中国、リタンに軍を派遣しチベット人が新年を祝うように監視し、同地域の通信を遮断。
Ani on the Phone in front of Jhokang / lylevincent
2013年2月18日付ボイスオブチベット中国語版の内容があまりにあれだったので、ざっくりとご紹介したい。
リタンでチベット人1人が当局に拘束されるボイスオブチベット、2013年2月18日
14日夜10時、チベットのカム地方リタン(四川省カンゼ・チベット族自治州理塘県)禾尼郷に住むチベット人・ツェチュ(ཚེ་ཆོས་)さんが、中国当局に秘密裏に拘束された。昨年12月、当局は寺院お堂に中国国旗を掲揚するよう求めたが、ツェチュさんは公然と反対。これが拘束の理由ではないかと現地住民は噂しているという。
また、2月11日のロサ(チベット歴正月)をチベット人たちがちゃんと祝うよう、当局は監視を強化している。13日にはリタンに軍が派遣され、現地チベット人の生活に大きな影響を与えたという。同時にWechatなどの通信サービスが切断された。
非常に短い記事な上に、現地住民のお話を元に組み立てられているので、何が原因でこうなったのかがさっぱり(ロサが11日で、その2日後に軍が派遣されたとなると、その間になにか会ったのだろうか)。
だが、これまでも本サイトで何回か紹介してきたように、「幸せなチベット人を演出するため、正月を祝うように監視」「ついでに軍を派遣」「で、通信網は遮断」とか3点セットでやられてしまうと、あまりにもすごすぎてなんとも……。
あと、チベットの人はテンセントのコミュニケーションツール・Wechatを便利に使って、焼身などの情報を海外に伝えていることが多いというが、全力で当局がチェックしている
この手の記事をアップすると、ツイッターなどで「まるでパラノイアのよう」とのコメントをいただく。パラノイアとは、「幸福は義務です(Happiness is Mandatory)」をキャッチコピーとし、不幸せ=反逆とみなされるディストピア世界を描くテーブルトークRPGとのこと(
ウィキペディア)。
振り返ってみると、KINBRICKS NOWでもこれまで多くの「パラノイア」系記事を公開してきた。というわけで、ここでまとめておきたい。
金鰤パラノイア系記事一覧:
「新年を祝え、歌え、踊れ」中国政府が焼身者の喪に服するチベット人に命令、補助金まで支給(tonbani)ネットを席巻!国有テレビのうざすぎ街頭インタビューを爆笑ネタに変えた神回答―中国「新年を祝わなければ牧畜の補助金はなしだ」幸福なチベット人を演出する中国政府(tonbani)ニュース番組が伝える「幸せの国・中国」=ありえないほどのイイ話にみんなでツッコミネットを席巻!国有テレビのうざすぎ街頭インタビューを爆笑ネタに変えた神回答―中国官制メディアの描く「幸せなチベット人」と炎に包まれた「仏月」―チベット人作家(tonbani)えらい人たちが流行病に感染、その名は「幸福フィーバー」―中国幸福にさせられた街ラサ=幸福都市ランキングとネット民のツッコミ―中国チベット人だけではなく中国人全体が幸福にさせられている。まあ、軍派遣や通信遮断はチベットや新疆限定かもしれないが……。