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【安倍首相インタビュー】煽り記事に釣られて激怒した中国メディアとネット民、冷静に事実を伝えた中国人記者がすごい

2013年02月25日

フェニックステレビの李淼記者の孤軍奮闘っぷりがグッとくる件について。


20130225_写真_中国_安倍晋三_2


■安倍首相のワシントンポスト・インタビュー問題

記事「米紙の煽り記事でちょっと厄介なことに=安倍首相インタビューと中国の反発」「【安倍首相インタビュー】米紙煽り記事で中国が動いた=外交ルートで照会、人民日報の格式コラムで批判」と続けてきたワシントンポストの煽り記事ネタ。

簡単にまとめると、安倍首相が、「中国は愛国主義教育で政権の支持を得ているが、それで中国のジレンマであり、愛国教育反日教育が日本との友好関係を阻害」と発言した部分をとらえて、「安倍晋三日本首相、中国の紛争の必要性は“深く根付いたもの”」というタイトルでワシントンポストが報道。中国側が激烈に反応したというもの。

この太平洋をまたにかけた煽り記事と爆釣の連鎖の中で、フェニックステレビの日本駐在首席記者・李淼さんが中国マイクロブログで、誤解を正そうと孤軍奮闘していた。


■李淼記者の孤軍奮闘

環球時報:安倍の訪米日に“驚愕”の論調=中国は日中衝突を必要としている(2013年2月21日)



日本首相官邸を通じて、安倍首相発言の日本語原文を確認したけど、安倍首相は「衝突」という単語を使ってないし、「中国の日本やアジアの隣国との衝突は、中国の根深い需要に基づく」とも発言してませんよ。むしろ日本の官僚が驚いていて、どこのメディアが報道したんだって聞いてくる。常識的にいって、安倍首相が直接こんな表現を使うわけはないから。
2月21日

これが真相です。さっき菅義偉官房長官に質問しました。(1)菅官房長官は、安倍首相は「中国の日本やアジアの隣国との衝突は、中国の根深い需要に基づく」とは発言してないと明言しました。「ワシントンポストの報道に誤りがあり、誤解を引き起こした」として、日本はすでに中国側に説明したとのことです。(2)日本はまた、在中国日本大使館を通じて、中国メディアにも正確に報道するよう要求しています。

さっき日本外務省を取材して知りましたが、安倍首相発言の誤報問題について、今日正午、外務省はすでにワシントンポスト側に警告したそうです。「安倍首相発言の報道は不正確であり、誤解を招いた」、と。


経過:21日、日本は中国の照会を受けました。紹介の内容は「環球時報の報道内容は事実かどうか」。日本外務省は確認語、すでに「外交ルートを通じて中国メディアに正確に報道し、誤解を引き起こさないよう要求する」と回答しています。外務省言うところの「中国メディア」とは環球時報のこと。環球時報は確認し、正確な報道に努めると日本外務省に回答しています。


■中国ネット民にリテラシーを説く

上で紹介した李淼記者のつぶやきを見ていただければ、別に日本に肩入れしているわけではないことはよくわかると思う。しかし誤解を正しただけで、「お前は日本に肩入れするのか!」とキレる困った人がいる。まあ困った人がいるのはどの国でも同じなのだが、プチ炎上的事態を迎えても李淼記者はひるむことなく、皮肉いいまくりで戦っている姿がステキすぎる。

アメリカメディアや日本メディアなどともかく海外メディアが「報道した」というだけで正確な情報だと思い込むロジックはいったいどうして生まれたものなのやら?海外メディアの曲解や誤報も相当多い。疑いの眼で真相を追求するのが記者の責任です。安倍首相は2月15日、東京でワシントンポストの取材を受けました。安倍首相の日本語発言は首相官邸に元の記憶があります。今日、首相官邸で記録を見せてもらいましたが、「中国の日本やアジアの隣国との衝突は、中国の根深い需要に基づく」と発言していません。
2月21日

海外メディアが報道した → 中国メディアは翻訳、報道できる → ゆえにもし海外メディアの報道が間違っていたとしても、中国メディアはただ翻訳しただけなので責任はない。わかりました。こういうロジックなのですね。
2月22日

その道理はわかったけど、付ける薬がないとしか。どれだけ説明しても無駄でしょう。自立した思考を学び、疑いの目をもってニュースを読めるようになるまで、まだ時間が必要なんだと思う。
2月22日

安倍首相のワシントンポストインタビューの日本語原文を入手しました。安倍首相は「衝突」「中国は対立、衝突を希望している」とも言っていない。ワシントンポストが報道した「Chinese need for conflict is ‘deeply ingrained”」とも、あるいは中国側が報道したような「中国の日本やアジアの隣国との衝突は、中国の根深い需要に基づく」とも発言していません。中国に関連する部分を翻訳しました。議論の前に原文を読んでください。
20130225_写真_中国_安倍晋三_
2月23日


■朝日新聞中国語版の誤訳問題でも活躍していた李淼記者

このグッとくる李淼記者の活躍だが、今回が初めてではない。記事「日本防衛相が「中国機に信号弾を撃つ」と発言?!朝日新聞中国語版の誤訳が噴飯ものの件について」でとりあげた朝日新聞中国語版の誤訳記事で中国メディアが沸き返った時も、李淼記者はいち早く微博で誤報を指摘、事態の沈静化に大きく貢献した(関連記事「日本防衛相が中国機への発砲を許可?!中国マスコミ騒然の朝日新聞による“誤報”について」)。

上述したとおり、李淼記者が特段、日本に肩入れしているとは思わないが、事実を突き止め報道するという姿勢、そしてそれを超速でマイクロブログで流すという姿勢が大きな役割を果たしている。

日本にも多くのマスコミがあり、中国語サイトや微博を開設している社も複数ある。だが、李淼記者ばりの活躍をできたところはない。「擦槍走火」(アクシデントから戦端が開かれる)ことがなによりも危惧される今、彼女のような姿勢は本当に貴重だろう。本サイト・金鰤としてもたんに李淼記者を讃えるだけではなく、微力でも中国語でも発信できるようにならなければ……と思っている。そのためには深酒をやめて時間を確保するところから始めたい。

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 コメント一覧 (5)

    • 1. アジア市民
    • 2013年02月26日 02:12
    • 格好いいなあ。これこそ真の報道記者ですね。
      日本の朝日や毎日や中日や北海道や沖縄各紙や・・・もろもろの新聞記者は彼女を見習って反省してほしいものです。
    • 2. 名無し
    • 2013年02月26日 05:22
    • 良い記者だな
    • 3. ねぎ
    • 2013年02月26日 10:35
    • これが当たり前の報道姿勢でないことに
      各種報道のいびつさが見える。
    • 4. モテモテJAP
    • 2013年02月26日 11:27
    • >そのためには深酒をやめて時間を確保するところから始めたい。

      李淼記者も立派だが、最後のこの一文が一番身につまされた。
    • 5. Chinanews
    • 2013年02月26日 22:41
    • >モテモテJAPさん

      ついつい飲んじゃうし、飲み始めると終わらないという……。お互い気をつけましょう。

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