■鳩山由紀夫元首相を全力で「いい人」認定する中国■
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今年1月の南京大虐殺記念館訪問によって、中国認定の「いい人」となった鳩山由紀夫元首相。路線修正とも見られる書簡を送ったが、やはり「いい人」認定は解けず、中国メディアに絶賛されている。
■鳩山さんは南京大虐殺30万人説に同意したのか?
我らが鳩山由紀夫元首相ですが、今年1月、中国を訪問。南京大虐殺記念館にも訪問し、犠牲者30万人説にもうなづいて「絶賛」されたそうです。
「30万人」にうなずいた…中国紙、鳩山氏絶賛
読売新聞、2013年1月18日
18日付京華時報は鳩山氏の写真と共に、鳩山氏が歴史問題で「おわび」を表明し、沖縄県・尖閣諸島は「係争地」だとの認識を示したことを「理性的」だと絶賛。新京報も同日付で、「日本国内にも強硬一辺倒ではなく、友好的で歴史を直視する声もある」との専門家の談話を掲載した。
鳩山氏の今回の訪中が、中国側の宣伝に利用された側面は否めない。鳩山氏は大虐殺記念館を訪れた際、諸説ある南京事件の犠牲者を「30万人」と特定している記念碑での献花は見送っていたが、国営新華社通信は18日、「30万人」との記念館側の説明に鳩山氏が「うなずいた」と報じた。
献花を見送るほどの慎重さは持ち合わせながら、30万人との説明にうなづく=同意するなんていう軽率なまねを、いかに鳩山さんとてするだろうか?
という疑問から原文を調べたところ、ちょっと気になる記述が。
听着朱成山的介绍,鸠山不断点头。(朱成山の説明を聞きながら、鳩山氏は繰り返しうなづき続けた)
「不断」という中国語ですが、えんえんとこっくりこっくり首を振り続けたという意味になる。ひょっとして鳩山さんは相づち打っていただけなのに、「30万人の説明を首を振る=同意したとは……。なんたる親中派っぷりよ!」という報道に仕立て上げられたのではないか……と推測する次第。
「相づち=話を聞いていますよというシグナル」という日本的習慣と「首を縦に振る=Yes」という外国的習慣。というのは、きわめてありふれた文化摩擦コントという印象ですが、ここで使われるのかよ!と驚愕した次第。
■鳩山さんの手紙
で、それをまずいと感じたのか、鳩山さんは南京大虐殺記念館に書簡を送ったという。
「事実を認めてこそ良い未来がある」、鳩山元首相の書簡にネットで賞賛の声多数―中国メディア
また、歴史問題において両国で見解が異なることを認め、対話によって更なる衝突を避けるべきだとした。さらに、日中関係を修復するうえで重大な責任を深く感じていると語っている。鳩山氏の書簡は中国のインターネット上で話題を集めている。書簡の内容に対し、否定的な意見を書き込む人もいたが、多くは肯定的な声が目立っている。
鳩山さん、いまさらがつーんと言ったのか、と思って中国語メディアの
報道を見てみると、意外や意外、むしろ絶賛モード。「鳩山は日中関係修復の責任は重いと感じている。対話を通じて新たな紛争を避けたいと提唱」という要約。
南京大虐殺記念館の朱成山館長曰く、書簡のポイントは4つ
(1)朱さん、訪問した時、説明してくれてありがとう。
(2)日本の侵略にわび、被害者を追悼する。
(3)国家間で歴史事実の認識について違いがあることを認めて欲しい。対話を通じて新たな紛争を回避するよう呼びかけたい。
(4)日中関係修復の責任は重いと感じている。
(1)(2)(4)が決まり文句っぽいと考えると、(3)がポイントだったのではないかとも推測するのだが、記事の重点としては、「鳩山が手紙くれた。ええやつや」ということになっているもよう。南京大虐殺記念館訪問に続いて、書簡でもまたまた中国市場における鳩山株があがったということになろうか。
後先考えずにともかく行動してみる、問題があったら訂正の連絡を入れるという、元首相とは思えない軽やかな動きを見せる鳩山さん。こういう人が仕事仲間だったらやっかいで仕方ないだろうが、友達としては憎めないキャラのようにも思える。首相、元首相としては……という評価は言わずもがなだろう。
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