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2013年02月27日
2013年2月26日、南方都市報電子版が伝えた。
■石油ドロボウと給水停止
2013年2月25日午前、江西省九江市永修県の遼河取水口付近で石油が浮かんでいるのが発見された。県給水公司はただちに水道水の供給を開始。オイルフェンスで油を隔離するとともに石油の回収作業を実施。 翌26日正午に水質基準が回復し、給水を再開した。
汚染はパイプラインからの石油漏れが原因となった。石油ドロボウはパイプラインに穴を開けた後ちゃんとバルブを設置。盗み終わった後は栓を閉じられるようにしていたのだが、しかり閉めなかったのが原因だという。推定で約40トンがもれ、水源の川に流れ込んだ。
■パイプラインを狙うドロボウたち
近年、こうした石油ドロボウが増えているという。当局もエネルギー企業も対策を強化しているが、石油ドロボウはお金になる商売。犯罪件数は増える一方だという。
中国石化集団パイプライン備蓄運送分公司が運営する中国石化パイプライン新聞網によると、2012年上半期だけで同社が管轄するパイプラインで110件もの盗難事件が発覚している。これまでに55人が逮捕された。
2006年の人民日報社の報道によると、パイプラインに穴をあけて油を盗む手口は1990年代の河南省・濮陽油田で初めて確認された。当初は年1、2件程度だったが2000年以降に激増している。中国石油化学によると、1993年の最初の事件から2002年までの10年間に3847件が発覚。その被害額は1億1000万元(約16億5000万円)に達している。
たんに石油製品が盗まれるだけではなく、今回の永修県の事件の同様、漏出につながるリスクがあるのも問題となっている。2005年には海底パイプラインに穴を開ける犯罪が大型の漏出事故、環境汚染事故へと発展した(斉魯晩報)。犯人2人は易燃易爆施設破壊罪で死刑となった。
■律儀にバルブを……
パイプラインから原油、燃料、天然ガスを盗むドロボウ行為は中国ではたびたび報道されている。
*天然ガスの大漁。
が、今回のニュースでちょっと驚いたのが、ドロボウの皆さんがパイプラインに盗むためのバルブを取り付けていたという件。見つからないかぎり、何度でも同じ所から盗めるようにということなのだろうが、以外と律儀というかなんというか。パイプラインの中に何も流れていない時を狙って工事したのだろうか……などと妄想すると面白すぎる。
映画化希望。
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自衛隊の皆さまの苦労に感謝申し上げます。安部さんが総理大臣であったことを感謝します。
こんな低民度のチュンチュンを相手にしなければならないことは情けないですが、できる限りは支援します。