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「日本では声優がキャラに合わないとオタクが怒るらしい……その気持ち、分かる」中国人オタクの議論(百元)

2013年03月01日

■中国オタク「日本では声のイメージが違うと原作ファンが怒るのか。その気持ち、分かる」■

《阿童木》官方海报
《阿童木》官方海报 / utpala ॐ


■原作ファンがアニメ化の際に許せないことランキング


先日、原作ファンがアニメ化の際に許せないことランキング(goo ランキング)というのが出たそうですが、このランキングの結果が中国オタクの間に伝わり、ちょっとした話題になっているようです。

最近では中国オタク内でもアニメの原作をきちんと把握している人が増えていますし、「原作をよく知っている」「アニメよりも原作の方が良いと感じている」ような人達のことを「原作党」と呼んだりしていますから、このランキングの結果についてもイロイロと思う所があるのかもしれません。

そんな訳で今回はその辺に関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


■中国人オタクの議論

日本で「原作ファンがアニメ化の際に許せないことランキング」と言うのが出た。その1位は「声のイメージが違う」ということだった模様。ウチの国の原作党はどんな感じなのかね。

上位に入っている理由はウチの国の原作党が怒る要素とだいたい同じっぽいね。1位は声のイメージが違う、2位がストーリーの改変、3位がエンディングの改変か。2位と3位は広義的に見れば同じような気もするが、1位の得票数は2位と3位を合わせたよりも多いから、日本では「声のイメージが違う」というのがかなり大きな理由になっているということか。

日本では声のイメージが違うと原作ファンが怒るのか。その気持ち、分かる。声優によってキャラの素晴らしさが高まるってこともあれば、当然逆もあるわな。

1位の声が違うってのは、ウチの国の人間が吹き替え版に文句言う様なもんに近い所があるかも。

1位の回答をした日本のオタクは、ウチの国のアニメ声優の外れたときのヒドさとその頻度を知らないに違いない。日本のアニメをずっと見ているし、それなりに棒読みだとかヘンな声だとかに当たった記憶はあるけど、ウチの国の声のヒドさを知っていると、文句言う気にはならんよ。

ウチの国の声優も、上手い人はきちんといるんだけど、アニメには来ないんだよね……制作費用が声の部分まで回らないっぽいし……


あと、ウチの国のオタクには日本の声優を有難がる風潮もあるからね。吹き替えだと必ず文句出るんだよな。実際、ウチの国の声優の実力も低いわけではない、というか一線級は非常に上手い。映画やドラマを見ればわかる。しかし、下になると本当にどうしようもないのも確かだ。

アニメ化の際のイメージが異なるって話ではないけど、1期と2期で重要キャラの声優を変えるのは勘弁してください……「生徒会の一存」がこれのせいでなんか見ててテンション下がりまくりだった。

声のイメージが違うってのはスゴイ理解できるよ。俺は「ドラゴンボール」の孫悟空の声がイメージと違ってショックを受けた。いや、こっちの勝手な思い込みだってのは理解しているんだが、それでもガキの頃から十数年もの間、ずっと脳内で蓄積されていたイメージだったもんで……

私は「ドラえもん」の日本語オリジナルの声がダメだったなぁ。あんな独特な声だとは思わなかったよ……だから私は「ドラえもん」は吹き替え版の方が良いな。

声優のイメージが違うって言うのは、制作側の理由もそうだが、見る側の作品へのイメージと声優の好み(知識ではない)ってのが影響するからな。原作が先行して存在する作品には永遠について回る問題だろう。

声優に詳しくなって後悔していることの一つに、声優のイメージにキャラの評価が引っ張られるというのがある。自分の好きなキャラに対して評判が悪い声優が声をあてる場合、それだけでガックリ来る。声優の評価に関する知識は、自分にとっては「知らなかった方が良かったかも」という知識だわ。声優と言う存在は好きだけど、時々もっと純真に作品を楽しめた頃に戻りたいとも思う。

ウチの国でアニメ化の際の声のイメージが違うってことで微妙な空気になった作品と言えば「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の高坂桐乃じゃないかな。竹達彩奈だと発表されたときは、原作ファン(含む私)がかなり文句言っていたように思う。でも、実際に見てみたらキモイ笑い方が非常にうまかったりするなど、何の問題も無くキャラの魅力を表現していた。日本のプロの声優なら一定以上のレベルにきちんと仕上げて来るだろうし、見ているうちに慣れることも多いのではないだろうか。

私の中では日本の声優は化け物というイメージが……中には合わないのもあるかもしれないが、ほとんどのキャラは見ているうちに慣れるよ。あと新人の声優も作品の初めと終わりの間で技量が向上したりするし。だから私はこのランキングの中だと「ストーリーの改変」が一番我慢が出来ないかな。ストーリーの改変って原作をないがしろにしたものが少なくないし。

自分もそれに同意。声に関しては慣れることができるが、ストーリーはダメだ。どうしようもない。ゲーム、特にギャルゲー系の作品は改変による原作ファンの嘆きが多いような気がする。ただ、ここ数年はわりとマシになっているかな。特に原作では複数ルートが存在する作品とか、数年前までは起こるのがほぼ確定した悲劇だったよな。

最近はギャルゲーのアニメ化も安定してきたよね。ちょっと前までは、ゲームのアニメ化に対して原作ファンは一縷の望みにかけるもやはり裏切られスレには怨嗟の声が満ち溢れるといった展開がお約束だった気がする。

最近でも「ましろ色シンフォニー」とかがかなりアレなことになってたぜ。原作知っているヤツもわりといたから、いったいアニメの制作者は何がやりたかったんだ、誰が得をするんだと頭を抱えてたっけ。
これ、声以外はウチの国の原作アリなドラマにも全部当てはまりそうなんだが。武侠小説原作系、特に金庸の作品なんかはすぐにイロイロと思い浮かんじゃうぜ。

金庸と言えば、最近またウチの国でドラマ化した「笑傲江湖」はこの手の改変が多くて炎上しているよな。東方不敗の改変とか、もうツッコミ所しかねぇぞ……

ランクインしているのをざっと見たが、声のイメージについてが1位になるのは理解できるね。私は「神のみぞ知るセカイ」の神大人こと桂木桂馬の声を福山潤でずっとイメージしていたんだが、アニメ化のキャスト発表が下野紘だったのでガックリ来た覚えがある。ただアニメ見ているうちに慣れて、下野紘も十分以上にキャラにあっていたのだと今では考えている。

このキャラの声は釘宮理恵だろうと脳内変換していたのに、アニメのキャストが知らない声優でガッカリしたことが何度かある。まぁ、自分の知識が浅いってのもあるんだろうが……

ランキングの下の方、12位だけど「キャラの性別が違う」ってあるが、これはスゴイな。でもそこまで大きな改変ってあるの?すぐには思いつかないが。

性別まで変えるだって!?そんな作品あるのか?

そういうのあるよ。ウチの国で有名な作品だと、「狼と香辛料」のパロスエ村の交渉人と、「フルメタル・パニック」の敵の双子とかかね。フルメタの方は漫画でも微妙に設定が違うな。

私は「フルメタル・パニック」の双子は別に悪い改変ではなかったと思うが、大きな改変だし許せない人がいるのも理解できる。ただ重要キャラの性別を変えるってのはさすがにあまり無いんじゃないかな?

アニメじゃないけど、日本の映画の「チーム・バチスタの栄光」は主人公が男から女に変わっているな。でも映画の評価はそこまでひどくないようだから、改変のやり方次第では案外許される要素なのかも。

とまぁ、こんな感じで。


■吹き替えで記憶に刻まれた作品も

原作と映像化された作品のイメージの違いに頭を抱えるというのは、どこの国でも変わらないようですね。

特に最近は原作をアニメ化前に把握している、ファンになっている中国オタクも増えていますから、原作とアニメの違いを意識してしまうことや、原作の知識によって期待していたことがアニメでは再現されていないことにガックリするといったことが増えているようです。

また「キャラの声」に関しては、放映されていたのが吹き替え版だったのでイメージとして刻まれているのは吹き替え版の声という人の場合、日本のオリジナルの音声が「キャラにあっていない」と感じてしまうこともある模様です。

とりあえず、こんな所で例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

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*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2013年2月22日付記事を、許可を得て転載したものです。

 コメント一覧 (1)

    • 1.  
    • 2013年03月25日 00:14
    • 実写化すると女キャラ増やされる事多いよね

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