とても残念だ。題材的に、人気になり過ぎるとこういうアホな展開になるんじゃないかと危惧していたが、まさにそうなってしまった。
なんでこの手の批判って「陰謀」だとか「隠されている本当の内容」とかいう話になるのかね。日本の右傾化だとか軍国主義化が本当に起こるとしたら、こんな萌えの装飾なんて必要ないだろうに。
そうさ、全てはこうやって隠されているんだ!我が国の公園で毎日行われている太極拳、あれは恐ろしい殺人訓練の意味が背後に隠されちゃってるんだよ!!
もうこの手の話は二次元に来ないでくれよ……
しかしなんだ、この手の文章が広まれば広まる程、作品が意識され、人気も上がってしまうんだが。軍オタじゃなかったり、萌えアニメ嫌いだったりする知り合いとが何人もこの手のゴタゴタで逆に興味をもって作品にハマっているぞ。
本件について多くは語らないが、オブラートに包んだ言い方するなら
それぞれの派閥ごとにそれぞれの正義がある、ってとこだろうか。