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携帯電話は危険な道具、僧侶の携帯をチェックするため専属検査班を派遣―中国

2013年03月12日

ラサのチベット人僧侶の携帯電話をチェックするため、北京から専属検査班が派遣されたという。
 


Ani on the Phone in front of Jhokang
Ani on the Phone in front of Jhokang / lylevincent

中国、チベットの僧侶の携帯電話を厳しく検査
RFA中国語版、2013年3月11日

北京が派遣した携帯電話検査グループが先日、ラサ市に到着。各寺院の僧侶の携帯電話に対して検査を実施し、もし海外と連絡しているのを発見した場合には逮捕する可能性があると発表している。

インド・ダラムサラのチベット人権・民主促進センターのツェリン・ツォモは11日、RFAの取材に答え、中国当局はラサ蜂起記念日の数日前からラサ市内のチベット人の携帯電話の通信内容と保存された写真のチェックを始めているとコメントした。

ツェリン・ツォモによると、今回の検査期間中に携帯電話に「国家安全に危害」を加える情報や写真を発見した場合、法に基づき厳格な対応を採る、必要ならばただちに逮捕すると中国共産党官僚は言明しているという。

ネットが世界を変えるかどうかはともかくとして、携帯電話の進化は中国の反政府運動のあり方を大きく変えた。あこぎな事件があれば、その強烈な写真をネットにアップするだけで、またたく間に情報が広がっている。しかもそうした“すごい機械”を持っている人が無数にいるのだ。

というわけで中国も携帯電話の監視に力を入れている。とりわけチベットではダライ・ラマの写真を保存していたことを理由に拘束されるなど切ない話が絶えない。“すごい機械”の力をよく知っている身としては中国政府の心配もよくわかるのだが、しかし僧侶の携帯電話をチェックするために専属検査班が送られるという展開には改めて驚かされる。

ちなみに物理的にチェックされるだけではなく、中国のソフトウェアは「国家に危害を与える情報」をチェックできるようになっていることが基本。先日も米国の大学生が中国向けにライセンスされたスカイプ、TOM・SKYPEのブラックリストを解明したことが話題となっていた(ブルームバーグ・ビジネスウィーク)。

チベット人たちは微博や微信などの中国企業謹製アプリを使っていることが多いようだが、NGワードの発信がリアルタイムで差し止められるだけではなく、問題が起きれば後からログを参照される可能性もある。今後、“すごい機械”のログが原因で逮捕される人の数はますます増えるのではないか。

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