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心臓にホースを突き刺して……中国の詐欺食品・注水牛肉の作り方

2013年03月05日

牛の心臓や頸動脈にホースを突っこみ、水を流し込んで作る“注水牛肉”について。

Hubei / 湖北 | bubalus bubalis / 水牛
Hubei / 湖北 | bubalus bubalis / 水牛 / toehk


■中国には2種類の水牛があります


みなさんは水牛を食べたことがあるだろうか?私はある。湖南省に住んでいた時、牛肉を食べたらなんだかやたらと堅かった。お店の人に話を聞くと、農耕用の水牛が死ぬとその肉が市場に出回るのだとか。病死した水牛だったら嫌だなぁとか思いつつも、ぱくぱくと食べてしまった。

さて、中国には種としての水牛とはまったく違う種類の“水牛”も存在する。それは水でかさましされた牛。いわゆる注水牛肉だ。牛肉の水分量を増やすことでかさを増し、売り上げをあげるというステキなビジネスだが、重量比で80%超が水という、このみずみずしい牛肉はちょっと押せば水がにじみだし、食感もべちょべちょ。何より腐りやすいと消費者にとっては最悪の産物。

この注水牛肉の作り方だが、解体前に水をしこたま飲ませたり、あるいは肉を水にひたしたりという方法なのかと思っていた。もっとすさまじい手法もあると知ってショックを受けたので、この情報を読者の皆様と分かち合いたい。


■How to make 注水牛肉

2013年1月27日放送の焦点訪談の特集「问“水”牛 横行到何时」(“水”牛の横行はいつまで続くのか?)を放送した。河北省石家庄市を取材し、注水牛肉を作る現場を取材しているのだが、これがすさまじい。

まず普通の解体のように電気ショックで牛を殺した後に血抜き。そしてここからが本番だ。頸動脈をかっきって、そこにホースを突っこみ、50キロもの水をポンプで流し入れるのだという。水だけを流し入れる場合もあるが、中古のゴム製品を粉末にしたもの、にがり、防腐剤を添加するケースも多々あるという。なるべく水が肉に保持されるよう、また注水しても腐りにくいようにという智慧のようだ。「うちは水しかいれないんや!」という農家さんは面倒なのか、はたまた「うちは混じりっけなしの注水牛肉や!添加物なんか入れません!」という職人気質なのか……。

で、3月2日、人民網が湖南省永州市で注水牛肉を作っていた食肉処理場関係者13人に最大で懲役1年の判決が出たと報じている。その説明がすごい。この業者さんは頸動脈ではなく、心臓に直接ホースをぶっさして注水していたという。牛を殺した後もしばらくは心臓が動き続けるので、その間に注水することで全身に水をいきわたらせることができるようだ。スピードが要求される匠の世界なのだろうか……。

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